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アンドリューNDR114|そう遠くない未来 – 心をもつのは人間だけとは限らない・・・人間になることを夢見るロボットの姿を描く感動作。

アンドリューNDR114
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アンドリューNDR114は、1999年公開のアメリカ合衆国の映画。人間になることを夢見るロボットの姿を描く感動作。SF界の巨頭アイザック・アシモフの同名小説(創元SF文庫刊)の映画化。監督は「ホーム・アローン」のクリス・コロンバス。脚本は「悪魔を憐れむ歌」のニコラス・カザン。撮影は「マスク・オブ・ゾロ 」「エントラップメント」のフィル・メフュー。音楽は「タイタニック」「ディープ・インパクト」のジェームズ・ホーナー。

アンドリューNDR114 映画批評・評価・考察


アンドリューNDR114(原題: Bicentennial Man)

脚本:37点
演技・演出:20点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計89点

SF映画というジャンルですが、人間とは?を問うヒューマンドラマになります。名優ロビン・ウィリアムズの怪演のようにも思える序盤のアンドリューですが、アンドリューが人間に近づくにつれて、怪演ではなく、徐々にその表情や仕草も人間に近いづいていく様を彼ならではのずば抜けた演技力で魅せてくれます。その変化を見るだけでも十分価値のある作品です。ネタバレになりますが、この映画のポイントは、人類法廷がアンドリューを「史上初めて200年生きた確かな人間である」と認めたことにあります。これは人間の概念が新たなる階段を一段進んだことを指しています。次は銀河鉄道999の世界へ!みたいな感じです。実際この映画でも人工臓器の移植による人間の延命は、人間の体の機械化で、最終的には脳も人口脳になることは推測できます。そうなると何をもって人間なのか、尊厳なのでは?人間のポーシャは、アンドリューと共に死を自らの意志で迎えたシーンで終わったのはそういう意味合いでは?


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アンドリューNDR114 あらすじ(ネタバレ)

近未来、妻と二人の娘を家族に持つリチャード・マーティンは、ノーザム・ロボティックス社製の人型家事ロボット「NDR114」を購入した。NDR114がマーティン家へとやって来た日、次女アマンダが「アンドロイド」を「アンドリュー」と聞き違えたことから、NDR114はアンドリューと命名され歓迎される。しかしアンドリューに反感を持つ長女グレースは、アンドリューに二階の窓から飛び降りるように命令する。アンドリューは素直に飛び降りて半壊するが、壊れながらも大丈夫と応えるアンドリューに、リチャードはアンドリューを人間として扱うことを家族に約束させる。

ある日、アマンダとグレースと共に浜辺を散歩していたアンドリューは、誤ってアマンダの宝物である小さなガラスの馬を落として壊してしまう。アマンダから絶交を言い渡されたアンドリューは、浜辺の流木から小さな木彫りの馬を作ってアマンダにプレゼントし、彼女の許しを得る。リチャードの妻レイチェルは「どうせ機械が作った複製だ」と意に介さないが、リチャードはその馬を見てますますアンドリューの創造性に興味を覚え、技術や人間、ジョークについて教え学ばせる。アンドリューが木工技術で作る柱時計は高値で売れ、リチャードはその対価をアンドリュー名義の銀行口座に蓄えさせた。

月日は流れ、リチャードは老いた。アンドリューにひそかに想いを寄せていたアマンダも成長し、結婚した。アンドリューは表情を作れるようにアップグレードを受けてアマンダの結婚を祝ったが、ロボット然とした外見には変わりがない。やがて、アンドリューは人類の歴史を学ぶうちに人類が求め続けた「自由」に憧れ、自分自身を買い取りたいとリチャードに申し出る。リチャードはアンドリューの行動に驚き、反射的に申し出を拒否して背を向け、「出たければ勝手に出て行くがいい、おまえは自由だ」と告げる。アンドリューはリチャードの反応に失望を見せるが、マーティン家の近くに家を建て、一人暮らしを始める。やがてリチャードが死の床につき、最後の別れを交わしたアンドリューは、自分と同じNDR型ロボットを探す旅に出る。

数十年の放浪の末、アンドリューは遂に女性型NDRのガラテアと、その主人でアンドロイドの研究者ルパート・バーンズと出会う。バーンズはアンドロイドに人間のような外見をさせるための研究をしていたが、その研究はロボティックス社を含むロボット業界から見向きもされていなかった。アンドリューは研究資金と、実験台としての自身の体や人工臓器の設計アイディアをバーンズに提供し、人間そっくりのボディを手に入れる。マーティン家に帰還した彼は、かつてのアマンダそっくりの孫娘ポーシャと年老いたアマンダに出会う。やがてアマンダの死に目に会い、孤独になったアンドリューはポーシャとの対話を求める。アンドリューはポーシャの不信と反感を解かし、やがて2人は愛し合うようになるが、人類法廷は2人の結婚を法的に認めてはくれなかった。

さらに月日は流れポーシャは老いたが、お互いに愛する者が側にいる穏やかな生活を送っていた。一方、バーンズはアンドリューのおかげもあって成功し、今やロボットのみならず人間の体でも使える人工臓器の分野における第一人者となっていた。事故や病気で損傷した体の一部をアンドリューと同じ人工臓器で置き換えた人間も多い中、アンドリューは「なぜ自分が人間でないのか」と改めて人類法廷に問うが、またも法廷はアンドリューの問いや訴えを否定した。

長い人生に疲れていたポーシャが、長寿をもたらす遺伝子活性剤を飲むのを止めて自らの死を決意する中、アンドリューは「人間」として認められるために不死でなくなることを決意し、バーンズの協力を得て自分の体に人間の血液を輸血した。バーンズが言うには、このまま血液は人工血管を介して電子頭脳を含む全身に行き渡り、そのまま凝固することでアンドリューの肉体の機能は停止し、死に至るという。血液の影響で老化の進んだ外観となったアンドリューは、人類法廷に出廷し「あなたのどこが人間なのか」という反問に、自分の胸を指して「ここです」と答えた。

判決の下る日、アンドリューとポーシャはベッドに横になってテレビ画面を見ながら判決を待った。人類法廷がアンドリューを「史上初めて200年生きたことが確かな人間である」と認めた時、アンドリューは活動を永遠に停止した。ポーシャは、人間の姿を得て看護婦として付き添っていたガラテアに、自分の生命維持装置を停止するように求めた。ガラテアはポーシャの頼みに従い生命維持装置のスイッチを切ると、「偉大なアンドリューならきっとこう言ったでしょう。お役に立てて、光栄です」とアンドリューへ抱いていた自らの尊敬の思いを込めて語った。ポーシャはアンドリューの手をとり、死を迎えるのだった。

アンドリューNDR114 スタッフ

監督:クリス・コロンバス
脚本:ニコラス・カザン
原作:アイザック・アシモフ『バイセンテニアル・マン』アイザック・アシモフ,ロバート・シルヴァーバーグ『アンドリューNDR114 (小説)』
製作:ウォルフガング・ペーターゼン,クリス・コロンバス,ゲイル・カッツ,ニール・ミラー,ローレンス・マーク,マーク・ラドクリフ,マイケル・バーナサン
製作総指揮:ダン・コルスルッド
音楽:ジェームズ・ホーナー
撮影:フィル・メヒュー
編集:ニール・トラヴィス,ニコラス・デ・トス
配給:ブエナ・ビスタ,SPE

アンドリューNDR114 キャスト

アンドリュー:ロビン・ウィリアムズ
アマンダ・マーティン(リトル・ミス):エンベス・デイヴィッツ
ポーシャ・チャーニー:エンベス・デイヴィッツ
リチャード・マーティン:サム・ニール
ルパート・バーンズ:オリヴァー・プラット
ガラテア:キルステン・ウォーレン
レイチェル・マーティン(リチャードの妻):ウェンディ・クルーソン
リトル・ミス(幼少期・7歳):ハリー・ケイト・アイゼンバーグ
グレース・マーティン(ミス):アンジェラ・ランディス
ミス(幼少期・9歳):リンゼ・レザーマン
ビル・ファインゴールド弁護士:ジョン・マイケル・ヒギンズ
ロイド・チャーニー:ブラッドリー・ウィットフォード
デニス・マンスキー:スティーヴン・ルート
議長:ジョージ・D・ウォレス
マージョリー・ボータ議長:リン・ティグペン

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