エネミー・ラインは、2001年公開のアメリカ合衆国の映画。敵地のど真ん中に不時着したパイロットが執拗な敵の追跡をかわしながらサバイバルする戦争アクション。監督は報道カメラマン出身のCMクリエイターであり本作が初監督作のジョン・ムーア。原案ストーリーは「ワイルド・ワイルド・ウェスト」のジェームズ&ジョン・トーマス。脚本は「X-MEN2」のザック・ペンと「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のデイヴィッド・ベローズ。
エネミー・ライン 映画批評・評価・考察
エネミー・ライン(原題:Behind Enemy Lines)
脚本:31点
演技・演出:17点
撮影・美術:17点
編集:9点
音響・音楽:8点
合計82点
停戦協定下のボスニアを偵察飛行中、不審な軍事行動をしていたセルビア人民軍のミサイル攻撃を受け、敵陣に不時着してしまったアメリカ人兵士のクリス大尉。そんな彼が、絶体絶命のピンチをかいくぐって決死の脱出行を繰り広げる様子を、アメリカ国防総省全面協力によるド迫力の戦闘シーンを満載しながら、臨場感たっぷりに描写しています。出演は、その後「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」でも顔を合わせるオーウェン・ウィルソンとジーン・ハックマン。
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エネミー・ライン あらすじ(ネタバレ)
1992年から起きた旧ユーゴスラビアの民族紛争がシンシナティ協定により、ボスニアの停戦合意が実現。戦闘の鎮静化に伴いNATO軍が撤退を始め、米海軍空母カール・ヴィンソンはアドリア海上で不測の事態に備えていた。米海軍大尉クリス・バーネットは、実戦ではなく訓練と巡回だけの任務に意味を見出せず辞表を提出し、アドリア海戦闘群司令官レイガート提督と衝突する。そして、本来は休暇であるクリスマスに、レイガート提督はボスニア上空からの撮影任務を命じる。
相棒のスタックハウス大尉と共に空母から発艦したF/A-18Fは、ボスニア上空を飛行中、非武装地帯に移動目標のレーダー反応を探知。偵察のため無許可で飛行ルートを外れてその非武装地帯に向かい、搭載カメラで空撮するが、それに気付いたセルビア人武装勢力から地対空ミサイル(SAM)による攻撃を受けて撃ち落とされる。和平合意に反して武装勢力が集結していたのだ。バーネットとスタックハウスは、敵地上空で大破した偵察機から緊急脱出しパラシュートで山中に降下する。脱出の際に負傷して動けないスタックハウスを残して、バーネットは無線連絡を取るために山頂を目指すが、その最中にセルビア人武装勢力が降下地点に迫ってくる。スタックハウスはなすすべもなく捕まり、その場で射殺される。隠れながらその光景を目にしたバーネットは思わず声を上げてしまい、武装勢力に察知されてしまう。
バーネットはセルビア人武装勢力に追われながらも山頂にたどり着き、基地との無線連絡によりレイガート提督が救出命令を出す。しかし、停戦合意が崩れることを危惧したNATO海軍部司令官ピケ提督に中止させられ、バーネットは自力で安全地帯まで突破しなければならなくなる。やむなく“安全地帯(エネミー・ライン)”まで逃げるよう伝える。 銃撃を受けながら逃走中に大量虐殺跡の沼地にはまり、危険な地雷原を進む。国際ニュースとなり、スタックハウス殺害への関与を否定するセルビア人勢力は、バーネットを殺害しようと執拗に迫っていた。また、撮影された写真が保存されているハードドライブを回収しようと躍起になって捜索していた。
追っ手をかわしエネミー・ラインまでたどり着いたバーネットは、NATOの制止を振り切り救出に駆けつけたレイガートに停戦協定が破られていた事実を伝え、撮影したフィルムを無事に渡すのだった。
エネミー・ライン スタッフ
監督:ジョン・ムーア
脚本:デヴィッド・ヴェロズ,ザック・ペン
原案:ジム・トーマス,ジョン・C・トーマス
製作:ジョン・デイヴィス
製作総指揮:ステファニー・オースティン,ウィク・ゴッドフリー
音楽:ドン・デイヴィス
撮影:ブレンダン・ガルヴィン
編集:ポール・マーティン・スミス
配給:20世紀フォックス
エネミー・ライン キャスト
クリス・バーネット大尉:オーウェン・ウィルソン
レズリー・レイガート司令官:ジーン・ハックマン
スタックハウス大尉:ガブリエル・マクト
ロッドウェイ軍曹:チャールズ・マリック・ホイットフィールド
ピケ提督:ジョアキム・デ・アルメイダ
トム・オマリー特務曹長:デヴィッド・キース
ミロスラヴ・ロカー司令官:オレク・クルパ
サシャ(追跡者):ウラジミール・マシュコフ
ヴィクトル・バズダ大佐:マルコ・イゴンダ
エルノート・ヴァン・リンデン:本人
J.O.:トッド・ボイス
バビック:カミル・コラリック
エジャプ:サラエティン・ビラール
エド・バーネット:レオン・ラッサム
ペトロビッチ将軍:ウラジミール・オクタベック