9デイズは、2002年公開のアメリカ合衆国の映画。ポータブル核爆弾をめぐるCIAとテロリストのアクション映画。死んだ双子の兄弟の代役で、囮捜査官を務めるはめになったお調子者の男だったが!? 人気コメディスター、クリス・ロックと名優アンソニー・ホプキンスの共演で送るスパイアクション。
9デイズ 映画批評・評価・考察
9デイズ(原題:Bad Company)
脚本:32点
演技・演出:16点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計80点
スター俳優にして製作業や監督、脚本などもこなす多才なクリス・ロックが主演したスパイアクション映画です。極秘任務中に殉職した捜査官に双子の兄弟がいると知ったCIAは、彼を代役に任務を続行しようとするが? お調子者の主人公と、名優アンソニー・ホプキンス扮するベテラン捜査官が反発し合いながらもやがて友情を築いていく姿がコミカルに描かれています。「アルマゲドン」などの大物プロデューサー、J・ブラッカイマー製作ということで、アクション場面の派手さも際立っています。
9デイズ あらすじ(ネタバレ)
チェコの首都プラハで、核爆弾の仲介人マイケル・ターナーに成り済ましておとり捜査をしていたCIAの諜報員ケヴィン・ポープは、核爆弾を手に入れようと企むテロリストのドラガン・アジャニチに戦闘の最中で殺された。CIAは、取引きの期限があと9日と迫っていたため、ケヴィンの双子の弟であるジェイクの存在をしり、マイケルと偽ることを思いつく。CIAは早速ジェイクを連れ込み、事情を説明する。ジェイクは諸事情からケヴィンとの関係を全く知らなかったこともあり相手にしなかったが、資金難で困っている恋人への援助のためにも多額の報酬を条件に代役を引き受け、ゲイロード・オークスたちケヴィンの同僚から彼の情報と知識を教え込まれる。主任のローランド・イェーツはジェイクを囮に使い、ケヴィンを殺した犯人を探し出そうと罠を仕掛けるが犯人・エルビスには自殺されてしまい、囮に使われて、襲撃されたジェイクも恐怖から逃亡して行方をくらましてしまう。オークスはジェイクを見つけ出して説得し、ジェイクはCIAに戻った。
訓練を終えてケヴィンになり切ったジェイクはプラハに向かい、核爆弾の買い手役のオークスと共に売人アドリク・ヴァスと接触する。ジェイクは交渉が滞りなく終わりホテルに戻ると、ホテルの部屋にはケヴィンの元彼女ニコールがおり、シャワーを浴びていた。彼に復縁を迫るために来たのである。ジェイクはオークスの指示に従い彼女と食事をするが、ホテルに戻るとドラガン一味に襲撃される。オークスたちによってドラガン一味が撃退された後、ジェイクとオークスはアドリクとの取引場所に向かう。二人は無事に核爆弾を受け取るが、アドリクはドラガンに寝返った部下に殺され、残ったアドリクの部下とドラガン一味の銃撃戦が始まる。二人は核爆弾を持って逃走するが、ドラガンに追い付かれて核爆弾を奪われてしまう。
核爆弾がジェイクの網膜認証がなければ作動しないことを知ったドラガンは、ジェイクがホテルからかけた通話記録から彼の恋人ジュリーの存在を知り、彼女を拉致してジェイクを誘い出す。ジェイクはドラガンに脅されて網膜認証してしまい用済みとなり殺されそうになるが、そこにオークスとシールが到着し助け出される。三人はドラガンが核爆弾を仕掛けたグランド・セントラル駅に向かい核爆弾の起爆解除を試みるが、オークスとシールがドラガンに撃たれ、ドラガンはジュリーを人質にとる。ジェイクはオークスと協力してドラガンを射殺し、核爆弾の起爆解除に成功する。事件を解決したジェイクはCIAから受け取った報酬でジュリーと結婚式を挙げ、オークスから祝福を受ける。
9デイズ スタッフ
監督:ジョエル・シュマッカー
脚本:ジェイソン・リッチマン,マイケル・ブラウニング
原案:ゲイリー・グッドマン,デヴィッド・ヒメルスタイン
製作:ジェリー・ブラッカイマー,マイク・ステンソン,マイケル・ブラウニング
製作総指揮:ゲイリー・M・グッドマン,チャド・オマン,ラリー・シンプソン,クレイトン・タウンゼント
音楽:トレヴァー・ラビン
撮影:ダリウス・ウォルスキー
編集:マーク・ゴールドブラット
製作会社:タッチストーン・ピクチャーズ,ジェリー・ブラッカイマー・フィルムズ,スティルキング・プロダクション
配給:ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ,ブエナ ビスタ インターナショナル
9デイズ キャスト
ゲイロード・オークス:アンソニー・ホプキンス
ケヴィンの相棒だった男。ケヴィンを信頼しており、代わりとなったジェイクを当初は認めておらず、彼が諜報員としての教育を受ける際にも辛辣な態度が目立ち、自身もしっぺ返しをくらうことがあるという皮肉な関係だったが、互いに任務をこなすうちに信頼関係を築く。独身。戦闘の腕も中々で銃撃戦を淡々とこなし、自分には弾は当たらずに相手を撃破したこともある。また、敵に対して容赦がなく、倒れた相手に更に銃弾を放つなど躊躇がない。
ジェイク・ヘイズ / ケヴィン・ポープ:クリス・ロック
ジェイク
1970年9月8日、マンハッタンにあるベルビュー病院でメアリー・ジェフリーズという女性から生まれた。赤子のころに重い肺の感染症にかかり、胸にチューブを入れるための傷跡が今でも残っている。ジェイクは愛称であり、本名はジェイコブ。養母いわく、ダフ屋に勝負師をやっていた。猫を飼っている。当初は自分に実の兄弟がいたことをしらず、CIAの話もばかげていると相手にしていなかったが、大事な事情から大金が欲しく、10万ドルのために仕事を引き受ける。無法者だが優秀な頭脳を持っており、チェスで勝負をした相手に緻密な戦略で追い詰め、ケヴィンの身代わりを務めるために諜報員としての教育を受けるが、三日で基礎を収めるなど、当時は訝しんでいたオークスもこの点は認めていた。大学に通っていたが中退した過去がある。魚は苦手。恋愛に関しては一途であり、仕事で疎遠になったジュリアを忘れられず、ニコールの執拗な誘惑にも負けなかった。元々、一般人であっただけに戦闘や危機的状況を恐れていたが次第に逞しさを身につけ、乗り切るようになる。
ケヴィン
CIAの諜報員。ジェイクの実の双子の兄。非常時でも周囲に気を使うことができる優しい性格。仲介人のマイケル・ターナーに成りすまして任務をしていたが、序盤で戦闘が発生し、ドラガンが放った銃弾からオークスを庇い、自分に命中して死亡する。養子縁組の都合がスムーズになるように病院が記録を改竄し、ロジャーとグレンダ・ボーブに引き取られた。エクセターの寄宿生学校を卒業。その後、ダートマス大学に行き、海軍士官学校に在籍。ローズ奨学金で通った秀才。音楽はジャズやオーソドックスなのを聴いており、ラップは嫌っていた。スポーツはスキーを嗜んでいた。
アドリク・ヴァス:ピーター・ストーメア
ロシアンマフィアの大物。KGBに嵌められた過去があり、エージェンド三人を始末してその家族も探し出したことがある。取引先の相手には、この体験を脅し文句にして語っている。最後はドラガンに寝返ったミシェルに殺害される。
シール:ガブリエル・マクト
CIAの職員。
ジュリー:ケリー・ワシントン
ジェイクの恋人。愛称はジュリー。髪型はカーリーヘア。看護助手であり、ジャージーシティで姉夫婦と暮らしている。ジェイクと付き合って三年になる。ジェイクのことは愛しているが、現在は仕事に打ち込みたいようであり、ジェイクと離れてでもシアトルに仕事にいこうとしていた。ただし、仕事に打ち込みたいのは経済難が理由であり、本当は大学に行きたがっている。
ニコール:ガーセル・ボヴェイ
ケヴィンがマイケルと偽って付き合っていた元彼女。セクシーな体型の女性。CNNで働いている。逞しい性格で命を狙われて一緒に隠れていたジェイクの携帯がなって敵にみつかりそうになっても毅然とした態度をとっていた。物語開始時点の数週間前に仕事からよそよそしい態度のケヴィンと喧嘩をして別れ、バルカンに行っていたが、許す気になり復縁をせまる。ジェイクをケヴィンと間違えて迫ったが、この体験からジェイクは諦めかけていたジュリアへの愛を再認識した。ただしニコールからはケヴィンらしくない一面を見たことで尚更惚れ込んだ。しかし、キスをしたことでやっと違いがわかりマイケルではないことに二コールは気づいた。敵に見つかりながらもオークスに助けられて生き延びたがケヴィンの素性や真相に気づいたことで白黒がつき、再度バルカンに行った。
ドラガン・アジャニチ:マシュー・マーシュ
序盤でケヴィンを殺害したテロリストであり、世界中から指名手配をされている危険人物。部下からは、捕まるぐらいなら死を選ぶほどの忠誠心を抱かれている。
ジャルマ:アドニ・マロピス
ミッシェル・“ハンマー”・ペトロフ:ドラガン・ミカノヴィッチ
ローランド・イェーツ:ジョン・スラッテリー
スワンソン:ブルック・スミス
ケイルー:ダニエル・サンジャタ
アンドレ:マレク・ヴァシュート
バンクス夫人:イルマ・P・ホール
デンプシー:ダン・ジスキー
フィンク:ジョン・フィンク
パム:ラネット・ウェア
ウェルズ:シェー・ウィガム(クレジットなし)