レナードの朝は、1990年公開のアメリカ合衆国の映画。30年にわたる昏睡から目覚めた患者と、彼を何とか救おうとする医師の必死の闘病生活を、自らも精神科医のオリヴァー・サックスの実体験による著作を基に描いたヒューマン・ドラマ。実話である原作では20名の患者全てに対する記述が行われているが、映画は原作に基づくフィクションであり、レナードに対する描写が主である。患者が示す症状は必ずしも科学的に正確でない。第63回アカデミー賞において作品賞、主演男優賞(ロバート・デ・ニーロ)、脚色賞の3部門でノミネートされたが受賞はならなかった。
レナードの朝 映画批評・評価・考察
レナードの朝(原題:Awakenings)
脚本:38点
演技・演出:19点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計90点
監督は、『プリティ・ウーマン』などで知られるゲイリー・マーシャル監督の妹のペニー・マーシャル、彼女は女優としてのキャリアも豊富なのですが、監督として力量も相当なものだと思います。作品全体に感じる優しさは、彼女の演出が大きいように感じます。何度も見たくなる映画ではありませんが、節目節目に見ておきたい作品のひとつです。自分自身の経験や年齢によって、感じ取れることが増えてくる、変わってくることも多い作品です。
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レナードの朝 あらすじ(ネタバレ)
1969年、ブロンクス。慢性神経病患者専門のベインブリッジ病院に赴任してきたマルコム・セイヤー(ロビン・ウィリアムズ)は無口で風変わりな男だったが、患者に対する態度は真剣で、彼らが話すことも動くこともできないものの、まだ反射神経だけは残っていることを発見すると、訓練によって患者たちに生気を取り戻すことに成功し、その熱意は治療をあきらめかけていた看護婦のエレノア(ジュリー・カブナー)の心をさえ動かしていった。そんなセイヤーの患者の中でも最も重症なのがレナード・ロウ(ロバート・デ・ニーロ)だった。彼は11歳の時発病し、30年前にこの病院に入院して以来、意識だけはあるものの半昏睡状態で寝たきりの生活なのである。何とか彼を救おうとしたセイヤーはまだ公式に認められていないパーキンソン氏病患者用のLドーパを使ってレナードの機能回復を試みる。そしてある朝、ついにレナードはめざめを迎えた。ベッドから起き上がり、セイヤーに連れられて30年ぶりに街に出たレナードにとって見るものすべてが驚きだった。その効果に意を強くしたセイヤーは上司に他の患者にも新薬を使うことを申し出て、病院のスタッフの協力によって投薬が始まョった。そしてある夜のこと、セイヤーはベッドから次々と起き上がる患者たちの姿を見るのだった。一方、完全に機能を回復したレナードだったが、彼が病院に見舞いにきたポーラ(ペネロープ・アン・ミラー)に生まれて初めての恋をしたことから問題が起こる。1人だけで外出したいというレナードに医師団は反対し、それに反発したレナードは怒りからか、再び病状の悪化が始まってしまう。しだいに狂暴になるレナードをセイヤーですら押さえ切れなくなる。そして、ついにレナードを始め、目覚めた患者たちは、すべて元の状態に戻ってしまう。自分のしたことは間違いだったのだろうかと悩むセイヤーにエレノアは優しい言葉を投げかけるのだった。
レナードの朝 スタッフ
監督:ペニー・マーシャル
脚本:スティーヴン・ザイリアン
原作:オリヴァー・サックス
製作:ウォルター・F・パークス,ローレンス・ラスカー
製作総指揮:ペニー・マーシャル,アルネ・シュミット,エリオット・アボット
音楽:ランディ・ニューマン
撮影:ミロスラフ・オンドリチェク
編集:バトル・デイヴィス,ジェラルド・B・グリーンバーグ
製作会社:コロンビア ピクチャーズ,パークス/ラスカー・プロダクションズ
配給:コロンビア映画,コロンビア・トライスター映画
レナードの朝 キャスト
レナード・ロウ:ロバート・デ・ニーロ
マルコム・セイヤー医師:ロビン・ウィリアムズ
エレノア・コステロ:ジュリー・カブナー
ロウ夫人:ルース・ネルソン
カウフマン医師:ジョン・ハード(John Heard)
ポーラ:ペネロープ・アン・ミラー
ピーター・インガム医師:マックス・フォン・シドー
ルーシー:アリス・ドラモンド
ローズ:ジュディス・マリナ
シドニー:リチャード・リバティーニ
フランク:ジョージ・マーティン
ローランド:デクスター・ゴードン
薬学士:ピーター・ストーメア
病院の用務員:ヴィン・ディーゼル (ノンクレジット)