アルゴは、2012年公開のアメリカ合衆国の映画。1979年に発生し、18年間機密扱いにされていたイランアメリカ大使館人質事件の真相を映画化。第85回アカデミー賞で作品賞など3部門受賞。イランで起きた米大使館人質事件で、人質救出のためにCIAが映画製作を偽装したという実話をスリリングに再現した痛快作品。
アルゴ 映画批評・評価・考察
アルゴ(原題:ARGO)
脚本:38点
演技・演出:17点
撮影・美術:17点
編集:10点
音響・音楽:8点
合計90点
ハリウッドの人気俳優ながら、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」(日本では劇場未公開)や「ザ・タウン」で映画監督としても実力を認められたベン・アフレックが、ついに大ヒットさせたのが本作。革命下のイランで身動きが取れなくなった米国人たちを国外に脱出させるため、CIAが架空のSF映画の製作を偽装したという驚異の実話をスリリングに再現。第85回アカデミー賞ではアフレックが監督賞にノミネートされないという番狂わせが起きましたが、最高の栄誉である作品賞や脚色賞・編集賞を受賞。その面白さを証明しました。
今作品はAmazonプライムで見ました。(吹替版はこちら)
アルゴ あらすじ(ネタバレ)
1979年11月4日、イランの過激派がアメリカ大使館を占拠する。混乱の中6人が脱出しカナダ大使の私邸に逃げ込むが、残った52人の大使館員は人質となる。イラン側は、癌の治療のために渡米した前国王パーレビの引き渡しを要求する。大使館員の写真つき名簿は襲撃前にシュレッダーにかけていたが、名簿が復元されれば脱出者がばれ、捕まれば処刑される。国務省はCIAに応援を要請し、人質奪還のプロ、トニー・メンデス(ベン・アフレック)が呼ばれる。
トニーは、6人をニセ映画のロケハンに来たカナダの映画クルーに仕立て上げて出国させるという作戦を閃く。トニーの知人で特殊メイクの第一人者、ジョン・チェンバース(ジョン・グッドマン)は協力を快諾する。チームに参加した大物プロデューサーのレスター(アラン・アーキン)は、自宅で山積みになっているボツ脚本から、イランでの撮影に相応しいSFアドベンチャー『アルゴ』を選び出す。事務所を立ち上げ、大々的な記者発表を開き、本物さながらのプロジェクトが始まる。
一方、イランでは200人以上の民兵が空港を監視していた。1980年1月25日、プロデューサー補に扮したトニーはイランへと向かい、文化・イスラム指導省で撮影許可を申請した後、カナダ大使邸に入る。6人は計画に反発するが、それぞれの役柄を暗記する。翌日、ロケハンを許可した指導省が、バザールで担当者と面会するよう要求してくる。トニーは怖気づく大使館員を説得して連れ出し、何とか乗り切る。
しかし翌日、トニーの上司オドネル(ブライアン・クランストン)から緊急電話で、計画の中止が告げられる。軍による人質奪還作戦が決定したのだ。航空券は取り消され、ハリウッドの事務所は閉鎖される。トニーは6人に黙ったままホテルに帰る。翌朝、トニーは電話で、6人を出国させると上司に宣言する。しかし作戦の復活には、カーター大統領の承認が必要だった。一方、大使館名簿の復元もあと数分に迫っていた……。イラン側の疑いを肌身に感じて、作成遂行を決心するトニー。CIAも協力して策を講じ、カーター新大統領から承認を取り付けた。
予定通り空港に向かうトニーたち。空港の警備隊長はハリウッドに国際電話をかけて英語でトニーの身分を問い合わせる才人だったが、これもクリアした。搭乗後に身元がバレて駆け付ける兵士たち。だが、スイス航空の旅客機は無事に飛び立ち、イラン領空から離れた。
アルゴ スタッフ
監督:ベン・アフレック
脚本:クリス・テリオ
原作:アントニオ・J・メンデス『The Master of Disguise』,ジョシュア・バーマン『The Great Escape』
製作:ベン・アフレック,ジョージ・クルーニー,グラント・ヘスロヴ
製作総指揮:クリス・ブリガム,チェイ・カーター,ティム・ヘディントン,グレアム・キング,デヴィッド・クローワンズ,ニーナ・ウォラースキー
音楽:アレクサンドル・デスプラ
撮影:ロドリゴ・プリエト
編集:ウィリアム・ゴールデンバーグ
製作会社:GKフィルムズ,スモークハウス・ピクチャーズ
配給:ワーナー・ブラザース
アルゴ キャスト
トニー・メンデス:ベン・アフレック
ジャック・オドネル:ブライアン・クランストン
レスター・シーゲル:アラン・アーキン
ジョン・チェンバース:ジョン・グッドマン
ボブ・アンダース:テイト・ドノヴァン
コーラ・ライジェク:クレア・デュヴァル
マーク・ライジェク:クリストファー・デナム
ジョー・スタッフォード:スクート・マクネイリー
キャシー・スタッフォード:ケリー・ビシェ
リー・シャッツ:ロリー・コクレーン
ケン・テイラー:ヴィクター・ガーバー(イランのカナダ大使)
ハミルトン・ジョーダン:カイル・チャンドラー(大統領首席補佐官)
マリノフ:クリス・メッシーナ
ロバート・ペンダー:ジェリコ・イヴァネク
ジョン・ベイツ:タイタス・ウェリヴァー
アダム・エンジェル:キース・ザラバッカ
サイラス・ヴァンス:ボブ・ガントン(国務長官)
マックス・クレイン:リチャード・カインド
ピーター・ニコルス:リチャード・ディレイン
レザ・ボルハニ:オミッド・アブタヒ
パット・テイラー:ペイジ・レオン
サハル:シェイラ・ヴァンド
トーマス・L・アハーン・Jr:クリストファー・スタンリー
ジャック・カービー:マイケル・パークス
ニーナ:エイドリアン・バーボー
クリスティーン・メンデス:テイラー・シリング
スタンスフィールド・ターナー:フィリップ・ベイカー・ホール(CIA長官)