アンチ・ライフは、2020年公開のアメリカ合衆国の映画。『アルマゲドン』から22年、人類の運命は再び彼に託されたー。ブルース・ウィリス VS 謎の生命体 “それ”は宇宙までも迫ってくるー。正体不明の“何か“とバトルするのはブルース・ウィリス。渋み満載のウィットに飛んだエキサイティングなS Fアクションの誕生! !
アンチ・ライフ 映画批評・評価・考察
アンチ・ライフ(原題:Breach、別題:Anti-Life)
脚本:28点
演技・演出:9点
撮影・美術:13点
編集:5点
音響・音楽:6点
合計61点
ブルース・ウィリス主演映画のようなポスターや広報ですが、主演はコディ・カースリーが演じるノアです。カースリー演じる密航者の青年ノアを物語上の軸にして、なぜ生命体が船内に放たれたかという謎を交えながら激しいアクションが繰り広げられます。ただ、最近のウィリス出演映画のような友情出演ではなく、準主役といってよい出演になりますし、『アルマゲドン』を連想させるようなシーンもあります(あっさりですが)。
脚本は、ありきたりだけど悪くない。問題は小道具を含めて演出が酷い。キャストが良いのでそれなりに見えるんだけど、編集も悪く唐突感あり過ぎ。提督のサングラスと衣装が酷くて権威を感じない。演じているのがトーマス・ジェーンなのに。ブルース・ウィリスの演技が下手なのではなく、演出と編集が悪いので、セリフの間合いなども悪い。いわゆるタメがない。素人監督が撮ったようなSFでした。
今作品はAmazonプライムで見ました。
アンチ・ライフ あらすじ(ネタバレ)
西暦2242年。地球は新型ウイルスの蔓延によって滅亡の危機を迎えていた。そこで地球人類は選ばれた富裕層5000万人を人類が居住可能な新天地の惑星ニュー・アースに移住させる計画を打ち立てた。しかし、それは大多数の190億人を見捨てることだった。
1000人を乗せた宇宙船の最終便の発射まであと3分。妊娠中の女性ヘイリーが恋人ノアと共に発射場に到着した。ヘイリーは船の責任者キールナン・アダムス提督の娘ということで宇宙船に搭乗できたが、ノアは駄目だった。そこに民衆たちが船に乗せろとばかりに大挙して乱入、宇宙船は混乱の中地球を飛び立っていった。
ノアはどさくさに紛れて何とか宇宙船に乗り込んでいた。船は元軍人と現役兵士らによって管理されており、ニュー・アース到着までの約半年間は宇宙船は“量子ジャンプ”に突入、その間は1000人の搭乗者は人工冬眠に入り、その間はスタンリー司令官が船の指揮を執ることになっていた。
ノアはヘイリーとの再会を喜んだが、アダムス提督はノアを娘に手出しした男とみなして冷たくあしらった。ヘイリーはアダムス提督らと共に人工冬眠に入り、ノアはトイレ掃除の労働と引き換えに船に乗せてもらうことを許された。ノアは飲んだくれの元軍人クレイ・ヤングの指揮下に入った。
船内では女性乗組員のオルテガの誕生パーティーが行われた。オルテガはブルーを探しに行ったが、そのブルーに襲われて殺害された。一方、ノアはクレイや船医のチェンバースらと共にシェイデイが爆発した現場に向った。
別の乗組員がオルテガの遺体を発見し、ノアやクレイ、軍人のティークらは扉を溶接機で焼き切ろうとしているブルーを発見した。ブルーは兵士の一人に襲い掛かって殺し、クレイらはやむなくブルーを射殺した。チェンバースはブルーやオルテガらの遺体を解剖することにし、ティークは監視カメラの映像から不審な出来事はなかったか探ることにした。
ニュー・アース到着まであと85日。チェンバースはブルーの遺体から未知の黒い液体を発見した。ティークは監視カメラの映像から、シェイデイが爆発する場面を見つけた。スタンリー指揮官の命令でクレイら乗組員たちは医務室に集められ、そこでブルーの身体は未知の生命体らしきものに寄生されていたこと、シェイデイが爆発する際に触手のようなものがブルーを捉えていたという事実が明るみになった。
クレイは人工冬眠中のアダムス提督を起こすべきだと提案したが、スタンリー司令官はそれに反対した。その時、死んだはずのブルーやオルテガらが乗組員たちに襲い掛かり、兵士たちは銃で応戦したが効果がなかった。何とか医務室を閉鎖し、クレイは生存者を武器庫に案内した。チェンバーズは感染者の弱点を特定できないため、クレイは火炎放射器の使用を提案した。
ノアは銃を、クレイら兵士たちは火炎放射器を手に取った。ノア、クレイ、ティーク、チェンバースはセキュリティエリアに向かうことにし、追ってきた正体不明の怪物を火炎放射器で焼き殺しながら進んでいった。
ノアはセキュリティエリアから通気口をつたってアダムス提督の眠る部屋に向かい、無理やりアダムス提督を目覚めさせた。その頃、ティークは自分こそが謎の寄生生物を持ち込んだことを白状していた。ティークは人類はどうせ死を待つだけだと動機を語った。
ノアがアダムス提督に、寄生生物は船のリアクターを狙っていると教えた。アダムス提督は人工冬眠していた護衛の兵士たちを起こし、ノアと共にクレイらが立て籠もっているエリアを目指したが、寄生生物たちはドアを突き破ってエリア内に侵入した。寄生生物に寄生された人の中にはスタンリー司令官の姿もあった。
クレイたちが火炎放射器で応戦するなか、ノアはブルーに襲われて倉庫に逃げ込んだ。ノアはそこで見つけたモクサセルをブルーにかけると体が熔け出した。アダムス提督は戻ってきたノアにヘイリーを託し、寄生生物を道連れに自爆した。ところが、木っ端微塵になった寄生生物の死体の部分がそれぞれ動き出して合体し、大きな怪物へと変貌した。
ノアはクレイに、モクサセルは寄生生物に効き目があると助言した。そこでクレイとノアはモクサセルで作った密造酒を火炎放射器の燃料として使うことにした。
寄生生物が合体した怪物は取り込んだアダムス提督の指を使って船内のシステムにアクセスし、リアクターの内部に侵入。リアクター周辺には人工冬眠から目覚めて寄生された人々が集まり、次々とリアクターの中に入って行った。船は“量子ジャンプ”に突入し、ニュー・アース到着までの残り日数があっという間に短くなっていた。
クレイらは、寄生生物の狙いは既にニュー・アースに到着しているであろう5000万人だと考えた。クレイはモクサセル入りの火炎放射器で寄生生物を焼いたところ効果があることを実証し、ノアにヘイリーを人工冬眠から起こして一緒に逃げようと提案した。
ノアはへイリーを人工冬眠から目覚めさせ、状況を説明すると、クレイやチェンバースと合流して脱出ポッドに向かった。途中でチェンバースは襲いかかってきた合体怪物に殴り殺され、クレイは必死で怪物に火炎放射器の炎を浴びせながらノアとへイリーを先に向かわせた。
船はなおも“量子ジャンプ”を続け、到着までの残り時間は更に縮まっていた。ノアはヘイリーを脱出ポッドに乗せ、自ら発射の操作を試みましたが怪物に阻まれた。ノアは脱出ポッドに乗り込むと、指令室に辿り着いていたクレイがポッドの発射ボタンを押すと言い出した。
まだ船内には多数の人が乗っていると言うノアにクレイは「“3人”を救え」と告げ、脱出ポッドを発射すると船の進路をニュー・アースから逸らした。リアクターの暴走は限界を迎え、クレイは爆散する船と運命を共にした。
脱出ポッドはニュー・アースに降り立った。そこは自然豊かな惑星で、確かに人類が移住するに適した場所であるかのように思えたが、この惑星は超巨大な寄生怪物に支配されていた。ノアはヘイリーと今にも生まれそうな赤ん坊を守るため、火炎放射器を手に怪物に立ち向かうのだった。
ノアは銃を上げて「Burn ‘em all」と叫んだ。
アンチ・ライフ スタッフ
監督:ジョン・スーツ
脚本:エドワード・ドレイク,コーリー・ラージ
製作:ダニー・ロス,コーリー・ラージ
音楽:スコット・グラスゴー
撮影:ウィル・ストーン
製作会社:308エンターテインメント,オルモスト・ネヴァー・フィルムズ,サバン・フィルムズ
配給:サバン・フィルムズ,プレシディオ
アンチ・ライフ キャスト
ノア:コディ・カースリー
クレイ・ヤング:ブルース・ウィリス
アダムス提督:トーマス・ジェーン
チェンバース:レイチェル・ニコルズ
ヘイリー:カサンドラ・クレメンティ
ブルー:ジョニー・メスナー
リンカーン:コーリー・ラージ
ティーク:カラン・マルヴェイ
スタンリー大佐:ティモシー・V・マーフィ
シェイディ:ヨハン・アーブ
オルテガ:アンジー・パック
ヴァイラル:ラルフ・モーラー
マイク・リギンズ:アレクサンダー・ケイン