エイリアン: コヴェナントは、2017年公開のアメリカ・イギリス合作映画。2012年公開の映画『プロメテウス』の続編であり、1979年公開の『エイリアン』の前日談として製作された新シリーズの2作目。移住のため宇宙船コヴェナント号で旅立ったクルーたちが、ある惑星で遭遇した出来事を描写する。
エイリアン: コヴェナント 映画批評・評価・考察
エイリアン: コヴェナント(原題: Alien: Covenant)
脚本:25点
演技・演出:15点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計74点
2012年3月17日、リドリー・スコットは『プロメテウス』には未解決の謎が多くあり、これらは続編で解決されるだろうと述べた。彼は「もし我々が幸運なら第二部があるだろう。それはあなたたちがいくつかの未解決の疑問を許す」と語っていたが、今作は、前作以上にモヤモヤ感が残る作品になっている。確かに冒頭からその答えらしきものが語られていたり、前作で生き残ったディビッド(アンドロイド)のセリフにプロメテウスの謎の答えが語られています。宗教観の違いもあり、これがなかなかピンとこないものなのでモヤモヤ感が残ってしまう。ブレードランナーとテーマがリンクしてきたなーと。
前作同様ツッコミどころ満載のSF作品ですが、リドリー・スコット監督が凡作を撮るわけがなく、ハラハラドキドキ感もきっちりあってSFスペクタクル要素満載のエンターテイメント作品になっています。
プロメテウスが受け入れられた人なら今作も楽しめる作品かなぁ~。前作の主人公エリザベス・ショウがどうなったか?がこれがな~なんだかな~やだな~。受け入れがたい最期だなぁーあと、ジェームス・フランコがノンクレジットですが出演しています。一瞬ですがはっきり分かる役です。
ネオモーフ
デヴィッドが実験を繰り返した結果誕生した第一世代のエイリアン。「エッグサック」という名の菌のような物体から出て来る粉状の物体が人間に寄生し、数分から数時間後には様々な部分から幼体が出現する。
ネオモーフ(バックバスター)
レドワードの背中から出現し、成体になると頭に突起の様な物体が形成される。誕生後にカリンを殺害しファリスの射撃をかわし爆発した船から脱出する。その後再度出現し、ウォルターの腕を食いちぎった。後に、成体に成長後、デビッドの研究所でローゼンタールを食い殺した後、デヴィッドがコミュニケーションを取ろうとしている所をオラムに目撃され、射殺された。
ネオモーフ(マウスバスター)
ハレットの口内から出現し、頭に丸みがある。バックバスターと共に調査チームに襲いかかった。
以後、映画では登場しないがノベライズでは惑星から脱出寸前のダニエルズらの前に再び立ちはだかり、ゼノモーフと獲物を奪い合う形で交戦、ゼノモーフに内蔵を引き千切られて死亡した。
プロトモーフ / ゼノモーフ
オラムに寄生したフェイスハガーによって誕生する最初のゼノモーフ。後のエイリアンとは異なり、チェストバスターは誕生直後から既に成体と似た外見をしている。コールを食い殺した後、四足歩行で船まで走りダニエルズと交戦する。バーナーで焼き殺そうとするも生き延び、頭突きでテネシーが乗るコックピットを破ろうとする。最終的にはアームで握り潰された。
2体目はロープに張り付いたフェイスハガーが短時間で産み付け、コヴェナント帰還後治療中に誕生。リックスとアップワーズをインナーマウスで殺害した後、船内を駆け回る。ウォルター(デヴィッド)の監視の中、ダニエルズとテネシーによって、シャッターで閉じ込めるなどして、テラフォーミングベイの格納庫まで誘い出され、宇宙空間に放り出された。
エイリアン: コヴェナント あらすじ(ネタバレ)
プロメテウス号の出発前、1体の男性型アンドロイドが起動。そして創造者・ウェイランドと出会い、ミケランジェロの彫刻を見て、自身をデヴィッドと名付ける。
2104年、植民船コヴェナント号は、船を管理するアンドロイドのウォルター、冷凍休眠中の乗組員15人と2千人の入植者、1千体以上の人間の胎芽を乗せ、惑星「オリガエ6」に向けて航行中、突如発生したニュートリノの衝撃波を受け、甚大なトラブルに見舞われる。
乗員は次々に目覚めるが、船長のブランソンがカプセル内で発生した火災で死亡、彼の妻で人類移住計画責任者のダニエルズは悲嘆に暮れる。副船長のオラムが船長となり船の復旧作業に勤める中、船外修理中のテネシーが謎の信号を受信する。解析の結果、その歌のような信号の発信源はオリガエ6より遥かに近く、移民に好条件と思われる惑星と判明する。オラム船長は先のトラブルの事もあり、この惑星の調査を決定。ダニエルズは、不確実な可能性より元の計画を遂行すべきだと主張するが、彼はそれを押し切って調査隊を編成する。
オラム、ダニエルズ、ウォルター、生物学者カリン、科学者ファリス、護衛隊員のロープ、コール、ハレット、レドワード、ローゼンタール、アンカーの計11名の調査隊が惑星に降下。信号発信源の朽ちた宇宙船を発見する。そこでダニエルズは「E・ショウ」と名前が書かれたドッグタグと写真を発見する。その写真に写っていたのは、11年前に消息を絶ったプロメテウス号の乗員エリザベス・ショウ博士だった。
別行動で生物学調査を行うカリンに同行したレドワードの耳の中に、謎の黒い胞子が潜り込む。レドワードは次第に体調を崩して苦しみ始め、カリンは介抱のために着陸船に引き返し始める。その頃、宇宙船内部を探索中のハレットの鼻孔にも、同じ胞子が侵入していた。
着陸船に戻ったカリンは悶え苦しむレドワードの背中の皮膚の下で何かが蠢いているのを見て未知の感染症だと慄く。ファリスはレドワードと彼の吐血を浴びたカリンの2人を医療室に閉じ込める。カリンは医療室から出すよう助けを求めるが、その後ろでレドワードの背中を突き破って未知の異生物”ネオモーフ”が現れ彼は絶命する。ネオモーフはカリンに襲いかかり、続いてドアのガラスを破り医療室から飛び出してファリスにも迫る。ファリスはショットガンで必死に応戦するが、可燃物タンクを誤射してしまう。
ファリスの連絡でダニエルズらも着陸船に向かうが、目前で着陸船は爆発しファリスが絶命。ハレットも苦しみ始め、口から2体目のネオモーフが出現。事切れたハレットを後に走り去った。調査隊はコヴェナント号との通信を試みるが、発生した嵐の影響で失敗。再びネオモーフが出現し、ダニエルズを庇ったウォルターの左手首を食いちぎり、アンカーを殺害する。銃の一斉射撃でこれを倒すも、もう1体のネオモーフがローゼンタールに襲いかかる。その時、何者かが閃光弾を打ち上げ、ネオモーフは退却する。
彼らを助けたのは、ウォルターと同じ容姿を持つアンドロイド、プロメテウス号に随行していたデヴィッドであった。デヴィッドは生き残ったダニエルズ、オラム、ウォルター、ロープ、コール、ローゼンタールを連れて夥しい数の黒い死体が散乱する広場を抜け、自身の研究施設に案内する。彼はこの惑星に来たいきさつや、ショウ博士が到着時に事故死した事、自分は人類の限界と新たな生命の研究を続けていた旨を話し、同じアンドロイドのウォルターには「兄弟」として親密に接する。一行は救助が来るまでの間、ここに身を潜めることとなった。一方、コヴェナント号のテネシー、アップワース、リックスの3人は、船体の強度限界で低軌道に降下できず、通信回復できずにいた。
水場に行ったローゼンタールが戻らないことを不審に思い探しに行ったオラムは、彼女の無残な死体とネオモーフと心を通わせようとするデヴィッドを目の当たりにする。全て罠だったと察したオラムは銃でネオモーフを射殺し、デヴィッドに銃口を向け真実を話すよう詰め寄る。デヴィッドはそれに応じ、研究の過程を見せていく。そしてデヴィッドが最終成果と評して見せたのは、無数の卵(エイリアン・エッグ)であった。促されるまま卵を覗き込んだオラムは、飛び出したフェイスハガーに張り付かれてしまう。そして彼の胸を突き破ってプロトモーフが誕生する。デヴィッドは恐るべき計画を抱いていた。
11年前、異星人(エンジニア)の宇宙船でこの星へ到着したデヴィッドは、彼らが作り出した黒い液体をばら撒き、エンジニアや動物を全滅させた。その後エンジニアの建物を研究施設とし、黒い液体を用いた遺伝子操作をエンジニアやネオモーフの身体で繰り返し、人類に代わる「完璧な生命体」の創造を研究していたのだった。レドワードとハレットが感染した胞子もその結果生み出されたものであり、ショウ博士も実験体にされ、変わり果てたその遺体は施設内に保存されていた。デヴィッドは彼女の身体を宿主として利用し、エイリアンを創造。意図的に信号を発信し、宿主となる人間が来るのを待っていたのだった。計画に気付いたウォルターはデヴィッドに詰め寄るが、隙を突いてデヴィッドはウォルターの機能を停止させてしまう。
同じ頃、ダニエルズらはコヴェナント号との通信に成功し救助を要請。ロープとコールは他の仲間を呼びに研究施設内へ行くが、ローゼンタールとオラムの死体を目の当たりにし、ロープがフェイスハガーに襲われる。ロープの顔に張り付いたフェイスハガーをコールがナイフで剥がすが、酸の血液でロープは頬に大きな傷を負ってしまう。そこにプロトモーフが現れコールを殺害する。
デヴィッドの研究資料を見て彼の思惑に気付いたダニエルズにデヴィッドが襲いかかるが、そこにウォルターが駆けつける。ウォルターは改良されており、バックアップを使って復旧していたのだった。2人が戦っている間にダニエルズとロープは研究施設を脱出。そこへ現れたウォルターと合流し、救助に来たテネシーの操縦する作業船に乗り込む。しかしプロトモーフが作業船に飛び乗り襲ってきた。ダニエルズは決死の覚悟で船外に出てプロトモーフと戦い、テネシーとの連携でこれを撃退、コヴェナント号へ帰還する。
しかしコヴェナント号のAI「マザー」から、正体不明の生体反応を感知したと緊急事態が発せられる。ダニエルズとテネシーが医療室へ向かうと、ロープが胸を突き破られ死亡していた。彼は既にゼノモーフを産みつけられており、誕生したゼノモーフはシャワー室で逢引中だったリックスとアップワースを惨殺する。ダニエルズとテネシーは、監視室のウォルターのサポートを受けながらゼノモーフをテラフォーミング・ベイに誘い出し、隔壁を開いたことで船外に吸い出された車両をゼノモーフにぶつけ、宇宙空間へ放り出す。
生き残ったダニエルズとテネシーは、オリガエ6を目指して再び冷凍休眠に入ろうとしていた。カプセルに入ったダニエルズは、ふとウォルターにブランソンの話をするが、彼は不敵な笑みを浮かべるのみであった。その時ダニエルズは、彼がウォルターに成り代わっていたデヴィッドだと悟るが、デヴィッドはかまわず冷凍休眠を起動させる。
コヴェナント号を乗っ取ったデヴィッドは、体内に隠していたフェイスハガーの胚が入った容器を2つ取り出し、人間の胎芽が冷凍保管されているキャビネットに入れる。そしてウォルターを装い、ダニエルズとテネシー以外の乗務員はニュートリノの衝撃波により死亡と記録した。デヴィッドの新しい計画が開始される中、彼や冷凍休眠中の多くの入植者達や胎芽を載せたコヴェナント号はオリガエ6を目指して航行するのであった
エイリアン: コヴェナント スタッフ
監督:リドリー・スコット
脚本:ジョン・ローガン,ダンテ・ハーパー
原案:ジャック・パグレン,マイケル・グリーン
原作・キャラクター創造:ダン・オバノン,ロナルド・シャセット,H・R・ギーガー(エイリアン.オリジナルデザイン)
製作:デヴィッド・ガイラー,ウォルター・ヒル,リドリー・スコット,マーク・ハッファム,マイケル・シェイファー
音楽:ジェド・カーゼル,ジェリー・ゴールドスミス,マルク・ストライテンフェルト
撮影:ダリウス・ウォルスキー
編集:ピエトロ・スカリア
製作会社:20世紀フォックス
配給:20世紀フォックス
エイリアン: コヴェナント キャスト
デヴィッド:マイケル・ファスベンダー
前作でプロメテウス号に随行していたアンドロイド。
ウォルター:マイケル・ファスベンダー
コヴェナント号のクルーに仕える新型アンドロイド。容姿はデヴィッドと同一。知性の面ではデヴィッドよりも単純化されている。
ジャネット・ダニエルズ:キャサリン・ウォーターストン
主人公。人類移住計画の責任者でテラフォーミングの専門家。ジェイコブの妻。愛称は「ダニー」。
テネシー・ファリス:ダニー・マクブライド
チーフパイロット。マギーの夫。愛称は「ティー」。
クリス・オラム:ビリー・クラダップ
コヴェナント号の副長。カリンの夫。
カリン・オラム:カルメン・イジョゴ
生物学者。クリスの妻。
リックス:ジャシー・スモレット
操縦士。アップワースの夫。
マギー・ファリス:エイミー・サイメッツ
パイロット。テネシーの妻。
アップワース:キャリー・ヘルナンデス
通信士官。リックスの妻。
コヴェナント号の警備担当者
ロープ軍曹:デミアン・ビチル
警備責任者。ハレットのパートナー。
ハレット軍曹:ナサニエル・ディーン
警備の副官。ロープのパートナー。
アンカー:アレクサンダー・イングランド
レドワード:ベンジャミン・リグビー
ローゼンタール:テス・ハウブリック
コール:ウリ・ラトゥケフ
ジェイコブ・ブランソン:ジェームズ・フランコ ※クレジットなし
コヴェナント号の船長。ダニエルズの夫。事故で命を落とす。
エリザベス・ショウ:ノオミ・ラパス ※クレジットなし
前作の主人公。エンジニアが人類を滅ぼそうとした理由を探るべく、デヴィッドと共にエンジニアの母星へと向かった。
ピーター・ウェイランド:ガイ・ピアース ※クレジットなし
冒頭のみ登場するウェイランド社の社長。当初は純粋に人類の起源を探るはずだった。