ロスト・ボディは、2012年公開のスペイン映画。死体安置所から消えた女性の遺体をめぐり、次々と奇怪な現象が巻き起こるサスペンス・ホラー。2018年に韓国で『死体が消えた夜』としてリメイクされ観客動員数130万人を超える大ヒットを記録。
ロスト・ボディ 映画批評・評価・考察
ロスト・ボディ(原題:El cuerpo)
脚本:34点
演技・演出:15点
撮影・美術:15点
編集:7点
音響・音楽:6点
合計77点
終わってみれば面白い映画だった。映画のスケール感はないものの、サスペンスドラマとしては良くできた脚本で中盤後半からクライマックスは見応えがある作品でした。
深夜に見ていたら、そのまま寝落ちしてしまい、起床後に再度最初から見直しました。集中力がある時に見ていないと、注意が散漫になりそうなありきたりの序盤の展開を最終的に裏切ってくれる作品でした。
ロスト・ボディ あらすじ(ネタバレ)
ある夜、死体安置所から亡くなったばかりの女性マイカの遺体が消える事件が起きる。事件を担当することになったハイメ警部は、マイカの年下の夫アレックスの態度から、彼が妻を殺害し、その証拠を隠蔽するために彼女の遺体を盗み出したと睨んで厳しく尋問するが、アレックスは頑なに否定する。実はアレックスは、金持ちで支配的な妻マイカの存在をかねてより疎ましく思っており、そんな中で知り合った若い女性カルラと愛し合うようになっていたことから、確かに妻を毒殺していたのだ。しかし、遺体から証拠が出ないような特別な薬を使っていたので、そもそも遺体を盗む必要などなく、誰が遺体を盗んだのか、アレックスも分からない。密かにカルラと連絡を取り合いながら、アレックスも事件の真相を探ろうとするが、その一方で、マイカを殺害した薬をはじめ、次々とアレックスの犯行を示す証拠が現れ、アレックスは追いつめられて行く。この事態にアレックスは、マイカが実は全てに気付いていて死んだふりをして自分に復讐しようとしているのではないかと思うようになる。
ハイメ警部からの厳しい尋問に、遂にアレックスは妻の殺害を認めるが、妻は死んだふりをしているだけで生きていると主張する。そして、それを愛人のカルラが証明してくれるはずだが、カルラがマイカに殺される可能性があるので保護して欲しいと懇願する。ところが警察がカルラの住まいとされる部屋にやって来ると、そこに人の気配はなく、近所の証言からもカルラの存在自体が疑問視される。そこに死体らしきものが発見されたとの連絡が来る。現場に連行されたアレックスの目の前で遺体を包んでいる袋が開かれると、それは確かにマイカの遺体だった。ハイメ警部はアレックスに、妻を殺害する罪悪感から愛人且つ共犯者として架空の女性カルラを妄想していただけだと告げる。何も分からなくなったアレックスは手錠を付けたままその場から逃げ出すが、それをハイメ警部は慌てることなく追いかける。するとアレックスは徐々に身体に異変を感じ始め、遂に倒れ込んでしまう。そこでハイメ警部が全ての真相をアレックスに語る。
10年前、ハイメ警部は妻と娘と乗っていた車に信号を無視した車がぶつかり、その事故で妻を亡くしていた。ぶつけた車は救急車を呼ぶこともなく逃げ去り、事件はうやむやのままになっていたのだが、当時は記憶が曖昧だった娘が事故を起こした車とその運転手を思い出したことから、ハイメ警部と娘エヴァは犯人への復讐を決めたのである。実は、その事故を起こしたのはアレックスで、その助手席にはマイカが座っていたのだ。エヴァはアレックスが犯人であることを確かめるためにカルラと名乗って接近し、愛人になることで彼の告白を引き出すと、父親と共謀してアレックスによる妻殺害を利用し、マイカの遺体を隠すとともにアレックスを追いつめる証拠を用意していたのである。更に、エヴァはマイカの殺害に使ったものと同じ毒薬を密かにアレックスに飲ませており、それがようやく効いて来たアレックスはハイメ警部に見下ろされたまま息絶える。
ロスト・ボディ スタッフ
監督:オリオル・パウロ
脚本:オリオル・パウロ,ララ・センディム
製作:ホアキン・パドロ,マル・タルガローナメルセデセ・ガメロミケル・レヤルサ
音楽:セルヒオ・モウレ・デ・オテイサ
撮影:オスカル・ファウラ
編集:ホアン・マネル・ビラセカ
製作会社:Antena 3 Films
配給:ソニー・ピクチャーズ
ロスト・ボディ キャスト
ホセ・コロナド
ウーゴ・シルバ
ベレン・ルエダ
アウラ・ガリード