テラフォーマーズ(実写版)は、2016年公開の日本映画。『クローズZERO』シリーズや『藁の楯 わらのたて』などの鬼才三池崇史監督がメガホンを取り、人気SFアクション漫画を実写映画化。未来を舞台に、二足歩行の人型に進化したゴキブリと人類が繰り広げる壮絶なバトルを映し出す。
テラフォーマーズ 映画批評・評価・考察
テラフォーマーズ
脚本:-30点
演技・演出:-20点
撮影・美術:-20点
編集:3点
音響・音楽:3点
合計-64点(マイナス)
デビルマンを超える愚作が誕生!原作はベストセラー漫画、演技派のベテランと今が旬の豪華なキャスト陣、監督は鬼才三池崇史、原作重視の脚本!どうしてこうなった?
原作本を全巻読んで、アニメもOVAも見ている自分としては、これ以上ない最悪の出来に落胆した。
脚本について
劇団☆新感線の座付作家、脚本化の中島かずきが担当。
原作の中でも最も面白い1巻の内容をベースに脚本は書かれており、多国籍の登場人物を全員を日本人に変えた事とラスト以外は、基本的に原作を重視したストーリー構成になっている。
上記の通り、ほぼ仕事していない。
監督について
鬼才の代名詞になっている三池崇史。マイナー監督時代は鬼才だったかもしれないが、最近は、基本的に内容に関係なく監督依頼を断らないので職業監督としてプロデューサーや出資者から信頼されていて、 独断専行タイプではなく、協調性のある監督だと思われる。
三池監督の過去作品から考えると、バイオレンスやホラー映画では鬼才ぶり(主にエログロ描写)を発揮し作品的評価も高いものが多い。
では、SF映画はどうだろう。アイドル映画(SPEED主演)のアンドロメディアや櫻井翔主演のヤッターマンがあるが、実は及第点の評価を世間的に受けた作品だった。
三池監督は、幅広い作品が撮れる監督としてニーズがあるのは頷ける。
テラフォーマーズでは、低予算だがスケールはハリウッド映画級の作品を求められ、原作ファンの意向も汲み取りながら実写化しなければならなかった。
この挑戦は、残念ながら大失敗に終わる。 デビルマンはクソ映画でも強烈なインパクト(悪い意味だが個性)があったが今作にはそれすらなかった。
演技・演出について
時の人であるスーパーキャストがこれでもかというほど勢ぞろいしており、武井咲と篠田麻里子以外は、俳優として人気・実力のあるキャストで申し分無いが、
特殊メイクの影響かその良さが微塵も感じられなかった。(ケイン・コスギは良かったよ!)
撮影・美術について
今作品の最大の失敗要因でもある、リアリティのない映像と気持ち悪くないテラフォーマー(ゴキブリ)のクリ―チャー。
寺田克也がテラフォーマーのキャラクターリファイン(実写化向きに漫画のデザインを変更する作業)し、バグズ2号キャラクターはSHOHEIがキャラクターリファインしている。
それらを元に、松井 祐一が特殊メイク・クリーチャースーツを担当している。
この3人が、この映画の鑑賞者がマジギレしている個所の担当ではあるが、採用したのは監督やプロデューサーのセンスの無ささかと。。。
音楽について
三池崇史が監督を務める作品の劇伴を担当することが多い遠藤 浩二で、映画音楽職人ともいえる様々なジャンルの映画音楽に実績がある作曲家。
今作でも特に印象に残らないがまったく問題なかった。
編集について
三池ファミリーの山下健治が担当しており、特に問題ない。
僕の総括しては、脚本家がほぼ仕事をしておらず、漫画原作を映像化する上で必要な修正作業をしていない。
漫画やアニメ同様に回想シーンやナレーション(虫説明)を闇雲に組み込めば実写映画でそれをやれば可笑しくなるのは想定出来ただろうし、
クリーチャーの出来や脚本、三池色の薄さを見るとスタッフがやる気が無かったように見て取れる。
当然スタッフがやる気が無いんだから、キャストもどのように演じていいのか悩んだ結果がこの結果だと。。。
結果デビルマン以下の作品が出来上がってしまった。
テラフォーマーズ あらすじ
21世紀、人口爆発を迎えた人類は、コケと“ある生物”を送ることで火星を地球化させる火星移住計画を実行する。それから500年後、計画の仕上げとして、その生物を駆除するために15人の隊員を火星に送り込む。メンバーたちは簡単な仕事の上、高額のギャラに参加を決めていたが、小町小吉(伊藤英明)だけは、勝手に志願した幼馴染の奈々緒(武井咲)に付き合い火星行きを決意していた。しかし火星に着くと“ある生物”は人型に異常進化した驚くべき姿となっており、その凶暴性で隊員たちに襲い掛かってくる。絶体絶命な状況だったが、彼らの身体には、彼らも知らされていないある秘策が仕込まれていた……。
テラフォーマーズ スタッフ
原作 – 貴家悠 / 橘賢一「テラフォーマーズ」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督 – 三池崇史
脚本 – 中島かずき
音楽 – 遠藤浩二
主題歌 – 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「BREAK OF DAWN」(rhythm zone)
製作 – 福田太一、茨木政彦、榎本善紀、中村理一郎、寺島ヨシキ、奥野敏聡、小笠原明男、宮本直人、坂本健
エグゼクティブプロデューサー – 小岩井宏悦
プロデューサー – 坂美佐子、前田茂司
共同プロデューサー – 足立聡史、篠崎真哉、新藤正人、岩元秀聡
企画協力 – 増澤吉和(集英社「週刊ヤングジャンプ」編集部)
撮影 – 山本英夫(J.S.C)
照明 – 小野晃
美術 – 林田裕至
録音・整音 – 中村淳
録音 – 小林圭一
装飾 – 坂本朗
セットデザイナー – 郡司英雄
編集 – 山下健治
サウンドエフェクト – 北田雅也
キャラクタースーパーバイザー – 前田勇弥
特殊メイク・クリーチャースーツ – 松井祐一
ヘアメイクディレクター – 冨沢ノボル
キャラクターリファイン(テラフォーマー) – 寺田克也
キャラクターリファイン(バグズ2号キャラクター) – SHOHEI
キャラクターコーディネーター – 山口義高
スタントコーディネーター – 辻井啓伺、出口正義
VFXスーパーバイザー – 太田垣香織
コンポジットスーパーバイザー – 橋本聡
VFXエディター – 神谷朗
VFXコーディネーター – 川出海
キャスティングプロデューサー – 杉野剛
ラインプロデューサー – 今井朝幸、善田真也
助監督 – 倉橋龍介
制作担当 – 青木智紀
特別協賛 – アース製薬
配給 – ワーナー・ブラザース映画
制作プロダクション – OLM
制作協力 – 楽映舎
製作 – 映画「テラフォーマーズ」製作委員会(ワーナー・ブラザース映画、集英社、京楽産業ホールディングス、電通、エイベックス・ピクチャーズ、OLM、エー・チーム、GYAO、ローソンHMVエンタテイメント)
テラフォーマーズ キャスト
小町小吉:伊藤英明
概ね原作に近い設定だが、スラム街出身であることや父を殺してしまった奈々緒の罪を被り犯罪者となった点などが異なる。火星行きと引き換えに罪を帳消しにする話を持ち掛けられ、志願した奈々緒に同行する形でバグズ計画に参加する。
秋田奈々緒:武井咲
小吉が死刑に処せられるのを防ぐためにバグズ計画に参加したという設定に変更されている。テラフォーマーに襲われ死亡した後、安置されていた遺体が蛾の姿に変異した状態で小吉たちの前に現れ、彼らが生き残る手助けをした。
武藤仁:山下智久
元キックボクサー。
蛭間一郎:山田孝之
天才ハッカーという設定に変更されている。貧しい家族を養うために打ち込んでいた研究を企業が買ってくれると決まった矢先、教授に嵌められ成果を奪われた挙句大学も追われてしまったため、バグズ計画に参加する。原作と違い、体型は普通。
ゴッド・リー:ケイン・コスギ
中東の紛争地区で戦っていた純日本人。無敵の兵士として名を馳せていた元テロリストであり、不死身の男「ゴッド・リー」と呼ばれていた。
森木明日香:菊地凛子
元警察官。押収した現金に手を出したことが原因で職を失い、計画に参加することになる。
堂島啓介:加藤雅也
寄せ集めの乗組員の中では唯一正規の宇宙飛行士だが、かつて理不尽な上司を殴って半身不随にさせてしまい、出世の道を閉ざされていた。
大張美奈:小池栄子
かつて付き合っていた男のせいで火星に追いやられることとなった。普段の髪型は原作と異なるが、変態時には原作と同じような髪型に変化する。
大迫空衣:篠田麻里子
元売春組織のリーダー。
手塚俊治:滝藤賢一
連続殺人犯。
連城マリア:太田莉菜
元売春婦。
榊原:福島リラ
吉兼丈二:渋川清彦
暴力団員。
総田敏雄:青木健
町岡隆太:長尾卓也
虎丸陽:黒石高大
暴力団員。
石原仁志
小橋正佳
ワダタワー
千葉善紀
もりのめぐみ
奈苗
柄本かのこ
茂手木桜子
ナレーション:池田秀一
秋田奈々緒の養父:的場浩司
大学教授:国広富之
女子大生:谷村美月
蜷川みほ
横光克彦
本多晃:小栗旬
奇抜なファッションセンスの持ち主。日本政府の支援を受けて計画を立案し、小吉たち乗組員を計画に勧誘した人物。