エコエコアザラクIII MISA THE DARK ANGELは、1998年公開の日本映画。黒魔術のパワーを持つ黒井ミサと、悪霊の闘いを描いたオカルト・ホラーの第3弾。本作はシリーズ中ミサが最も激しいアクションを見せ、ストーリーもシリーズ中最もヒロイックな内容となっている。TVシリーズ終盤と同じく、クトゥルフ神話へのオマージュ色が強い。
本作は趙方豪の遺作となった。
エコエコアザラクIII 映画批評・評価・考察
エコエコアザラクIII MISA THE DARK ANGEL
脚本:27点
演技・演出:13点
撮影・美術:14点
編集:6点
音響・音楽:6点
合計66点
このシリーズ、できのよい特撮が好きなんですが、いきなりグロい解剖シーンからスタートし、あとはそうでもないのが前2作品と違っているように思います。前作まではエスカレートしていく感じでしたが今作は後半はストーリーで魅せるという感じです。
前作に比べるとストーリーがしっかりしていて、学園ホラーのあるあるみたいな内容ですが筋が通っていておもしろいと思います。主演の佐伯日菜子も役との相性が良く、様になっていました。
本作において、ミサが登場人物の木下亜夜に『大切な人の遺髪』の入ったロケットを托すシーンがあります。これは前述の劇場版1作目『エコエコアザラク-WIZARD OF DARKNESS』での描写を意識したシーンになります。しかし、これはただのオマージュではなく、主演者は違っても本作が後述のTVシリーズから繋がっているとも前述の映画2作から繋がっているとも取れるようにするための、両方のファンに配慮した演出です。
このことから、前述の劇場版2本と後述のTVシリーズとはある種のパラレルワールド扱いであることがわかります。
エコエコアザラクIII あらすじ(ネタバレ)
全身が焼け爛れた少女の死体が発見された。事件に異常性を察知した黒魔術の力を持つ少女・黒井ミサは、その真相を突き止めるべく、死体の遺留品・セントセイレム女学院演劇部の台本を手がかりに、学院へ転校生として潜り込んだ。偶然知り合った演劇部の亜夜の勧めもあって、演劇部に入部したミサ。部長の光にその演技力を認められた彼女は、公演に向けて稽古に参加する。事件解決の糸口が掴めないまま数日が過ぎ、演劇部は夏休みの合宿に入ることになった。合宿は、学院と同じ敷地にある江取記念館で行われた。そこは、院の創始者・江取公彦男爵の功績を称え、男爵の住居をそのまま残した古い洋館で、奇妙な噂も残されていた。気味悪がりながらも稽古に精を出す部員たち。ところがある日、部員の陽子が行方不明になったのを皮切りに、稽古中の少女たちが焼失した筈の旧校舎へ連れ込まれていってしまう。部員たちを救う為、その後を追ったミサは、そこで人間が人間を作り出す禁断の実験室を発見する。江取男爵はその悪魔の実験に魅せられた人物で、そうして作り出した亜夜を本当の人間にする為に、光の体を使って生贄となる7人の少女たちを誘拐してきたのだった。次々に殺されていく少女たち。やがてミサもその刃に倒れてしまう。もはや絶体絶命かと思われたその時、亜夜の祈りがミサを蘇らせた。邪悪な力に、黒魔術で立ち向かうミサ。彼女は勝利を収めることに成功する。そして、亜夜の忌まわしい記憶を消し、人間として元の世界に返してやると、学院を後にするのであった。
エコエコアザラクIII スタッフ
製作 – ギャガ・コミュニケーションズ、円谷映像
監督 – 上野勝仁
脚本 – 七月鏡一、林壮太郎
脚本監修 – 梶研吾
音楽 – 鈴木大介
特殊メイク – 原口智生、宗理起也
スタントコーディネーター – 高橋伸稔
スタント&アクション – 倉田プロモーション
音響効果 – 丹雄二
仕上 – 映広
プロデュース – 千葉善紀、板谷健一、今井朝幸、太田裕輝
企画 – 山地浩、円谷粲
配給 – ギャガ・コミュニケーションズ
配給協力 – ゼアリズ
エコエコアザラクIII キャスト
黒井ミサ:佐伯日菜子
木下亜夜:七海彩夏
風見 光:萩原由紀
土器手かほり:高橋あゆみ
水島真実:三輪ひとみ
火野陽子:藤村ちか
鎌田 瞳:山本エレナ
河合由樹:滝村裕子
黒井サトル:趙方豪
管理人:梅津栄
郵便局人:七世一樹
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