リング2は、1999年公開の日本映画。映画版『リング』の続編で映画版オリジナル。『リング』には原作、映画版ともに正規の続編『らせん』が存在しますが、本作は『らせん』とは異なる展開を見せる一種のパラレルワールド的な作品です。この脚本を一般公募で募集しましたが、決定されず、脚本家の高橋洋が書き下ろす事になった作品です。
リング2 映画批評・評価・考察
リング2
脚本:30点
演技・演出:14点
撮影・美術:14点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計73点
映画館にわざわざ見に行った個人的に好きな作品なのですが、SFっぽい要素が多いこともあり、演出がダイナミック過ぎて怖さがあまりないのでホラー映画としては微妙な評価をされています。前作のような鬼気迫る感が乏しいんですが、はじまり方も終わり方も個人的満足ができた作品です。演出もスキャナーズやキャリーが好きなこともあり、嫌いじゃないです。真田広之をここぞ、この場面で、出演させているのも良いです。正式な続編のらせんより良い出来だったと思います。この映画を見たあと、ふと『13日の金曜日PART7/新しい恐怖(1988)』で、ジェイソンと超能力少女が対決したのを思い出しました。
リング2 あらすじ(ネタバレ)
山村貞子の親戚である山村敬は貞子の遺体の身元確認のため、浅川玲子とその前夫・高山竜司が発見した貞子の遺体に対面する。担当の大牟田刑事より遺体は死後1・2年しか経っておらず、貞子が井戸の中で30年間生きていたと告げられる。
恋人の高山竜司の死の謎を探る高野舞は「呪いのビデオ」の存在を知り、ビデオの件を調査しているTVレポーターの岡崎と出会う。岡崎は、「呪いのビデオ」調査の前任者で現在は失踪してしまった浅川玲子の仕事を引き継いでいたが、ようやく「ビデオ」を現在も持っているが見たことはないという高校生、沢口香苗を探し出した。岡崎は香苗からビデオを借り受ける約束をするが、その直前、香苗は誘惑に負けてビデオを見てしまう。香苗は岡崎にビデオを見るよう懇願するが、岡崎は結局恐怖に負けて見ることが出来ず、香苗は1週間後に死亡してしまった。
岡崎と舞は、呪いのビデオによる最初の犠牲者である大石智子の死亡現場に居合わせ、現在は精神病院に入院している少女・倉橋雅美の存在を知り、彼女の担当医師で高山の大学同期・川尻医師と出会った。川尻は超常現象の研究をしており、倉橋の中に、呪いのビデオを生み出した山村貞子の怨念がとり憑いていることを知る。川尻は自分の理論に従って倉橋の中から貞子の怨霊を除去しようとするが、それは被験者を廃人にしかねない非常に危険な実験だった。
その後、舞は、偶然にも息子の陽一と共に身を隠していた浅川玲子と出会うが、すでに陽一の中にも貞子の怨念がとり憑いていることを知る。やがて川尻から事態を聞いた大牟田は浅川親子を確保し、川尻は陽一を除去実験にかけようとするが、陽一は突如暴走、大牟田を呪殺出来うるほどの強力な超能力を発動させる。さらにその力の巻き添えを受けた玲子はトラックに轢かれて死亡してしまう。
混乱の中、陽一を連れ出すことに成功した舞は、陽一を救う手がかりを求めて貞子の故郷・大島に渡る。やがて後を追ってきた川尻は、陽一が怒りにまかせて貞子の力を呼び起こす最強の霊媒であることを危惧し、舞を説得して山村敬と共に、貞子の怨念をプールの水に溶かし出す計画を立てるが、貞子の力は強く、プールの中に全員が吸い込まれてしまった。
舞は無我夢中で浮上し、傍らに陽一がいることを確認する。だが、2人が気がついた瞬間に90度傾き壁にしがみつく状態になる。つまり、そこは先程のプールではなく、貞子が30年間閉じ込められていた井戸の中だったのだ。陽一は舞に「お姉さん、もういい」と言って井戸の底へ身を落とす。舞は陽一を探すために自分も井戸の底へ落ちる。井戸の底には竜司の霊がおり、舞と陽一を助ける。だが、そこに貞子の死霊も出現、舞は陽一を連れて井戸から這い上がろうと試みるが貞子に追いつかれ、なぜ舞だけが助かるのかと非難の言葉を投げかけられる。しかし舞と陽一は無事、現実世界へと生還するが、川尻と山村敬はプールで溺死する。
これで事件は一段落するが、ビデオの呪いは終わっておらず、岡崎は後日になって生前の香苗の姿を収めた取材テープを編集している最中、映像の中の香苗が機器の操作に反して不自然な動きでこちらを振り向き、顔を覆う前髪の合間から怨嗟の表情でこちらを睨みつけるのを目にする。岡崎が断末魔の悲鳴を上げる場面で物語は幕引きとなる。
リング2 スタッフ
監督:中田秀夫
脚本:高橋洋
原作:鈴木光司
製作:一瀬隆重,石原真
製作総指揮:原正人
音楽:川井憲次
撮影:山本英夫
編集:高橋信之
助監督:李相國
配給:東宝
リング2 キャスト
高野舞:中谷美紀
倉橋雅美:佐藤仁美
沢口香苗:深田恭子
浅川玲子:松嶋菜々子(特別出演)
高山竜司:真田広之(特別出演)
山村貞子:土田芽吹(少女期)、伊野尾理枝(成人期)
山村敬:沼田曜一
山村志津子:雅子
山村和枝:梶三和子
伊熊平八郎:伴大介
浅川浩一:村松克己
浅川陽一:大高力也
角倉刑事:諏訪太朗
鵜飼:長曽我部蓉子
佐久間:芹沢礼多
林看護師:由良宜子
初老の男:田村錦人
技師:並樹史朗
助手:仁科貴
タクシー運転手:谷津勲
大牟田刑事:石丸謙二郎
岡崎:柳ユーレイ(柳憂怜)
川尻医師:小日向文世