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戦場にかける橋|捕虜によるクワイ河への架橋計画から、戦争の愚かさと人間の尊厳を描く。

戦場にかける橋
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戦場にかける橋は、1957年公開のイギリス・アメリカ合衆国合作映画。第2次大戦下、タイ、ビルマ国境の日本軍捕虜収容所を舞台に日英両軍兵士の人間愛を描く。フランスの作家ピエール・ブウルの小説「クワイ河の橋」を原作に、ブウルと作家のカルダー・ウィリンガム、それに「旅情」のデイヴィッド・リーンが脚色を書き、リーンが監督した。

戦場にかける橋 映画批評・評価・考察

戦場にかける橋(原題:The Bridge on The River Kwai)

脚本:37点
演技・演出:17点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:10点
合計89点

アカデミー作品賞・監督賞をはじめ7部門に輝く、巨匠デビッド・リーン監督の戦争映画の名作。第2次大戦下の日本軍捕虜収容所を舞台に、捕虜の連合軍兵士を使って橋を建設しようとする日本軍と、人間としての尊厳を求める連合軍との対立、ひそかに進行する橋の破壊作戦を壮大なスケールで描く。アレック・ギネス、ウィリアム・ホールデン、早川雪州はじめ国際的な名優の共演、主題曲「クワイ河マーチ」はあまりにも有名。


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戦場にかける橋 あらすじ(ネタバレ)

第2次大戦下のビルマ・タイ国境近くにある日本軍捕虜収容所。所長の斎藤大佐(早川雪洲)は教養の深い武人だった。ここに収容されているアメリカの海軍少佐シアーズ(ウィリアム・ホールデン)らは激しい労役に脱出の機会を狙っていたが、そんなある日、収容所にニコルスン大佐(アレック・ギネス)を隊長とする英軍捕虜の一隊が送られてきた。バンコック・ラングーン間を結ぶ泰緬鉄道を貫通させるためクライ河に橋梁を建設せよとの命が司令部から斎藤大佐に下り、その労役に送られてきた捕虜である。橋梁完成期日は5月12日、日は幾ばくもない。斎藤大佐は捕虜全員に労役を命じた。が、ニコルスン大佐はジュネーブ協定に背反すると将校の労役従事を拒否したため、営倉に監禁された。その夜シアーズは仲間2人と脱走し、1人だけ助かってコロンボの英軍病院に収容された。一方、収容所では担当者の三浦中尉の工事指導が拙劣なためと捕虜のサボタージュのため架橋工事が遅れていた。斎藤大佐は焦慮の余りニコルスンら将校の翻意を促したが彼らは応じない。やがて3月10日、陸軍記念日となった。斎藤大佐はニコルスンらの頑固さに負け、彼らの恩赦を伝えた。ところがこのとき、意外にもニコルスンは自ら架橋工事に当ろうと申し出た。彼は、サボタージュが軍紀の弛みだとみて捕虜たちに建設の喜びを与えることによって本来の軍人の姿へ鍛え直そうと考えたのである。そして架橋方法にも積極的な意見を述べた。架橋の主導権はニコルスンに移った。期日までに橋を完成するために、斎藤大佐はあえてその屈辱に甘んじた。その頃英軍病院にいるシアーズのもとにワーデン(ジャック・ホーキンズ)という英軍少佐が訪れ、意外な申し入れをした。バンコックーラングーン間の橋が完成、鉄道が敷かれれば日本軍はインドへ迫るだろうし、それを阻止するためには落下傘で挺身隊を降下させ橋を爆破するより方法がない。シアーズに道案内を頼む、というのである。シアーズは、ワーデンの説得を承知した。ワーデン、チャップマン、ジョイス、シアーズの4人からなる橋梁爆破挺身隊は輸送機からタイの密林地帯に降下した。この時チャップマンは巨木に激突、落命した。残る3人は難行軍を続けた。携帯ラジオで、橋は5月12日に完成、13日には初列車がクワイ河を渡るとの日本軍の情報を知った。事実、クワイ河の架橋工事は進み、捕虜兵士の士気は上がり、彼らは橋梁建設に生きる意義を見出していた。ニコルスンはこの橋に英軍の誇りをかけていた。5月12日がきた、夕刻、ワーデンら挺身隊はクワイ河を見下ろす陸の上に辿りついた。夕陽に映えて巨大な橋が見事完成されていた。夜影に乗じ、ジョイスは橋脚に爆薬を装置、シアーズとワーデンは迫撃砲を備えて彼を援護、橋梁爆破の準備はなった。朝がきた。斎藤大佐とニコルスンは最後の点検にと橋を上へ上った。そのとき、ニコルスンは橋脚の爆薬を発見した。と、その矢先斎藤大佐はジョイスに後から刺し殺された。折しも列車の汽笛が聞こえた。ジョイスは発火装置に迫ろうとしたがニコルスンに遮られた。シアーズがジョイスを助けるため出てきたがジョイスとともに、日本兵に射殺された。その瞬間、丘の上のワーデンが放った迫撃砲の1弾はニコルスンの傍らに落下、ニコルスンの体は発火装置の上に崩折れた。捕虜たちが苦心の末に完成した橋は列車とともに粉砕した。ゆるやかに流れるクワイ河の水面に、「本橋梁は英軍将士によって建造されたものなり」と書いた1枚の板が漂うばかり……。

戦場にかける橋 スタッフ

監督:デヴィッド・リーン
脚本:カール・フォアマン,マイケル・ウィルソン
原作:ピエール・ブール『戦場にかける橋』(1952年)
製作:サム・スピーゲル
音楽:マルコム・アーノルド
主題歌:『クワイ河マーチ』
撮影:ジャック・ヒルデヤード
編集:ピーター・テイラー
配給:コロムビア映画

戦場にかける橋 キャスト

シアーズ中佐:ウィリアム・ホールデン
ニコルソン大佐:アレック・ギネス
ウォーデン少佐:ジャック・ホーキンス
軍医クリプトン:ジェームズ・ドナルド
グリーン大佐:アンドレ・モレル
ジョイス:ジェフリー・ホーン
斉藤大佐:早川雪洲
リーヴス大尉:ピーター・ウィリアムズ
ヒューズ少佐:ジョン・ボクサー
グローガン:パーシー・ハーバート
ベイカー:ハロルド・グッドウィン
兼松大尉:ヘンリー大川
三浦中尉:勝本圭一郎

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