シコふんじゃった。は、1992年公開の日本映画。卒業のための単位と引き換えに、廃部寸前の弱小相撲部に入ることになった大学生の奮闘をコミカルに描いたコメディ映画。第35回ブルーリボン賞作品賞ならびに第16回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。
シコふんじゃった。 映画批評・評価・考察
シコふんじゃった。
脚本:37点
演技・演出:18点
撮影・美術:18点
編集:10点
音響・音楽:9点
合計92点
主演・本木雅弘。廃部寸前の名門相撲部を立て直そうと、大学生と個性あふれる部員たちが奮闘する周防正行監督・脚本の青春コメディー。就職も決まり、あとは卒業するのみとなった秋平。卒論指導教授から単位をもらう代わりに相撲部の試合に出ることを提案され、素人ばかりを集めて何とか団体戦に出場したが惨敗。OBから罵倒された秋平はうっかり勝利宣言をしてしまい、新たな部員を加え、リーグ戦を目指し合宿生活を始めるが…。
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シコふんじゃった。 あらすじ(ネタバレ)
キリスト教系の教立大学4年の秋平は、父親のコネで就職も決まり、残りわずかな大学生活を思いっきりエンジョイしていた。ある日、卒論指導教授の穴山に呼び出される秋平。授業に一度も出席したことのなかった秋平は、穴山から卒業と引き換えに、彼が顧問をしている相撲部の試合に出るよう頼まれ、仕方なく引き受けてしまう。ところがその相撲部の部員は8年生の青木ひとりだけ。相撲を心から愛しているものの一度も試合に勝ったことがない。やがて秋平と同じようにデブのクリスチャン田中と、秋平の弟・春雄が入部。さらに春雄に思いを寄せるデブ女の正子がマネージャーとして参加。このメンバーで何とか団体戦に出場するが惨敗。秋平は思わず「今度こそ勝ってやる!」とOB達に宣言。こうして3カ月後のリーグ戦を目指すことになってしまう。そんな秋平らを見守る名誉マネージャーの夏子。それにイギリスからの留学生スマイリーも加わるが、人前でお尻をさらけ出すことを拒むスマイリーは、まわしの下にタイツをはく始末。名門相撲部復活をかけて厳しい練習の毎日が続く。そして夏合宿を経て、ようやくリーグ戦出場。秋平らは何とか勝ち進んでいくがやや苦戦気味。スマイリーも彼らの奮闘する姿に圧倒され、ようやくタイツをはぎ取り試合に出場。教立大学相撲部は優勝するのだった。そして、部員はそれぞれの道を歩み、いつしか相撲を心から愛するようになった秋平は、ひとり相撲部に残る決意を固めるのだった。
シコふんじゃった。 スタッフ
監督:周防正行
脚本:周防正行
製作:平明暘,山本洋
音楽:周防義和
主題歌歌唱:おおたか静流
撮影:栢野直樹
編集:菊池純一
製作会社:大映,キャビン
配給:東宝
シコふんじゃった。 キャスト
教立大学相撲部
山本秋平:本木雅弘
教立大学4年生。これまで大学の授業にはほとんど出席せず真面目に勉強をせず遊んでばかりいた。コネで大手企業へ内定が決まっていたが、卒業に必要な穴山教授担当の講義の単位を取るためだけに相撲部に入ることになった。勝負強さを買われ、大将を任される。相撲部に入る前は、シーズン・スポーツ愛好会に所属していた。かなりの遊び人で、春雄曰く多くのガールフレンドがいるらしい。昇格後は就職を辞退し、相撲部へ残る。
青木富夫:竹中直人
教立大学相撲部員。浪人して教立大に入学した8年生で、秋平たちが助っ人で加入するまでは唯一の相撲部員だった。4年間ずっと稽古部屋に住み込んでいる。相撲が好きで知識も豊富だが、公式戦では一度も勝ったことがなかった(緊張して下痢を催すことが一因)。得意技(自称)は猫騙し・内無双・頭捻り。昇格後は無事卒業した。
田中豊作:田口浩正
教立大学学生。クリスチャン。内気で引っ込み思案な性格で、高校時代まで友達が一人もおらず、人から誘われた経験も無かった。肥満体を見込んだ青木の勧誘を受け、相撲部員となる。体は大きいが気は小さく、立合いではどうしても目を閉じてしまうが、穴山からそれを逆手に取り、体格を活かしてがぶり寄る相撲を教わる。昇格後は砂高部屋に入門する。
山本春雄:宝井誠明
教立大学学生。秋平の弟。プロレス部に入っていたが、後に「相撲なら女の子にモテそうだから」と言う理由で相撲部に入る。かなり細身だが、穴山は春雄の気迫を買っている。女子学生に人気で、追っかけが多数おり、兄・秋平とのコンビで大学リーグの若貴と呼ばれる。昇格後はイギリスへ留学。
ジョージ・スマイリー:ロバート・ホフマン
英国スオックフォード大学からの交換留学生で、ラグビー経験者。クリスチャン。日本の物価が高いため下宿先の家賃を滞納しており、「家賃無料」と言う理由から稽古部屋へ住み込む形で「練習は2時間まで」「廻しの下にパンツを履いてもいい」と言う条件付きで相撲部に加入。相撲部の中では最も体力に恵まれるが、当初は尻を人前に晒すことを頑なに拒否し、稽古では廻しの下にスパッツを着用し、スパッツ着用が認められない公式戦では不戦敗を続けていたが、仲間たちの熱意に促されてスパッツを破り捨てた。昇格後はイギリスへ帰国した。
間宮正子:梅本律子
春雄に憧れて教立大学相撲部マネージャーとなった。部員顔負けの巨体の持ち主。相撲部の危機を救うべく男子部員に扮して試合に出場するなど度胸のある面もある。
川村夏子:清水美砂
教立大学相撲部マネージャー。相撲部顧問の穴山教授の研究室に属する大学院生。
穴山冬吉:柄本明
教立大学相撲部の顧問。秋平の卒業論文指導教員でもあり、元学生横綱。秋平に相撲部入部を持ちかける。
その他
堀野達雄:松田勝
教立大学アメフト部。秋平とは知り合いで、二部リーグ入れ替え戦のメンバーに助っ人として加わる。
倉高(北東のケン):宮坂ひろし
北東学院大学相撲部の主将。
峰安二郎:村上冬樹
教立大学相撲部OB会会長。少々助兵衛である。
穴山ゆき:桜むつ子
穴山冬吉の母。
熊田寅雄:六平直政
教立大学相撲部のOB。初戦で全員全敗した秋平たちを慰労会で激しく罵倒した。
朝井知恵:水島かおり
教立大学相撲部を取材に訪れたリポーター。
林:片岡五郎
相撲大会の主審。
佐藤恒治、みのすけ、小浦一優、大堀浩一(現:大堀こういち)、和田宣房(現:和田圭市)、手塚とおる、三宅弘城、戸田昌宏、今川杉作、飯田和平、秋田宗好、橋本一成ほか