ヘッドハントは、2012年公開のオーストラリアの映画。閉鎖されたオフィスで自由を奪われた6人の男女が体験する恐怖を描くシチュエーションスリラー。オフィスを仕切る社長に掛けられた殺人容疑の謎と、強制的に業務を命じられ、ミスによって命が危険に晒される従業員たちの顛末を描く。
ヘッドハント 映画批評・評価・考察
ヘッドハント(原題:Redd Inc. , Inhuman Resources)
脚本:34点
演技・演出:15点
撮影・美術:14点
編集:8点
音響・音楽:6点
合計77点
ホラー映画好きなら、笑いながら見れるような個性的なデスシーンが楽しめる作品で、脚本というかアイデアが良くてキャストがいまいちでも十分楽しめる内容になっています。
クライマックスもしてやったりの内容でありきたりのホラー作品と差別化できています。冒頭に主人公のストリップシーンがあるものの、正直あまり魅力的ではなかったです。デスシーンはトム・サヴィーニが監修しているだけあって秀逸というかやり過ぎというか見ごたえありますし、個人的には好きなタイプのB級ホラーでした。
ヘッドハント あらすじ(ネタバレ)
連続殺人犯として投獄されていたトーマス・レッドマンが脱獄し、「レッド社」を設立。社長となったレッドマンは、会社のオフィスに6人の男女を閉じ込める。6人は、レッドマンに罪を着せた真犯人を見つけ出し、レッドマン自身の無実を証明するよう“業務”を言い渡される。5回ミスをすると“クビ(=死)”が待ちうける過酷な状況のなか、自由を奪われた6人は捜査を開始する。6人は捜査資料やパソコンを駆使して真犯人の捜索を開始。だが、ミスをする度にナイフで額を傷つけられ、ミスが5回になると本当の意味での“首切り”(=死)が待っている。
6人は首切り殺人事件で全員法廷にいた人物。レッドマンを捕まえた刑事のエドワード、主任弁護士のルディ、捜査に協力した霊能者のシーナ、目撃者のアナベルとウィリアム、主任検事のガイ・マー。レッドマンが飲み物と分厚い本を持ってくる。アナベルは彼が生きていてまさかと驚く。レッドマンは規則や仕事を説明する。「トイレ休憩は1日3回、休み時間は2回。食事は残さず食べてください。仕事は全てやり遂げることです。まずは法律マニュアルをタイピングしてもらいます。」レッドマンは自分のことがレッドであり君たちの上司だと話して部屋を後にする。エドワードは死体を確認したのにと言う。6人はひたすらタイピングしていく。シーナはメガネがないと見えないことから諦めようとする。エドワードは仕事をしているフリをするようにと言う。レッドは食事を持ってくる。ガイは皆を差し置いて先に食事を貪り食う。レッドは処罰は公平にしなければならないと言う。左手を外すとナイフが出てきた。部下は警告を受ける度に額に傷を刻まれていく。5回目の警告で会社に対する価値がないと判断される。ガイは5回目で首にナイフを刺され血が吹き出て死亡する。レッドはガイの首を切って引き出しに入れる。シーナは進み具合を聞かれてメガネがないことを訴えるとレッドはメガネを渡してあげる。
トイレ休憩になりレッドはアナベルをトイレに連れていく。途中の人事部のドアの下からは血がにじみ出ていた。レッドは5分だと言って鎖を外してアナベルをトイレに行かせる。アナベルは弾丸ガールズのマッチを拾いトイレの換気口のネジを回して1つ取ることが出来る。その後時間切れとなってしまう。レッドは時間は厳守だと言ってアナベルの額に傷を1つ刻む。アナベルは地域統括マネージャーの部屋に連れて行かれる。この席に座るのはレッド。レッドはアナベルの証言を話し出す。そして自分が斧を使ったところは見てないと追求しアナベルに真犯人を捕まえる任務を与える。席に戻ったアナベルは証言のCDを聞いていきエドワードから捜査の方法について聞く。エドワードは傾向と矛盾点を探すのだと説明する。事件は解決したのだとも言う。別室からレッドとマーカスの声が聞こえてくる。レッドは規則に従うようにとマーカスに言っていた。マーカスは首切り殺人事件の公判を担当した判事。行方不明になっていた。精神病院行きになったのになぜ拷問をしているのかアナベルは不思議に思う。ルディは裏があることを説明する。実はランズデール病院は非合法な薬物や外科手術をしていた。アナベルはそういえばレッドの頭に傷があったことを思い出す。レッドは手術をされて今や別人となっているのだ。シーナはレッドに人殺しだと言ってしまいレッドから警告を1つ受ける。レッドは犯人が見つからなければ帰れないと怒る。エドワードはレッドが死を偽装したことに気づく。左腕だけを火災現場に置いていったのだ。ウィリアムは指の爪に棘が刺さっていた。レッドが抜きそして感染症を防ぐためにも爪を剥ぐように命令。
アナベルは事件のあったエレベーターの音を聞く。そこで息苦しそうな声を聞き取る。トイレに行く度にアナベルは少しずつネジを緩めていった。仕事の状況などで5人は次々と警告を受けていく。シーナは4回、他4人は3回となる。生きれて後2日ほど。アナベルはもしもできるのなら被害者と交信をして欲しいとシーナに頼む。レッドがやってくる。シーナはレッドを犯人と特定して名を上げた。未来が視えることがあるのだ。レッドはこの状況は視えなかったのかと語りかけそしてシーナの目はいらないと言う。シーナは両目をえぐり取られ袋を被せられて窒息死した。レッドは仕事の出来に不満があり社員の再評価をすることに。ルディの番になる。レッドはあのエレベーターが特注であったことを話す。その天井の高さから大きな力が加わったと主張するのはおかしいと考える。実演してやるぞとルディを脅す。ルディはレッドが犯人ではないと皆に言う。アナベルはピーターというアリバイの証人の陳述書が無いことに気づき意図的に破棄された可能性があると考えた。サインはエドワードのもの。エドワードが本当のことを話す。レッドは冷静に無罪を主張していた。彼にアリバイはなかったが実は2人目の時はあった。エドワードは事件のことで取材が殺到していた。そしてレッドに解雇された態度の悪い従業員に会いに行く。レッドを逃すわけにはいかず故意に証拠を隠した。今は撃たれてエドワードは車椅子生活となっていた。レッドが後ろから近づいてくる。エドワードは連れて行かれて台の上に縛られ両足を切り取られた。レッドはエドワードの片足を引き出しに入れる。ネジを緩め終えたアナベルはついに時が来たと思う。トイレに行きたくて目が覚めたとレッドに頼む。アナベルはマッチで明かりをつけて換気口の中を這って行く。人事部に到着してマーカスを見つけるが彼は傷だらけで口は縫われていた。レッドは気づいて人事部にやってくる。そしてマーカスを刺して殺す。殺しては苦しみを与えられないので残念に思う。アナベルはエドワードの片足を武器にレッドと戦う。突き、突き、殴りでレッドのカツラを飛ばした後に気絶させた。その間にレッドから鍵を奪いウィリアムとルディを起こして鎖を解く。ルディは電話で警察に助けを求める。
3人は武器が必要だと考えて文房具を手に取りエレベーターを目指す。気がついたレッドは左腕についているナイフでルディを刺す。アナベルとウィリアムはルディがもう駄目だと思ってエレベーターに乗り込む。そこでアナベルはウィリアムが息苦しい声を発していることに気づく。そう、ウィリアムこそが首切り殺人事件の犯人だったのだ。ウィリアムは気づかれてしまったことでアナベルの首を刺す。するとレッドがルディをエレベーターのほうに落とす。ウィリアムはルディが降ってきて気絶。アナベルは首を抑えながら逃げていく。ウィリアムは気づいて彼女を追う。そしてエレベーターの事件の時誤算だったことを話す。その誤算とはレッドがエレベーターに乗っていたことだった。ウィリアムは咄嗟の判断で怯えているレッドに斧を渡した。そして階段で降りて目撃者と偽ったのだ。アナベルはウィリアムを背後から棒状の物で殴る。そして出口を開けると警察が手を上げるように言ってくる。その背後ではウィリアムが動いていた。アナベルは救急車に運ばれた。レッドは身支度を整えて出ていった後に警察が踏み込む。
アナベルはアパートのベッドの上で目を覚まし隠している包丁やトンカチを確認。アナベルは「君は悪くない」という本を出版していた。生存者として当時のことを綴った本。今晩はトークイベントに出演する予定。代理人のラムゼイはアパートが出る時が来たのだと言って迎えに行く。アナベルはラムゼイの姿を確認してドアを開ける。ラムゼイの背後にはウィリアムがいた。ウィリアムはラムゼイを刺して殺す。彼はアナベルの本の中で「ウィリアムこそが精神疾患を抱えていた」という文章が面白いと言う。アナベルは浴室に立て籠もる。ウィリアムは浴室のドアを体当りして開ける。アナベルはウィリアムの目にドライバーを刺す。そして助けを求め外に逃げ出し走った先にいたのはレッドだった。レッドはアナベルに後ろに隠れるように言う。レッドVSウィリアムの戦いに。レッドはウィリアムの手を左腕のナイフで切り落とす。そして体にナイフを突き立て首を切り落とした。アナベルはレッドにナイフを向けて怯える。レッドは君は良い仕事をしたと言いそしてこれからランズデール医師に会いに行くと言って去っていった。アナベルはウィリアムの生首を持ってトークイベント会場に行く。来ていた人々に何か質問は?と聞く。
ヘッドハント スタッフ
監督:ダニエル・クリーグ
脚本:ジョナサン・グリーン,アンソニー・オコナー
製作:ジョナソン・グリーン,サンディ・スティーヴンス
特殊メイク監修:トム・サヴィーニ
撮影:リチャード・ブラッドショウ
音楽:マイケル・イェツェルスキー
配給:クロックワークス
ヘッドハント キャスト
トーマス・レッドマン:ニコラス・ホープ
アナベル・ヘイル:ケリー・パタニティ
ウィリアム・タッカー:サム・リード
ルーディー・カーン:ジェームズ・マッケイ
エドワード・グランデル:アラン・デュークス
シーナ・オレアリー:ヘイリー・マケルヒニー
ピーター・バーヴァ:トム・サヴィーニ