雨あがるは、2000年公開の日本映画。人を押しのけてまで出世することが出来ない心優しい武士と、そんな夫を理解し支える妻の心暖まる絆を描いた時代劇。監督は、98年に亡くなった黒澤明監督の助監督として活躍し、本作でデビューを飾った小泉堯史。脚本は、山本周五郎による短編を基にした「まあだだよ」の黒澤明の遺稿。
雨あがる 映画批評・評価・考察
雨あがる(英題:After the Rain)
脚本:38点
演技・演出:19点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計90点
黒澤明監督が山本周五郎の短編をもとにした脚本を映画化した小泉堯史監督デビュー作。武芸の達人だが、不器用でお人よしの武士・三沢伊兵衛は仕官が決まらず、妻のたよと旅を続けていた。ある日、伊兵衛は、侍同士の果たし合いを仲裁するが、それを見た藩主が、剣術の指南役として城に迎えたいと申し出る…。寺尾聰が伊兵衛、宮崎美子がたよを演じ、夫婦の絆をユーモアを交えて温かく描く時代劇。ベネチア映画祭緑の獅子賞受賞。
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雨あがる あらすじ
亨保時代。武芸の達人でありながら、人の好さが災いして仕官がかなわない武士・三沢伊兵衛とその妻・たよ。旅の途中のふたりは、長い大雨で河を渡ることが出来ず、ある宿場町に足止めされていた。ふたりが投宿する安宿には、同じように雨が上がるのを鬱々として待つ貧しい人々がいた。そんな彼らの心を和ませようと、伊兵衛は禁じられている賭試合で儲けた金で、酒や食べ物を彼らに振る舞う。翌日、長かった雨もようやくあがり、気分転換に表へ出かけた伊兵衛は若侍同士の果たし合いに遭遇する。危険を顧みず仲裁に入る伊兵衛。そんな彼の行いに感心した藩の城主・永井和泉守重明は、伊兵衛に剣術指南番の話を持ちかけた。ところが、頭の固い城の家老たちは猛反対。ひとまず御前試合で判断を下すことになるが、そこで伊兵衛は、自ら相手をすると申し出た重明を池に落とすという大失態をしてしまう。それから数日後、伊兵衛の元にやってきた家老は、賭試合を理由に彼の仕官の話を断った。だが、たよは夫が何のために賭試合をしたかも分からずに判断を下した彼らを木偶の坊と非難し、仕官の話を辞退するのだった。そして、再び旅に出る伊兵衛とたよ。ところがその後方には、ふたりを追って馬を駆る重明の姿があった…。
雨あがる スタッフ
監督:小泉堯史
脚本:黒澤明
原作:山本周五郎
音楽:佐藤勝
撮影:上田正治
編集:阿賀英登
配給:東宝,アスミック・エース
雨あがる キャスト
三沢伊兵衛:寺尾聰
三沢たよ:宮崎美子
永井和泉守重明:三船史郎
奥方:檀ふみ
石山喜兵衛:井川比佐志
榊原権之丞:吉岡秀隆
内藤隼人(小姓):加藤隆之
おきん:原田美枝子
説教節の爺:松村達雄
辻月丹:仲代達矢
野田又四郎:山口馬木也
鍋山太平:若松俊秀
犬山半太夫:隆大介
おとし:大寶智子
朝倉主膳:伊藤紘
野呂惣左衛門:児玉謙次
梶原太左衛門:重水直人
警護の武士:長沢政義
宿屋の亭主:下川辰平
宿屋の女房:保沢道子
宿屋の女中:鈴木美恵
お遍路の老人:奥村公延
鋳掛け屋:頭師孝雄
飴売り:杉崎昭彦
鋸の見立て屋:都家歌六
ガ直しの源さん:伊藤哲哉
源さんの女房:小熊恭子
門弟:野口雅弘
腰元:森山祐子、麻生奈美
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