パニッシャー: ウォー・ゾーンは、2008年公開のアメリカ合衆国の映画。法で裁けぬ悪に制裁を加える闇の私刑執行人“パニッシャー”の戦いを描く。マーベル・コミック『PUNISHER MAX』シリーズをベースに映画化したバイオレンス・アクション。監督は元世界女性空手チャンピオンで「フーリガン」を撮ったレクシー・アレクサンダー。
パニッシャー: ウォー・ゾーン 映画批評・評価・考察
パニッシャー: ウォー・ゾーン(原題:Punisher: War Zone)
脚本:28点
演技・演出:17点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計76点
ドルフ・ラングレン、トーマス・ジェーン主演でそれぞれ映画化されたマーベルコミックの人気作を3度目の映画化。前2作はギャングに家族を惨殺された男フランク・キャッスルが、法の手を逃れた悪を自らの正義で裁く“パニッシャー”となるまでを描きましたが、本作で誕生秘話は回想で済ませ、“パニッシャー”と宿敵ジグソウとの死闘を全面に押し出しました。新たな主演にはヒットドラマ「ROME [ローマ]」のレイ・スティーヴンソン。原作のダークなタッチを再現し、これまで以上に過激なバイオレンス描写も見どころです。
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パニッシャー: ウォー・ゾーン あらすじ(ネタバレ)
元アメリカ軍兵のフランク・キャッスルがマフィアに家族を殺され、法で裁けない悪に処刑を下す「パニッシャー」として暗躍するようになってから6年。
ある夜、フランクはニューヨークを牛耳る巨大マフィアのパーティ会場を襲撃。幹部たちが次々と処刑されていく中、「ハンサムビリー」の異名を取るビリー・ルソッティはその場から逃走してしまう。事件現場に居合わせた市警の刑事からビリーの潜伏先が波止場の倉庫であると聞き、フランクはすぐさま波止場へ急行。隙を突いて倉庫へ潜入すると、ビリーの腹心であるドナテッリを射殺。続いて手下たちを次々に処刑し、ビリーをガラス粉砕器の中に突き落とす。
処刑を終えたフランクだったが、間もなくドナテッリがFBIの潜入捜査官であったと知り衝撃を受ける。自身が護るべき「善」である人間の命を奪ってしまったことで、苦悩するフランク。思い詰めた末にドナテッリの家を訪れるも、ドナテッリの娘であるグレースの無垢な眼差し、そして妻アンジェラの憎しみを目の当たりにし、フランクはパニッシャーとしての活動を辞めることを決意する。
その頃、顔面を包帯で覆ったひとりの男が、場末の違法医師の元に訪れる。男の正体は、死んだはずのビリーであった。ビリーは粉砕器で顔面の皮膚や腱、さらには骨格までを引き裂かれながら、辛くも一命を取り留めていた。応急処置として割れた骨格を金属板で固定し、なくなった皮膚の代わりに馬の皮膚を縫いつけられたビリー。かつて「ハンサムビリー」と呼ばれた面影はもはや消え去り、見るも無惨な形相へと変貌したビリーは、違法医師を殺害し、自ら「ジグソウ」と名乗り、生き残ったわずかな手下たちと共にフランクへの復讐を誓う。
ジグソウは手始めとして、精神病院に監禁されている弟の「変人(ルーニー・ビン)ジム」ことジミーを解放。続いて自身の勢力を拡大すべく、国外の組織と生物兵器の裏取引に向けて乗り出すが、自身の資金の大半がなくなっていることに気付く。かつて資金の洗浄役がフランクに殺害され、なおかつFBIの潜入捜査官という素性を持っていたドナテッリであったことからドナテッリが資金をかすめ取っていたと思いこんだジグソウはドナテッリ邸を襲撃する。
その頃、フランクは情報屋にして武器屋でもある「マイクロチップ」ことライナスの元へ向かい、自身のパニッシャーとしての辞意を伝える。だが、アンジェラとグレースのドナテッリ母娘に危機が迫っていることをライナスから告げられ、ジグソウを葬り去るまではパニッシャーの活動を続けることを決意。市警のパニッシャー対策課に属するソープ刑事、そしてドナテッリの相棒であったブディアンスキー捜査官の協力を得て、母娘を自身の隠れ家に匿うことに成功する。
しかし安心したのもつかの間、ジグソウの怒りはいよいよ頂点に達し、ニューヨーク中の様々な組織を一挙に集めてフランクを迎え撃つという大胆不敵な計画を企てる。さらにはフランクをおびき寄せるエサとして、フランクが留守の間に隠れ家を急襲。ライナスの弟分であるカルロスに致命傷を負わせ、ドナテッリ母娘とライナスを拉致してしまう。隠れ家に戻ったフランクは助かる見込みのないカルロスをやむを得ず介錯する。
ジグソウの卑劣な手段に激怒したフランクは、母娘を護るため、そしてジグソウとの決着を付けるために、一千人ものマフィアが待ち受けるウォー・ゾーン(交戦地帯)へと自ら飛び込んでいった。
ジグソウはブラッドストリート・ホテルに身を置き、パニッシャーへの復讐を望むギャングの小軍を組織する。フランクはブディアンスキーの協力を求め、ブディアンスキーはクリストゥの父ティベリウ・ブラットにジグソウの居場所を知らせる。ティベリウの執行者たちがホテルのロビーで銃撃戦を開始し、フランクは気を紛らわすことができた。
フランクは2階の窓から侵入し、ジグソウが雇った銃との銃撃戦が始まる。その後、フランクはルーニー・ビン・ジムと単独戦闘を行う。おそらく乱闘で生き残ることはできないことに気づき、ジムは逃げます。フランクはマイクロとグレースに銃を突きつけている彼とジグソウを追いかけ、対峙する。ジグソウはフランクに選択肢を与える。もしフランクがマイクロを撃てば、ジグソウは他の者たちを自由にするだろう。マイクロは少女を救うために勇敢に命を差し出すが、フランクは代わりにルーニー・ビン・ジムを射殺することを選択する。その結果、ジグソウはマイクロを殺します。激怒したフランクはジグソウを攻撃し、最終的には金属棒で突き刺して火の中に投げ込み、「これはほんの始まりに過ぎない」 と告げた。
外ではアンジェラがフランクを許し、フランクはブディアンスキーとドナテッリ一家に別れを告げる。フランクとソープは一緒に去るが、ソープは「町の犯罪者を皆殺しにした」後、自警団の地位を放棄するようフランクを説得しようとする。殺人強盗に捕らえられたソープは考えを変え、すぐにパニッシャーの新たな犠牲者となる。
パニッシャー: ウォー・ゾーン スタッフ
監督:レクシー・アレクサンダー
脚本:ニック・サントラ,アート・マーカム,マット・ホロウェイ
製作:ゲイル・アン・ハード
製作総指揮:オリヴァー・ヘングスト,エルンスト=アウグスト・シュナイダー,アリ・アラッド,オグデン・ギャヴァンスキー,マイケル・パセオネック,ジョン・サッキ
音楽:マイケル・ワンドマッカー
撮影:スティーヴ・ゲイナー
編集:ウィリアム・イェー
制作会社:マーベル・ナイツ,ヴァルハラ・モーション・ピクチャーズ
配給:ライオンズゲート,SPE
パニッシャー: ウォー・ゾーン キャスト
フランク・キャッスル(=パニッシャー):レイ・スティーヴンソン
ビリー・ルソッティ(=ジグソウ):ドミニク・ウェスト
アンジェラ・ドナテッリ:ジュリー・ベンツ
ポール・ブディアンスキー FBI捜査官:コリン・サーモン
ルーニー・ビン・ジム:ダグ・ハッチソン
マーティン・ソープ刑事:ダッシュ・ミホク
ライナス・”マイクロチップ”・リーバーマン:ウェイン・ナイト