新源氏物語は、1961年公開の日本映画。「週刊文春」連載の川口松太郎の同名小説を「美少年変化 竜の岬の決闘」の八尋不二が脚色、「怪談 蚊喰鳥」のコンビ、森一生が監督、本多省三が撮影した王朝もの。
新源氏物語 映画批評・評価・考察
新源氏物語(英題:The Radiant Princess)
脚本:24点
演技・演出:16点
撮影・美術:17点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計71点
市川雷蔵が宮廷女性たちの憧れの的・光源氏を演じ、美しい姫君たちとの恋を描く、けんらん豪華な時代絵巻。帝(みかど)の子に生まれた光源氏は、左大臣の娘・葵の上と結婚するが、亡き母の面影を持つ父の愛人・藤壺との禁断の恋に落ちる。思うようにならない恋に悩む光源氏は、さまざまな女性と逢瀬(おうせ)を重ねていくが…。共演は寿美花代、若尾文子、中村玉緒。数々の傑作時代劇で知られる名匠森一生監督の演出も魅力的。
新源氏物語 あらすじ(ネタバレ)
帝の寵を一身に集めた桐壷は光源氏を生み落して間もなく亡くなった。宮の女性の憧れの的となった光源氏は、時の権力者左大臣の娘葵の上を正妻に迎え前途洋々たるものがあった。その源氏の前に、母と瓜二つという藤壷が現れた。父帝のおもい者と知りながら源氏の心は燃えた。それを知って従者惟光は藤壷付きの王命婦をそそのかして源氏を藤壷の几帖の中に忍びこませた。源氏の甘い抱擁にわれを忘れた藤壷であったが、罪の苛責に駆られていた。
帝の寵を藤壷に奪われて面白くない弘徽殿の女御は、兄の右大臣と藤壷の失脚をはかった。この叔母と父の企みを近く東宮の妃にあがる朧月夜が耳にしていた。朧月夜は、藤壷の館に忍ぶ源氏を追って強引にも几帖の中に引き入れ、惜し気もなくやわ肌を与えその耳に藤壷に近づくなと忠告した。やがて藤壷は玉のような皇子を誕生した。何も知らず歓ぶ帝を見るにつけ源氏の心は暗かった。その懊悩を野遊びに晴らそうとした源氏は、常陸官の姫末摘花と逢いその女らしいもてなしにうさを晴らしていた。
その頃、葵の上は姙り産み月を待っていた。葵祭りの日、葵の上の牛車は六条の御息所の網代車に追突、相手の車のナガエを折ってしまった。口惜しさと憤りに六条の御息所は、生霊となって葵の上を襲った。葵の上は男子誕生と共に死んだ。悲しみにひたる源氏に、またまた父の帝が崩御し、朱雀帝が即位した。源氏は娘の紫の成長を慰めとして日々を送るようになった。今では新帝の妃となった。
朧月夜は、一夜の源氏との交情を忘れることができなかった。大胆にも藤壷の館に忍ぶ源氏を目敏く見つけるや、几帳の中に引入れ藤壷に近づくのは身の破滅だと囁いた。この二人の交歓を弘徽殿の女御が発見した。女御の知らせでこれを知った朱雀帝は憤然とした。源氏は新帝からの通達によって須磨明石へ移されることになった。
新源氏物語 スタッフ
監督:森一生
脚色:八尋不二
原作:川口松太郎
製作:永田雅一
音楽:斎藤一郎
撮影:本多省三
編集:谷口孝司
配給:大映
新源氏物語 キャスト
光源氏:市川雷蔵
藤壷:寿美花代
桐壷:寿美花代
朧月夜:中村玉緒
葵の上:若尾文子
末摘花:水谷八重子
紫:高野通子
秋好の姫:長谷川彰子
弘徽殿の女御:水戸光子
六条の御息所:中田康子
頭ノ中将:川崎敬三
朱雀帝:成田純一郎
兵部郷ノ宮:三田村元
惟光:大辻伺郎
右大臣:千田是也
按察の北ノ方:阿井美千子
弁:藤原礼子
王:倉田マユミ
相生:三田登喜子
大輔:若杉曜子
和泉:平井岐代子
北ノ方:三宅邦子
女房(D):富士川博子
竜田:橘公子
承香殿の女御:毛利郁子
女房(B):小町瑠美子
使者:山本弘子
葵の上の女房(A):薄操
老人:石原須磨男
左大臣:丸山修
聖:花布辰男
良清:鶴賀二郎
商人(B):丸凡太
葵の上の家従(A):三木譲
葵の上の家従(B):大丸智太郎
商人(D):越川一
商人(A):小南明
商人(B):木村玄
葵の上の家従(C):芝田総二
侍従:松岡良樹
東宮:島一男
老婆:堀佐知子
葵の上の女房(B):本間瑛子
女房(C):三藤愛子
弘徽殿の女房:谷口和子
女房(A):東山京子
帝:市川寿海
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