ザ・シューター/極大射程は、2007年公開のアメリカ合衆国の映画。元アメリカ海兵隊のスナイパーが国家的陰謀に立ち向かうサスペンス・アクション。スティーヴン・ハンター原作による“ボブ・リー・スワガー”シリーズ第一作『極大射程』の映画化。監督は「イコライザー」のアントワーン・フークア。
ザ・シューター/極大射程 映画批評・評価・考察
ザ・シューター/極大射程(原題:Shooter)
脚本:38点
演技・演出:18点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計89点
2000年度の「このミステリーがすごい!」で海外小説第1位に選ばれるなど好評を博した原作は、以前から映画化向きといわれていましたが、本作はストイックな狙撃手であるスワガーの年齢をぐっと下げ、「テッド」のウォールバーグが精悍に熱演。長距離射撃のシーンや銃撃戦がリアルかつ迫力たっぷりに描かれ、ガンアクション好きに好評。結末は原作とやや異なりますが、全体的に痛快な仕上がりで大いに楽しめる作品に仕上がっています。監督は「イコライザー」シリーズのアントワーン・フークア。同じ原作のドラマ「ザ・シューター」も作られた。
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ザ・シューター/極大射程 あらすじ(ネタバレ)
アフリカの小国エリトリア。海兵隊の特殊部隊に所属する狙撃の名手ボブ・リー・スワガー(マーク・ウォールバーグ)は、相棒のドニーと岩山での偵察任務を遂行していた。そこへ武装車両の隊列が現れ銃撃戦がはじまる。応援を要請するが無線はつながらず、愛する妻を故郷に残してきたドニーが命を落としてしまう。
それから3年、軍隊をリタイアしたスワガーは、世間との縁を切り、ワイオミングの山中で愛犬のサムとひっそり暮らしていた。そんなある日、名誉勲章に輝く退役軍人アイザック・ジョンソン大佐(ダニー・グローヴァー)がやってきた。大佐は、全米各地を遊説する大統領に対し暗殺の動きがあるため、880ヤードに渡って敷かれる警戒網の外から狙撃を行う可能性のある場所を特定してほしいという依頼に来たのだった。
依頼を引き受けたスワガーは早速各地を検証、フィラデルフィアにある独立記念会館前の広場を割り出した。演説当日、スワガーは監視にあたり、アイザック大佐の指揮する部隊が犯人グループを取り押さえる手筈になっていた。演説がはじまり、極度の緊張の中、スワガーの監視スコープの中にライフルの先端が浮かび上がる。無線で突入の指示を出すが、ライフルは大統領に狙いをつけたまま微動だにしない。おかしいと思った瞬間、2発の銃声が響き渡る。1発は大統領に向かって、そしてもう1発は、スワガーの背後から彼に向かって放たれたのだった。しかも狙撃されたのは大統領ではなく、その隣にいたエチオピアの大司教だった。さらにその直後にスワガーは背後から警官に撃たれてしまい、辛うじて脱出に成功する。実はジョンソン大佐らは、はじめからスワガーを大統領暗殺犯に仕立て上げようとしていたのであった。
重傷を負いながらも、エリート海兵隊として積んだ経験や知識から厳重な警察やFBIの捜査網を突破し、スワガーはドニーの恋人だったサラを頼る。サラの協力を取り付けたスワガーは、現場で出くわしたFBIの新人捜査官ニック・メンフィスに連絡を取ろうとする。実は、メンフィスは独自捜査でスワガーが狙撃犯でないと確信しつつあったが、新人であることと変わり者扱いゆえに捜査チームから疎まれ、まともに相手にされていなかった。そのため、ジョンソン大佐らに目を付けられ、自殺に見せかけて殺されかけるも、スワガーに助け出される。陰謀の強大さにメンフィスは、スワガーと行動を共にすることを選択する。
その後、黒幕が大物上院議員のミーチャムであることや、死亡したと思われていた凄腕の狙撃手セルビアックが陰謀に関わっていることを知り、スワガーはメンフィスを観測手として訓練した後、セルビアックの家を襲撃する。制圧されたセルビアックはスワガーに、陰謀の原因はミーチャムが進めるアフリカでの油田開発にあること、その際に数々の村で虐殺を繰り返したこと、それを告発しようとしていた大司教が初めから狙いだったことを明かした上で、更に3年前にドニーを失った潜入作戦すらも、その石油利権が発端であったと話す。そしてセルビアックは自分も利用されているに過ぎないと自殺してしまう。
一方、スワガーが捕まらず苛立つジョンソン大佐は、サラの存在を知って部下のジャックに彼女を誘拐させていた。スワガーとジョンソン大佐は、ミーチャムらの犯罪の証拠となるセルビアックの録音音声とサラの交換を雪山で行なうこととし、大佐は部下を配置して迎え撃つ布陣をとる。だが、スワガーはそれら兵隊達を遠距離狙撃で殲滅し、サラを助け出すも、陰謀の大きさから証拠は自分で破棄した上でミーチャムらは見逃し、FBIに大人しく捕まる。
その後、一時収監されたスワガーは司法長官が主催した席上で自らの無実を証明し、さらにミーチャムやジョンソン大佐を告発する。しかし、証拠不十分で大佐を追い詰めることはできず、大佐は高笑いしながら場を後にする。後日、スワガーは山荘でミーチャムと大佐が談笑していたところを襲撃し皆殺しにした後、車で待っていたサラと逃げるところで物語は終わる。
ザ・シューター/極大射程 スタッフ
監督:アントワーン・フークア
脚本:ジョナサン・レムキン
原作:スティーヴン・ハンター『極大射程』
製作:ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ,リック・キドニー
製作総指揮:エリク・ハウサム,マーク・ジョンソン
音楽:マーク・マンシーナ
撮影:ピーター・メンジース・ジュニア
編集:コンラッド・バフ,エリック・シアーズ
製作会社:ディ・ボナヴェンチュラ・ピクチャーズ
配給:パラマウント映画,UIP
ザ・シューター/極大射程 キャスト
ボブ・リー・スワガー:マーク・ウォールバーグ
ニック・メンフィス:マイケル・ペーニャ
アイザック・ジョンソン大佐:ダニー・グローヴァー
サラ・フェン:ケイト・マーラ
ジャック・ペイン:イライアス・コティーズ
アローデス・ガリンドー:ローナ・ミトラ
ルイス・ドプラー:ジョナサン・ウォーカー
ハワード・パーネル:ジャスティン・ルイス
ラス・ターナー:テイト・ドノヴァン
マイケル・サンダー:ラデ・シェルベッジア
スタンリー・ティモンズ巡査:アラン・C・ピーターソン
チャールズ・F・ミーチャム上院議員:ネッド・ビーティ
ドニー・フェン:レイン・ギャリソン
ラサート司法長官:ブライアン・マーキンソン
ミスター・レート:リヴォン・ヘルム