ブラッド・ワークは、2002年公開のアメリカ合衆国の映画。FBI犯罪心理分析官が惨殺な猟奇連続殺人の真相に迫る戦慄のサイコ・サスペンス映画。ベストセラー小説『わが心臓の痛み』を原作に、脚本を「L.A.コンフィデンシャル」のブライアン・ヘルゲランドが担当した。
ブラッド・ワーク 映画批評・評価・考察
ブラッド・ワーク(原題:Blood Work)
脚本:30点
演技・演出:18点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計79点
心臓の移植手術を受けて社会復帰した元FBI分析官が、連続殺人犯との宿命の対決に挑む様子をスリリングに描いた刑事サスペンス!
人気スターのクリント・イーストウッドが、製作・監督・主演というひとり3役をこなし、マイクル・コナリーのベストセラー「わが心臓の痛み」の映画化に挑戦。元FBI分析官と連続殺人犯との対決を物語の軸にしつつも、単なる刑事アクションとは一線を画し、各登場人物の人間性をじっくりと浮き彫りにして、見応えのある人間ドラマに仕立て上げています。共演の実力派たち、「スピード」のジェフ・ダニエルズ、「アダムス・ファミリー」のアンジェリカ・ヒューストンも好演しています。
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ブラッド・ワーク あらすじ(ネタバレ)
FBIの捜査官テリー・マッケイレブは、彼宛てのメッセージを現場に残す連続殺人犯を追跡していたが、心臓発作を起こして倒れてしまい、犯人を取り逃がしてしまう。マッケイレブはFBIを退職し、心臓移植手術を待つことになる。
2年後、無事に移植手術を終えて退院したマッケイレブは、港のクルーザーに生活の拠点を移して生活していた。そこにグラシエラという女性が訪れ、妹がコンビニ強盗に巻き込まれて殺された事件の捜査を依頼する。マッケイレブは依頼を断ろうとするが、自分に移植された心臓が被害者のものだったことを知り、殺人によって自分の命が生かされたことに怒りを覚え、依頼を受け入れる。マッケイレブは市警のアランゴ刑事、ウォーラー刑事に協力を求めるが十分な協力が得られなかった。犯人像をプロファイリングして連続殺人犯であると睨んだマッケイレブは図書館で類似のATM強盗殺害事件を見つけ、その事件を担当している保安官事務所のウィンストン刑事を訪れる。かつてマッケイレブの手助けで女性でありながら出世を出来たこともあるウィンストンは快く協力を申し出て、必要な捜査資料を渡す。2つの事件の凶器は同じ拳銃であることが判明した。
マッケイレブは、隣のクルーザーで暮らすバディ(本名 ジャスパー・ヌーン)を運転手にして捜査を進める(マッケイレブは心臓手術から回復途上のため運転できなかった)。捜査資料を読み込んだマッケイレブは、事件現場や凶器が盗まれた場所などとの位置関係で容疑者リストから一人の容疑者ボロトフに目をつけ、彼を問い詰めるが逃げられてしまう。また、2つの事件現場からはいずれも被害者の身につけていたものが1つずつ消えており、犯人が持ち去ったのではないかと思われた。
捜査を進めるうちに、2つの事件の被害者は同じ希少な血液型でドナー登録していたこと、二人とも犯人から脳死状態にされていたことが判明し、マッケイレブは、犯人が同一犯で、自分に心臓移植をさせるためにドナーの二人を殺したと推理した。そんな中、容疑者の一人だったボロトフが死体で発見され、近くに2事件の凶器とみられる拳銃と、2つの事件現場から消えていた遺留品が見つかったことから、ボロトフが犯人で自殺したものとアランゴ刑事らロス市警は判断して事件解決を発表するが、マッケイレブはプロファイルに合わないので疑いを持ち続ける。
コンビニ強盗発生時の防犯ビデオを見直していたマッケイレブは、事件発生時刻と911通報の順序が矛盾することに気づき、911通報した人物が犯人であると判断する。そうなるとATM強盗殺人事件の目撃者であるロックリッジも疑われるが、マッケイレブの元にアランゴ刑事、ウォーラー刑事が現れ、三件目の殺人事件が発生したことを告げる。被害者は容疑者の一人だったロックリッジで、現場には「ハッピー・バレンタイン」の文字と、2年前の連続殺人犯が残したものと同じ数字が残されていた。再び現れた犯人を捜すマッケイレブは、グラシエラの甥が数字を見て「1の数字だけない」と言ったことが頭に残り、そこから数字の意味が「1がない=ノー・ワン(No One=Noone)」だと知り、ヌーンの元に向かう。ヌーンは犯行を認め、「昔のように自分を追い掛け回して欲しいから、二人を殺して心臓を提供した」と語り、同時にグラシエラとレイモンドを人質にしたことを告げる。
マッケイレブはヌーンを連れて、二人が監禁されている廃船に向かい二人を助け出すが、ヌーンに逃げられてしまう。マッケイレブは二人をクルーザーに乗せて逃がし、ヌーンと対決する。対決の末にヌーンを射殺したマッケイレブは、グラシエラと彼女の甥と三人で新しい人生を歩み出す。
ブラッド・ワーク スタッフ
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ブライアン・ヘルゲランド
原作:マイクル・コナリー『わが心臓の痛み』
製作:クリント・イーストウッド
製作総指揮:ロバート・ロレンツ
音楽:レニー・ニーハウス
撮影:トム・スターン
編集:ジョエル・コックス
配給:ワーナー・ブラザース
ブラッド・ワーク キャスト
テリー・マッケイレブ:クリント・イーストウッド
グラシエラ・リバース:ワンダ・デ・ジーザス
ジャスパー “バディ” ヌーン:ジェフ・ダニエルズ
ボニー・フォックス医師:アンジェリカ・ヒューストン
ジェイ・ウィンストン刑事:ティナ・リフォード
ロナルド・アランゴ刑事:ポール・ロドリゲス
ジョン・ウォーラー刑事:ディラン・ウォルシュ
レイモンド・トーレス:メイソン・ルセロ
ジェームズ・ロックリッジ:リック・ホフマン
ミカイル・ボロトフ:イゴール・ジジキン
コーデル夫人:アリックス・コロムゼイ
警部:グレン・モーシャワー
リポーター:ビバリー・リーチ