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ワールド・ウォーZ|人間を凶暴化させる未知のウイルスの感染原因を解き明かそうと、感染者と非感染者の死闘が繰り広げられる!

ワールド・ウォーZ
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ワールド・ウォーZは、2013年公開のアメリカ合衆国の映画。人間を凶暴化させる未知のウイルスの感染原因を解き明かそうと、感染者と非感染者の死闘が繰り広げられる世界各地を駆ける元国連捜査官の姿を、息詰まるタッチで描いた映画。小説『WORLD WAR Z』(2006年)の映画化だが、爆発的な感染力で人間がゾンビに変化して人類の存亡を危うくする設定以外は原作と同一な点は無く、映画と原作は全くの別物である。

ワールド・ウォーZ 映画批評・評価・考察


ワールド・ウォーZ(原題:World War Z)

脚本:32点
演技・演出:17点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計83点

2億ドルの製作費をかけ、旬のスタッフを起用した迫力ある映像とB級テイストを取り除いた真面目なゾンビ映画。ゾンビ映画にしてはスペクタル要素があり、イスラエルのゾンビが群れで壁を乗り越えてくるシーンなどは圧巻の映像だった。ゾンビ、アウトブレイク、28週後の影響を強く受けている作品で、それぞれの作品のエッセンスを上手く取り入れた脚本になっている。これが良くも悪くも映像以外では斬新さを感じないストーリーとなったように感じる。エロが無く、グロ要素を抑えることで、家族で見れるゾンビ映画となったのは新しいのかもしれない。

※日本では劇場公開に際し、本作がゾンビ映画であることは極力伏せる方針が取られ、「主人公がウイルスによる世界の終末的なパニックに立ち向かう」という内容が強調されて宣伝された。宣伝素材でのゾンビの呼称も、タイトルにちなみ、「Z」とされている。
※回収不能と思われた製作費以上の興行収入を得る。2013年8月2週目の週末付けで世界興行収入5億260万ドル(約490億円)を記録

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ワールド・ウォーZ あらすじ(ネタバレ)

フィラデルフィアに住む元国連職員ジェリー・レインは、妻カリンと長女レイチェル・次女コニーを学校に送るため自動車に乗っていたが、いつもとは様子の違う交通渋滞にはまってしまう。すると突如人々が車を放棄して逃げまどい始め、ただならぬ雰囲気を感じ取ったジェリーは同じように自動車を放棄し人々と共に逃れる。人間を狂暴化させる謎の疫病が世界各地で流行し始めており、フィラデルフィアの街はゾンビの大群に襲われていた。混乱の最中、ジェリーはゾンビに噛まれた男が12秒後にはゾンビと化し、人々を襲い始めるのを目撃する。

ジェリーは街を離れるが、携帯電話へ国連事務次長ティエリーから連絡が入り、現場への復帰を要請される。途中で出会った少年トミーとジェリーら一家の5人は、ティエリーが派遣したヘリコプターでニューヨーク沖の海上に浮かぶ米海軍艦隊の艦へ収容される。収容人数には限りがあり、民間人の避難民が地上の避難所へ移される中、家族らを安全な艦にとどめておくため、ジェリーは軍による作戦への参加要請を断りきれない。ジェリーは優秀な若きウイルス学者や特殊部隊員らとともに、最初にゾンビの情報を送ってきた韓国の米軍基地へと飛び立つ。

韓国の基地に到着したが、輸送機から降りる際にゾンビたちに襲われ、護身用に銃を持たされていたウイルス学者が足を滑らせたはずみで銃を暴発させてしまい死んでしまう。ジェリーらは基地の兵士に助けられ、兵士から話を聞く。医師と患者がゾンビ化し、他の患者に次々噛み付いてゾンビ化させるが、難を逃れた兵士がゾンビたちを焼き殺したという。また、武器を北朝鮮に横流ししていたCIAの元諜報員は、北朝鮮では「将軍様」の命で人民全員が歯を抜いたところゾンビに襲われずにすみ、イスラエルでは諜報員ユルゲン・ヴァルムブルンが事前にゾンビの情報を察知しエルサレムに高い壁を築いてゾンビが侵入するのを防いでいると語る。ジェリーらはイスラエルに向かい更なる情報収集を決意する。

ジェリーらはイスラエルに到着し、ユルゲン・ヴァルムブルンから話を聞く。ヴァルムブルンはインドから収集した「ゾンビが人を襲う」という内容の暗号を得ており(「ラクサシャと戦っている」という通信)、彼はそれが暗号内暗号ではなく事実だと結論づけ壁を築いたと言う。ジェリーが到着した時、イスラエルは仇敵のパレスチナ人を含めた避難民を積極的に受け入れていたが、避難民が歌い始めたイスラムの祈りを大音量のスピーカーで流したため外部のゾンビを刺激してしまう。音に引き寄せられた無数のゾンビが壁を越えてしまった。壁の内部はパニックになるが、ジェリーはここで不可解な現象に気づく。ある少年がゾンビの群れの中にいるにも関わらず、ゾンビはまるで少年がいないかのように素通りしていた。ジェリーは彼とともにいた女性兵士のセガンと共にゾンビに制圧されたエルサレムを民間機で後にする。

ジェリーは先ほど見た現象からゾンビ対策になりうるかもしれないアイデアを推論し、ウイルスの研究所に向かうことを決断する。だが機内に侵入していたゾンビが別室の客室を襲い始め、数を増やしたゾンビがジェリーらの客室への侵入を果たした。彼は手榴弾を投げつけ反撃する。爆発によって飛行中の機体に穴が開き、暴風によってゾンビたちは飛行機から次々に放出されるが同時に飛行機も制御不能となり墜落する。

ジェリーとセガンは墜落現場からウイルスの研究所へ向かう。 墜落の際に破片が腹部を貫いており、研究所の門で気を失ったジェリーは、研究所の所員に拘束されて目覚める。ジェリーは国連事務次長のティエリーを通して身元を証明し、ゾンビの対策について推論を述べる。ゾンビ化ウイルスは自身を死滅させる可能性のある致命的な病原体を保持する者には感染したがらず、従ってある病人はゾンビに襲われないはずだと結論付けたジェリーは、研究所に保管されている危険性の低いウイルスに自ら感染することを提案する。だが、どのウイルスがゾンビを寄せ付けないかまではまだ分からないうえ、ウイルスが保管されている区画は既にゾンビ化した所員がうごめいているという。

ジェリーとセガン、研究所の所長はゾンビが徘徊する区画に侵入する。ジェリーはウイルスが保管されている場所にたどり着くが、そこで一体のゾンビに気づかれてしまう。このままでは脱出もままならないと判断したジェリーは監視カメラを通して家族への遺言を伝え、一か八か適当なウイルスを自分に注射し、保管所のドアを開放する。ゾンビは、ジェリーの存在を認識していないように振る舞った。ジェリーが考えた対策は有効であることが示された。かくして、ジェリーはゾンビの群れの中を悠然とやり過ごし、先に脱出していたセガンらに迎えられ帰還を果たした。

ジェリーらは、難民キャンプに避難していた家族の下へ帰還し、再会を果たす。ジェリーの対策は実行に移され、ウイルスを無毒化したワクチンにより人々がゾンビをやり過ごせるようになる。軍隊によるゾンビの群れへの反撃も始まる。「ワールド・ウォーZ」はこれから始まるとジェリーは独白し、ストーリーは終わる。

ワールド・ウォーZ スタッフ

監督:マーク・フォースター
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン,ドリュー・ゴダード,デイモン・リンデロフ
原案:マシュー・マイケル・カーナハン,J・マイケル・ストラジンスキー
原作:マックス・ブルックス『WORLD WAR Z』
製作:ブラッド・ピット,デデ・ガードナー,ジェレミー・クライナー,イアン・ブライス
製作総指揮:デヴィッド・エリソン,デイナ・ゴールドバーグ,ティム・ヘディントン,グレアム・キング,ポール・シュウェイク,ブラッドフォード・シンプソン
音楽:マルコ・ベルトラミ
撮影:ロバート・リチャードソン
編集:ロジャー・バートン,マット・チェシー
製作会社:スカイダンス・プロダクションズ,ヘミスフィア・メディア・キャピタル,GKフィルムズ,プランBエンターテインメント
配給:パラマウント映画,東宝東和

ワールド・ウォーZ キャスト

ジェリー・レイン:ブラッド・ピット
カリン・レイン:ミレイユ・イーノス
スピーク大尉:ジェームズ・バッジ・デール
パラジャンパーの兵士:マシュー・フォックス
セガン:ダニエラ・ケルテス
元CIAエージェント:デヴィッド・モース
アンドリュー・ファスバック:エリス・ガベル
レイチェル・レイン:アビゲール・ハーグローブ
ブリット:ピーター・カパルディ
ティエリー:ファナ・モコエナ
ユルゲン・ヴァルムブルン:ルディ・ボーケン
ケリー:ルース・ネッガ
コンスタンス(コニー)・レイン:スターリング・ジェリンズ
ハビエル:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
艦長:デヴィッド・アンドリュース
ライアン:モーリッツ・ブライプトロイ
SEALリーダー:ジョン・ゴードン・シンクレア
C-130(米軍輸送機)のパイロット:グレゴリー・フィトゥーシ
旅客機のパイロット:ニコラ・ジュリコ

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