起終点駅 ターミナルは、2015年公開の日本映画。果ての街・釧路で人生の終わりへと向かっていたはずの男と女が出会い、孤独を分かち合い、そして再びそれぞれの人生の一歩を歩きはじめる感動の物語。佐藤浩市演じる主人公は、司法では罰せられない罪、誰にも裁いてもらうことのできない罪を抱えて生きる弁護士の鷲田完治。その鷲田と出会い、救われ、新たな人生に希望を見出していくヒロイン・椎名敦子役に本田翼が扮する。ほかに尾野真千子、中村獅童、和田正人、音尾琢真、泉谷しげるなどが出演する。
起終点駅 ターミナル 映画批評・評価・考察
起終点駅 ターミナル
脚本:30点
演技・演出:16点
撮影・美術:17点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計77点
『起終点駅 ターミナル』は、果ての街・釧路で人生の終わりへと向かっていたはずの男と女が出会い、孤独を分かち合い、そして再びそれぞれの人生の一歩を歩きはじめる感動の物語。原作は2013年に「ホテルローヤル」で第149回直木賞を受賞しベストセラー作家となった桜木紫乃が2012年に発表した「起終点駅 ターミナル」。6作からなる短編集の表題作の映画化です。
主人公は司法では罰せられない罪、誰にも裁いてもらうことのできない罪を抱えて生きる弁護士の鷲田完治。演じるのは名実ともに日本を代表する俳優、佐藤浩市。本作で第39回日本アデミー賞優秀主演男優賞、第40回報知映画賞主演男優賞を受賞している。鷲田と出会い、救われ、新たな人生に希望を見出していくヒロイン、椎名敦子役には本田翼。青春映画『アオハライド』で真っ直ぐに人を好きになる女子高校生を演じた彼女が本作では打って変わり、孤独を背負い人生に迷う女性というシリアスな役で女優として新しい一面をみせます。また、完治のなかに“過去の人”として、“愛した女性”として生き続ける結城冴子役に尾野真千子。ほか中村獅童、和田正人、音尾琢真、泉谷しげるなど実力派キャストが脇を固めています。そして全編を彩る音楽は、たおやかな情感で観客の心を包み込む小林武史。監督は『はつ恋』『深呼吸の必要』などみずみずしい感性で人間を描き続ける篠原哲雄。本作では、愛を失い、心を閉ざし立ち止まっていた男と女の楔が解かれ旅立つ姿を丁寧に描いていきます。
撮影は原作と同じく北海道・釧路にて1ヶ月以上にわたってロケを敢行。
愛した人と逢瀬を重ねた海沿いの街、その彼女が消えていった雪景色、裁判所へつづくゆるやかな坂道、そして駅から駅へどこまでも続く線路──。そんな北海道・釧路の美しく悲しく力強い情景とともに描かれる、今を生きる2人の男女の未来への一歩。その一歩はすべての人の始発駅になる。
本田翼の演技が大根との評判ですが、この映画については、むしろそれが良いのでは?
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起終点駅 ターミナル あらすじ
北海道の旭川で裁判官として働く鷲田完治(佐藤浩市)のもとに、学生時代の恋人だった結城冴子(尾野真千子)が被告人として現れる。彼女に執行猶予付きの判決を与えた完治は裁判後、冴子が働くスナックに通い逢瀬を重ねるようになるが、かつて愛し合った男と女の再会の時間は限られていた。2年の北海道勤務を終え、妻子の待つ東京へ戻る日が近づいていた完治だったが、彼はすべてを捨てて冴子と共に暮らしていこうと決める。けれど、冴子はその想いに応えることなく完治の目の前で自ら命を絶ってしまうのだった。
それから25年、完治は誰とも関わることなく釧路で国選弁護人としてひっそりと生きていた。それはまるで愛した女性を死に追いやってしまった自分自身を裁き罰を課すようでもあった。そんなある日、弁護を担当した若い女性、椎名敦子(本田翼)が完治の自宅を訪ねてくる。ある人を探して欲しいという依頼だった。個人の依頼は受けないと心に決めて生きてきた完治だったが、家族に見放され誰にも頼ることなく生きてきた敦子の存在は、ずっと止まったままだった完治の心の歯車を少しずつ動かしていく。敦子もまた完治との出会いによって、自分の生きる道を見出していくのだった。
そして、人生の終着駅だと思っていた釧路の街は未来へ旅立つ始発駅となり、2人それぞれの新しい人生が動き出そうとしていた。
起終点駅 ターミナル スタッフ
監督:篠原哲雄
脚本:長谷川康夫
原作:桜木紫乃
音楽:小林武史
主題歌:My Little Lover「ターミナル」
撮影:喜久村徳章
編集:阿部亙英
制作会社:デスティニー
製作会社:「起終点駅 ターミナル」製作委員会
配給:東映
起終点駅 ターミナル キャスト
鷲田完治:佐藤浩市
元裁判官の弁護士
椎名敦子:本田翼
孤独を背負い人生に迷う女性。
大下一龍:中村獅童
森山卓士:和田正人
大村真一:音尾琢真
南達三:泉谷しげる
結城冴子:尾野真千子
山田悠介,橋爪淳,岸博之,池田道枝,松熊信義 ほか