山猫は眠らない2 狙撃手の掟は、2002年公開のアメリカ合衆国の映画。民族浄化攻撃の責任を負うセルビアの将軍の暗殺を命じられた海兵隊の狙撃手と観測手を描く。「プラトーン」「メジャーリーグ」のトム・ベレンジャーが伝説のスナイパー、トーマス・ベケットを演じる「山猫は眠らない」の続篇。
山猫は眠らない2 狙撃手の掟 映画批評・評価・考察
山猫は眠らない2 狙撃手の掟(原題:Sniper 2)
脚本:29点
演技・演出:16点
撮影・美術:15点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計74点
ひたすらマニア向けに面白い映画を撮る方向性がはっきりしたシリーズ2作目。
ひとたびスコープに捉えたターゲットは決して外さない天才スナイパー、トーマス・ベケットを主人公にしたトム・ベレンジャー主演の秀作「山猫は眠らない」の9年ぶりとなる続編。孤高のスナイパーが抱えた孤独と、世界情勢を背景にした本格アクションとしてスマッシュヒットを記録した前作に続き、本作でも国家同士の権謀術数に翻弄され、駒のように扱われる兵士たちの悲哀をハード・アクションとともにスリリングに描いています。渋さを増したベレンジャー扮するベケットが見せるストイックな男の魅力とタフな活躍が見ものです。
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山猫は眠らない2 狙撃手の掟 あらすじ(ネタバレ)
かつて伝説の狙撃手といわれたトーマス・ベケット(トム・ベレンジャー)は既に海兵隊を疾病除隊となり、今ではハンターツアーのガイド役に成り下がり、森の外れの小さなトレーラーハウスにひっそりと暮らしていた。そんなベケットを、軍情報部のマッケナ大佐(リンデン・アシュビー)とCIAのエクレス(ダン・バトラー)が訪れた。
彼らの情報によるとバルカン半島で民族浄化の大義名分のもと、イスラム教徒の抹殺作戦が展開され始め、極めて危機的な状況が切迫しているという。マッケナたちはこの非道な作戦を阻止すべく、その首謀者で自称第23国防義勇軍の司令官として君臨するヴァルストリア将軍の狙撃指令を、ベケットに依頼する。現役を退いてはいるが今でもベケットの腕前がどんな現役のスナイパーよりも優秀であることを、軍もCIAも十分に承知していた。それにこの指令は非正規任務として扱われており、極秘の内に展開しなければならない密令だった。かねてから「死ぬなら海兵隊員で死にたい」と思っているベケットがこの任務に対して出した要求は、除隊前の上級曹長としての階級の復活だった。
任務遂行にあたり腕のいい観測員が必要だったが、そのパートナーとして死刑囚のジェイク・コール(ボキーム・ウッドバイン)が選ばれる。コールは腕のいい元陸軍のエリートスナイパーだったが、ある事件で連邦捜査官を殺害した男だった。もしヴァルストリア将軍の暗殺に成功すれば、コールは晴れて自由の身となることができるのだが、任務に失敗したり逃亡を企てれば、敵陣で処刑されるか死刑房へ逆戻り。どちらにしてもコールにとっては選択肢のない究極のミッションだ。コールは現地語も話せ、スナイパーとしての知識や資質も十分に備わっていた。ベケットはコールに「万が一捕まったときは?」と尋ねるとコールは即座に「何もしゃべらず、兵らしく死ぬまでだ」とベケットに言った。その答えこそが、まさに狙撃手の「掟」だった。ベケットとコールは、緊迫のバルカン半島へ向かう。彼らは早速現地の連絡員とコンタクトを取るために、指定された教会へ向かった。そこに現れたのは、美しい女性連絡員ソフィア。
ソフィアは二人をヴァルストリアが現れるはずの区域を見下ろす、政府庁舎の近くにある自分のアパートに連れて行く。翌朝、ベケットは標的を暗殺する。バルトリアの殺害によって都市は封鎖される。本来の脱出地点が危険になったので、コールとベケットは別の脱出案を見つけることを余儀なくされる。路面電車に乗り込んでいると近くにいた兵士たちが車を止めて二人を逮捕しようとするが、両名は路面電車を乗っ取ってパトカーに衝突させる。二人はすぐに路面電車から降りて、通りを走り抜ける。コールは捕らえられ、ヴァルストリアの部下たちがいわゆる「特殊な敵」を入れる刑務所に入れられるが、ベケットは逃げきる。
その夜、ベケットはソフィアと落ち合い、コール救出の計画を立てる。ソフィアの兄弟のゾランとヴォジスラフ(フェレンク・コヴァックスおよびバルナ・イリエス)の助けを借りて、翌日コールと仲間の囚人が処刑される刑務所へと運ぶトラックを足止めする。彼らは車列を待ち伏せし、コールと平和主義者で政治的反体制派のパヴェル(タマーシュ・プスカシュ)をトラックから運び出し、ゾランが運転してきたヴァンに載せる。コールはベケットにヴァルストリアの暗殺は自分を捕らえさせてパヴェルを刑務所から救い出し、セルビアから連れ出すために仕組まれたことだと認める。その夜、脱出地点に指定されたはずの廃工場で、一行は戦車と歩兵の待ち伏せにあう。ヴォジスラフとゾランはこの攻撃で死亡し、下水道を通って工場から脱出したベケットは、ソフィアにグループから離脱して去るように命じる。
工場から少し離れたところで、パヴェルは自分の友人であるナウザード(ゾルタン・セレス)が住むイスラム教徒の街、コムラに向かうことを主張する。
ナウザードと一行が会うと、ナウザードは一行を国境へと運ぶバスに載せることで手助けすると申し出る。数時間のうちに川を渡ったが、予期せぬ検問所に行き当たり、徒歩で二次脱出地点に向かうことになる。一方、マークス大尉(キャン・トゲイは3人が離れた直後のバスを捜索し、彼らがシマンドに向かったのではないかとの疑いをもつ。マークスはトラッカー(ベラ・ヤーキ)に特殊部隊をシマンドに連れて行くように命じる。
3人がシマンドに着くと、町の外の森で特殊部隊のチームに待ち伏せされ、パベルは腕の筋肉に軽い傷を負う。 3人がチーム全員を倒した後、彼らは町に入ることを余儀なくされる。トラッカーは町の工場に穴を開け、3人を狙撃する。ベケットはコールに自分がトラッカーを引き付けるので、パベルを脱出地点に連れ出すように命令する。コールは狙撃されて深手を負うが、ベケットが救出する。パベルトベケットが負傷したコールをヘリコプターに運び込んで飛び立ったその時に、マークス大尉率いるセルビアの援軍が到着する。ヘリコプターの中で、ベケットとパベルはコールの傷が酷いことに気が付く。コールは「自由だ!」と言い、傷に倒れる。
山猫は眠らない2 狙撃手の掟 スタッフ
監督:クレイグ・R・バクスリー
脚本:ロン・ミタ,ジム・マクレイン
製作:キャロル・コッテンブルック,スコット・アインビンダー
音楽:ゲイリー・チャン
撮影:デヴィッド・コンネル
配給:コロムビア・トライスター・ホームエインタテインメント
山猫は眠らない2 狙撃手の掟 キャスト
トーマス・ベケット上級特務曹長:トム・ベレンジャー
ジェイク・コール:ボキーム・ウッドバイン
パヴェル:タマス・プスカ
CIA職員ジェームズ・エックルズ:ダン・バトラー
ダン・マッケナ大佐:リンデン・アシュビー
ソフィア:エリカ・マロジャーン
ヴォジスラフ:バルナ・イリエス
ゾラン:フェレンク・コヴァックス
クリート:デニス・ヘイデン
マークス大尉:キャン・トゲイ
ミレ・ヴァルストリア:ペテル・リンカ
セルビア軍少尉:アコス・ホルヴァス
顔に傷のあるセルビア人狙撃手:ベラ・ヤーキ
セルビアの影法師:ラスツロ・アロン
囚人:リュカクス・ビクスキー
ナウザード:ゾルタン・セレス
トニー:タス・スゼレシ