イージー・ライダーは、1969年公開のアメリカ合衆国の映画。アメリカの真の姿を求め、自由な旅を続けた2人の若者の物語。反体制的な若者2人がコカイン密売で儲けた大金をタンクに隠し、真のアメリカを求めてオートバイで放浪の旅に出る二人のヒッピーを描いたもの。特にステッペンウルフによる主題歌「ワイルドでいこう!(BORN TO BE WILD)」が高い知名度を誇る。監督は俳優出身でこれが第一作のデニス・ホッパー。脚本は、製作を兼ねたピーター・フォンダとデニス・ホッパー、テリー・サザーンの共作。撮影はラズロ・コヴァックスが担当。全編に流れるニューロックを、“ザ・バンド”、“ステッフェンウルフ”、ジミー・ヘンドリックスなどが演じている。
イージー・ライダー 映画批評・評価・考察
イージー・ライダー(原題:Easy Rider)
脚本:34点
演技・演出:16点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:10点
合計83点
低予算作品ながら、それまでほとんど映画が取り上げてこなかった1960年代のニュー・カルチャー(ヒッピー文化など)をたっぷりと盛り込み、主題歌「ワイルドで行こう」をバックに疾走するチョッパーバイクのカッコよさなどが斬新で、公開当時、世界中の若者に熱狂的に支持された伝説的作品。ファッション面での影響も計り知れません。しかし、その根底にあるアメリカン・ドリームの崩壊、現代人の虚無感を見つめてこそ、この作品の価値は増します。その着想の鋭さとホッパーの型破りな演出は、まさに映画史を塗り替えた映画です。
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イージー・ライダー あらすじ(ネタバレ)
マリファナの密輸で大金を手にしたキャプテン・アメリカ(ピーター・フォンダ)とビリー(デニス・ホッパー)は、大型オートバイを買い、旅に出た。2人は、自由の国アメリカの幻影を求めて、フロンティア精神の母体、南部をめざし、気ままにオートバイを走らせた。
途中、一人のヒッピー、ジーザス(アントニオ・メンドザ)を同乗させた二人は、彼の案内でヒッピー村に入っていった。しかし、村の住人たちは、行動で自由を表現する2人を拒絶するのだった。
再び旅を続けた彼らは、ラスベガスで警察に留置されてしまった。それは、許可なしでパレードに参加しただけの理由だった。そこで知り合った酔いどれ弁護士ジョージ(ジャック・ニコルソン)と意気統合した2人は、彼をつれて謝肉祭を見物すべく、ニューオリンズへオートバイを走らせた。
3人は、マリファナを吸い、野宿をしながら旅を続けた。そんな3人を、保安官をはじめとする沿道の村人は悪口と殺意をもって迎えた。彼らを国境から出すまいとする村人はある夜、野宿をしていた3人を襲撃。キャプテン・アメリカとピリーはかろうじて逃げのびたが、ジョージは惨殺されてしまった。ジョージを失った2人は謝肉祭にも魅力を感じなくなり、娼婦を連れて墓地に行った。そこで、アメリカの保守性を呪訴し、自由がカケラも見当たらないことを悲しんだ。
やがて、オートバイで州境にさしかかった彼らに、2人の農夫が乗った1台のトラックが近づいて来た。何かをわめきながら、1人の農夫が発した突然の銃弾にオートバイごと転倒するビリー。後を追ったキャプテン・アメリカも、続いて発射された弾丸にオートバイと共に吹っ飛んでしまった。自由の国アメリカの真の姿を求めた彼らへの、これがファナティックな現実の返答だった。
イージー・ライダー スタッフ
監督:デニス・ホッパー
脚本:デニス・ホッパー,ピーター・フォンダ,テリー・サザーン
製作:ピーター・フォンダ
音楽:ザ・バンド,ザ・バーズ,ホーリー・モーダル・ラウンダーズ,ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス,ロジャー・マッギン,ステッペンウルフ
撮影:ラズロ・コヴァックス
編集:ドン・キャンバーン
配給:コロンビア映画
イージー・ライダー キャスト
ワイアット(キャプテン・アメリカ):ピーター・フォンダ
ビリー:デニス・ホッパー
ジョージ・ハンセン:ジャック・ニコルソン
ジーザス:アントニオ・メンドーサ
カレン:カレン・ブラック
ヒッチハイカー:ルーク・アスキュー
ジャック:ロバート・ウォーカー・Jr
リサ:ルアナ・アンダース
メアリー:トニー・バジル
コネクション:フィル・スペクター
牧場主:ウォーレン・フィナーティ
サラ:サブリナ・スカーフ