フェイクは、1997年公開のアメリカ合衆国の映画。FBIの潜入捜査官とマフィアの男、生きる世界の違う2人の男の友情と葛藤を描いた実話に基づく感動の物語。元FBI潜入捜査官だったジョゼフ・ピストーネがリチャード・ウーリーと共同で執筆した回想録『フェイク/マフィアをはめた男』(集英社文庫)を、「クイズ・ショウ」のポール・アナタシオが脚色。
フェイク 映画批評・評価・考察
フェイク(原題:Donnie Brasco)
脚本:34点
演技・演出:19点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計85点
実話としてのリアリティは、いまひとつなものの、アル・パチーノとジョニー・デップの演技はお見事でした。ただ、ジョニー・デップについては、今作の頃までの演技ができなくなるほどコミック俳優になってしまいました。ようするに色物俳優になってしまった事です。ファンの方には怒られそうですが、90年代の頃のジョニーの演技は、ナチュラルな感じと本人の魅力(人間的な)と映像から伝わる雰囲気もある俳優でした。次世代の俳優だとアル・パチーノからも認められていたのか、デップに一流俳優の背中を見せていたパチーノの演技は、本当に素晴らしいものでした。
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フェイク あらすじ(ネタバレ)
1978年、ブルックリン。FBI捜査官ジョー・ピストーネ(ジョニー・デップ)は囮捜査官として、マフィア組織に潜入することを命じられた。彼の潜入名はドニー・ブラスコ。マフィアとの接触を狙っていた彼が最初に近づいたのは、末端の気さくな男レフティ・ルギエーロ(アル・パチーノ)だった。当時、マフィアファミリーは、リトル・イタリーを拠点とするソニー・レッドの組と、ブルックリンを拠点とするソニー・ブラック(マイケル・マドセン)の組と、2つの組が対立して存在していた。後者に属していたレフティは、忠実に仕事はこなすものの運にはまるで見放され、ボスへの上納金に四苦八苦し、出世とは縁がない男だった。そんなシケた暮らしの中に現れたのがドニーで、レフティは聡明で行動力に溢れた彼との出会いに、諦めていた昇進の夢を再び抱くようになる。また、誠実な彼にドラッグに溺れる息子の姿を重ね合わせ、単なる弟分を超えた愛情を感じ始めていた。レフティは、ドニーを組の上層部に紹介したり、ことあるごとにマフィアの掟を教えるなど、親身に世話を焼く。そんなレフティを足掛かりに、ドニーが仕掛けた盗聴器やビデオテープは定期的にFBIに渡され、作戦は着実に成果を挙げていた。一方で、マフィアとして暴力に加担するなど、ドニーとジョーの2人の人間の境界線は少しずつ曖昧になっていく。たまに家に帰っても、娘たちは口をきいてくれず、妻のマギー(アン・ヘッチ)とは口論が絶えない。仕事の重責の中、彼の私生活の歯車は次第に狂い始めていた。FBIから、行き詰まったマイアミの囮捜査の協力を要請されたドニーは、儲け話を持ちかけてソニー・ブラック一行をマイアミへおびき出すことに成功。ソニーは廃れたバーを階層オープンして大金を掴もうとするが、開店当日に警察の手入れが入ってしまう。これらは全てFBIによって仕掛けられた罠だった。レフティは「警察が来るのが早すぎる。この中に裏切り者がいるはずだ」と指摘するが、誰もドニーを疑う者はいなかった。やがて、マイアミのボスを招待した客船が、かつてFBIが囮捜査に使ったものだとレフティに知られてしまう。彼はドニーに詰め寄るが、ドニーはうまく切り抜け、レフティも自分を慕う彼の言葉を素直に信じるしかなかった。2組のマフィア間の抗争は次第に激化し、ドニーの身の危険を感じたFBIは、マフィアからの撤退を勧告した。しかし、今、捜査を抜けることはレフティに死をもたらすことを意味する。自分を信じ、愛してくれるレフティを見殺しにすることは、ドニーにはできなかった。抗争に巻き込まれた彼が、今まさに引き金を引こうとした瞬間、FBIが突入。6年に及ぶドニーとレフティの生活にピリオドが打たれた。死を覚悟したレフティは、ドニーの妻に「彼に伝えてくれ。お前だから許せる」と告げ、夜の闇に消えた。その頃、ジョー・ピストーネはドニー・ブラスコとしての潜入捜査の功績をFBIから表彰されていたが、ついに彼とレフティの人生は交わることはなかった。
フェイク スタッフ
監督:マイク・ニューウェル
脚本:ポール・アタナシオ
製作:マーク・ジョンソン,バリー・レヴィンソン,ルイス・ディジャイモ,ゲイル・マトルー
製作総指揮:パトリック・マコーミック,アラン・グリーンスパン
音楽:パトリック・ドイル
撮影:ピーター・ソーヴァ
編集:ジョン・グレゴリー
配給:コロンビア ピクチャーズ,東宝東和
フェイク キャスト
“レフティー”ベンジャミン・ルッジェーロ:アル・パチーノ
ジョー・ピストーネ/ドニー・ブラスコ:ジョニー・デップ
“ソニー・ブラック”ドミニク・ナポリターノ:マイケル・マドセン
ニッキー・サントラ:ブルーノ・カービー
マギー・ピストーネ:アン・ヘッシュ
ポーリー・セルザーニ:ジェームズ・ルッソ
ティム・カーリー:ジェリコ・イヴァネク
ディーン・ブランドフォード:ジェリー・ベッカー
“ソニー・レッド”アルフォンゼ・インデリカート:ロバート・ミアノ
“ブルーノ”アンソニー・インデリカート:ブライアン・タランティーナ
“リッチー”リチャード・ガッツォ:ロッコ・シスト