GODZILLAは、1998年に公開されたアメリカ合衆国の映画。日本の東宝が創造・所有するキャラクター「ゴジラ」に基づいて製作された。日本での通称は「トライスターゴジラ」「エメリッヒ版」など。2014年の『GODZILLA ゴジラ』製作以前は単に「ハリウッド版」や「アメリカ版」と称されていた。日本映画のスターであり、世界的な人気を誇る映画キャラクターでもあるゴジラをハリウッドが製作するということから、発表当時は世界的に取り上げられた。日本でのキャッチコピーは「人類に打つ手は無い」、アメリカでは“Size Does Matter”(巨大さ それが 度肝を抜く)。
GODZILLA 映画批評・評価・考察
GODZILLA(原題:Godzilla)
脚本:28点
演技・演出:16点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計77点
予告編が素晴らしい出来映えで、日本でも大ヒット。僕も公開当時劇場で見ました。公開当時は、ゴジラファンからゴジラじゃないと酷評されたりしてましたが、ゴジラじゃないけど、パニック映画としてはよくできているという評価も得ていました。そのあたりは、さすがエメリッヒ監督。怪獣映画というより、ロスト・ワールド/ジュラシック・パークに近い描写や演出になると思います。後に再リメイクされるまでは、ハリウッド版ゴジラとして、長く評価されていた作品でした。
ゴジラが姿(全体像)を見せるまでは、本当によくできているんです。なかなか全体像が分からないというこのゴジラの演出は、後の多くの映画に影響を与えた演出になります。スリリングな展開や迫力は素晴らしいと思いました。
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GODZILLA あらすじ(ネタバレ)
南太平洋で、日本の漁船が謎の生物に襲われ沈没する事件が起きる。某保険会社から派遣されたと語る男、フィリップ・ローシェは唯一の生存者となった老船員から何を目撃したかを問い出し、朦朧としながらも恐怖に慄いた言葉で「ゴジラ」という名が紡がれる。
翌日のチェルノブイリにて、放射線による生物への影響を調査していた生物学者のニック・タトプロスは米国務省からの要請でパナマへと向かう。半ば強引に被災地の調査チームに編入されたニックは畑違いと訝るが、そこで巨大な生物の足跡を目の当たりにし、驚愕する。続いてジャマイカや大西洋でも貨物船や漁船が次々と襲われる。
ニックは各地に残された巨大な足型や、座礁したタンカーに開けられた横穴と残された肉片などから、“フランスがポリネシア近海で長年行なっていた核実験の結果として、新種の生物が誕生した”との仮説を立てる。フィリップもまた、ジャンと呼ぶ部下たちを引き連れて現場に残された爪痕を確認し、その新種こそ一連の事件を起こした“ゴジラ”だと確信する。
互いに面識を持たないニックとフィリップが“ゴジラ”の追跡を開始した矢先、ニューヨークに未知の巨大生物が上陸し、人々は突然降って湧いた恐怖に逃げ惑う。ニックはその知識を米軍に買われ、米軍が行なうゴジラ退治に力を貸すが、単為生殖で増えるとのニックの主張を米軍が一笑に付したことや、極秘扱いの日本船員への目撃ビデオがニックの元恋人のオードリーを介して公開されたことから、米軍はニックを追放する。行き場を失ったニックは、フィリップに連れ去られ、フランスが行なうゴジラ退治作戦に協力することを決意する。
マディソン・スクエア・ガーデンにゴジラの巣があることを発見したニックらは、200個もある卵を爆破しようとするが爆薬が足りず、しかもすでに卵は次々とかえり始め、ニックら人間も捕食対象として追いかけ回す。外への出口が八方塞がりの中、オードリーの発案で彼女の働くテレビ局に割り込みをかけスタジアムからの生中継を行ない、大量の幼獣がまさに街中に飛び出す寸前の危機的状況であることが米軍に伝わる。
一方、成獣の方は巣探しをしていたニックらの目の前に姿を現した後、地上に出て、セントラルパークへと導いてから一気に攻撃しようとする米軍の意図に反して、ハドソン川に逃げ込んでしまう。そこへ待ち構えた潜水艦隊が魚雷で攻撃し、ついにはとどめを刺したと勘違いする。さらに米軍は、スタジアムをF18で攻撃し、幼獣に対して壊滅的打撃を与え、ニックらはすんでのところで外に逃げ切る。
安心したのもつかの間、成獣は生き延びており、幼獣を殺された怒りに燃えてニックらを乗せたタクシーを追って街中を追い回す。一度はトンネルに逃げ込み、事なきを得たものの、とどめを刺すにはブルックリン橋まで誘い出さねばならぬと米軍からの指令が届き、フィリップが運転するタクシーは同所に向かい、まんまとおびき出されたゴジラはF18のミサイル12発の命中によりついには絶命する。
オードリーはスクープをものにしたことでかねてから不満の種だった上司に意趣返しをし、ニックとの仲を深める。カメラマンのビクターはフィリップに肝心の撮影テープを抜かれるが、ニックからテープはいずれ返却されると伝えられる。街中もゴジラ退治の報せに沸き返るが、スタジアムの中では爆炎を免れた卵から密かに新たな幼獣が孵化していた。
GODZILLA スタッフ
監督:ローランド・エメリッヒ
脚本:ディーン・デヴリン,ローランド・エメリッヒ
原案:テッド・エリオット,テリー・ロッシオ,ディーン・デヴリン,ローランド・エメリッヒ
製作:ディーン・デヴリン
製作総指揮:ウィリアム・フェイ,ウテ・エメリッヒ,ローランド・エメリッヒ
音楽:デヴィッド・アーノルド
撮影:ウエリ・スタイガー
編集:ピーター・アマンドソン,デイヴィッド・シーゲル
製作会社:セントロポリス・エンターテインメント
配給:トライスター ピクチャーズ,東宝
GODZILLA キャスト
ニック・タトプロス博士:マシュー・ブロデリック
主人公の生物学者。ミミズを研究していたため、あだ名は「ミミズ男」。チェルノブイリ原子力発電所周辺で放射線が生物に与える影響を調査していた。その後軍からの要請で、ゴジラに関する対策プロジェクトに巻き込まれることとなる。その生態を研究しているうちに、ゴジラの繁殖力の危険性を発見する。タトプロスという名前を劇中幾度も間違えられている。
オードリー・ティモンズ:マリア・ピティロ
駆け出しのジャーナリスト。学生時代のニックの恋人であったが、テレビリポーターになる夢を叶えるべくニックの元を去る。同僚であるパロッティ夫妻と行動を共にし、ゴジラ襲撃をきっかけにニックと再会する。
ビクター・パロッティ:ハンク・アザリア
通称「アニマル」。オードリーやルーシーたちの同僚でカメラマン。ルーシーの夫だが恐妻家。怖いもの知らずでゴジラの姿を最初に映像に収めることに成功した。後にオードリーと共にゴジラの巣を発見することになる。
フィリップ・ローシェ:ジャン・レノ
表面上はゴジラによる破壊の被害を調査する保険調査員を装うフランス対外治安総局の諜報員。プレスリーの映画で覚えた南部訛りを得意とする。ニックを信じ、仲間を率いてゴジラとの戦いに挑む。ニックが発見したマジソン・スクエア・ガーデンのベビーゴジラの卵を駆除するよう協力する。
アレキサンダー・ヒックス大佐:ケヴィン・ダン
米軍の対ゴジラ部隊指揮官。ゴジラを確実に倒そうとする余り、反発する市長にも強気な言葉を浴びせる。
オリバー・オニール軍曹:ダグ・サヴァント
ヒックスの部下の1人。対ゴジラ部隊で前線指揮を担当するが、まだ経験が浅く、少々頼りない性格。ニックとは気が合い、ゴジラとの戦いの中で親交を深め、終盤では無線越しでニックに指示を送る。
エルシー・チャップマン博士:ヴィッキー・ルイス
ゴジラの研究のために呼ばれた古生物学者で、ゴジラの正体を恐竜の生き残りであると主張する。ニックに気があり、「可愛い」と評している。気は優しいが社交性に乏しいという、当初のシナリオとは異なる性格となった。
ルーシー・パロッティ:アラベラ・フィールド
アニマルの妻でオードリーの同僚。夫に対してかなり強権的な態度をとるが、愛情は深い。
チャールズ・ケイマン:ハリー・シアラー
テレビリポーターでテレビ局のメインキャスター。部下のオードリーをこき使う嫌味な上司。妻がいるが、オードリーを自宅に呼ぼうとする。オードリーが掴んだゴジラのネタを横取りした上に、「ゴッドジラ」と誤読、さらにニックの姓を「パパドプラス」と呼び間違える醜態を演じている。
エバート市長:マイケル・ラーナー
ニューヨーク市長。選挙運動中にゴジラに襲撃されるが、ゴジラ退治より自身の市長選のことを心配している。甘い物が好きだが、医者に止められている。短気で、補佐官のジーンに何かと当たり散らしているが、クライマックスで彼がいないと何も出来ないという本音を漏らした。モデルはエメリッヒの映画を酷評することの多い映画評論家のロジャー・イーバート。
メンデル・クレイブン博士:マルコム・ダネア
ゴジラ研究のために呼ばれた科学者。エルシーの助手。慢性鼻炎をこじらせており、すぐにくしゃみをする。
ジーン:ロリー・ゴールドマン
エバート市長の側近。常にエバートに対してゴマを擦って機嫌を取る態度で接していたが、クライマックスでゴジラを倒した手柄すら独り占めして市長選に利用しようとしたエバートの自己中心的さに愛想を尽かして彼の下を去る。モデルは、ロジャー・エバートと2人で映画番組の司会者を務めていた映画評論家のジーン・シスケル。
ジャン=リュック:クリスチャン・オバート
ジャン=クロード:フィリップ・バーロゲン
ジャン=ピエール:フランク・ブリュンブロック
ジャン=フィリペ:フランソワ・ジロディ
フィリップの部下たち。フィリップ、ニックと共にマジソン・スクエア・ガーデンのベビーゴジラの卵の駆除に向かう。ピエールとフィリペは爆破作業中に卵から孵ったベビーゴジラに逃げ遅れたところを襲われ、その場から脱出したリュックとクロードも、群れを閉じ込めるための館内封鎖で別行動中に襲われてしまう。
コック:ロイド・キノ
日本の漁船「小林丸」船長:トシ・トダ
漁労長:クライド・クサツ
船員:加藤雅也(マサヤ・カトーとして)
小林丸の乗組員たち。冒頭、ゴジラに襲撃され老船員以外の他の船員は全員死亡する。