ヒドゥンは、1987年にアメリカ合衆国で公開されたアクションホラーSF映画。第16回アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭(現:ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭)グランプリ受賞作品。アメリカのロサンゼルスで連続凶悪殺人事件が発生し、この奇怪な事件を追うロス市警刑事の前に現れた奇妙なFBI捜査官との捜査劇や、その裏に隠された真実を描く。1993年には、続編『ヒドゥン2』が別スタッフによりテレビ映画として製作された。
ヒドゥン 映画批評・評価・考察
ヒドゥン (原題:The Hidden)
脚本:35点
演技・演出:16点
撮影・美術:16点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計81点
遊び心溢れるSFアクション映画。
ロックでド派手、スポーツカー好きの悪者宇宙人と真面目で純粋な善玉宇宙人が人の姿を借り、対決する内容。派手なカーアクションと銃撃戦から始まり、ラストも衝撃的な展開と最後まで楽しめる完成度の高い作品。
ロボコップを抑え、1988年のアヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞。
僕の好きなダニー・トレホが、一瞬だけ出演していて一言叫んですぐぶっ殺されるので探してみてください。
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ヒドゥン あらすじ(ネタバレ)
犯罪と欲望の街ロサンゼルスで、物静かな紳士が突然、白昼堂々と強盗殺人を犯し逃亡するという事件が発生した。ロス市警のトム・ベック刑事は激しいカー・チェイスの末に彼を撃ち倒し、重症を負わせ病院に収容した。そんな時、ベックの前にFBIのロイド・ギャラガーと名乗る男が現れる。
その頃、病院に収容されたデヴリーズの口から謎の生き物が吐き出され、同室のミラーの体に乗り移り、今度は身動き1つできない重態患者であった彼が犯罪を繰り返してゆく。この凶悪事件の原因こそが、この人間の口から口へと乗り移りその体を乗っ取るエイリアンの仕業だったのだ。
事件が進展してゆくにつれ不審の念を深めるベックにギャラガーは、自分こそがこのエイリアンと同じ仲間で、自分の妻子を殺された復讐に長年それを追い続けているのだと告白するが、ベックにはとても信じることができない。
その間にもエイリアンは、警官の攻撃で体がズタズタになるたびに他の者へと乗り移り、ミラーからストリッパーのブレンダへ、ベックの上司マスターソンの愛犬を通して彼の体へ、そしてベックの同僚ウィリスへと体を換えてゆきついには次期大統領候捕ホルトへと乗り移ってゆくのだった。マスターソンとギャラガーの会話から彼の告白を信じるに至ったベックは、後の全てをギャラガーに任せホルスの銃弾に倒れる。
そして、ギャラガーはホルスを火だるまにして、彼の持つ謎の銃でエイリアンを撃ち破壊するのだった。復讐を遂げたギャラガーは、自らを犠牲にすることによりベックに新たな生命を吹き込み、息絶えてしまうのだった。
ヒドゥン スタッフ
監督:ジャック・ショルダー
脚本:ボブ・ハント
製作:ロバート・シェイ,マイケル・メルツァー,ジェラルド・T・オルソン
製作総指揮:スティーヴン・ダイナー,リー・ミュール,デニス・ハリス,ジェフリー・クライン
音楽:マイケル・コンヴェルティーノ
撮影:ジャック・ヘイトキン
編集:マイケル・クニュー
配給:ジョイパックフィルム
ヒドゥン キャスト
トム・ベック:マイケル・ヌーリー
主人公。ロス市警の叩き上げの刑事。妻と娘の3人家族。ギャラガーが語る真実を受けいれられず困惑するが、即席コンビを組み一連の事件を追っているうちに友情が芽生える。
ロイド・ギャラガー:カイル・マクラクラン
FBI捜査官。シアトルの連続殺人犯を追い、ロスにやってくる。エリートの生真面目な青年だが、常識がところどころ欠けた浮世離れした面をもつ。実はギャラガー本人はシアトルでの事件を捜査中に、山火事で死亡しており、異星人がギャラガーとは別人の遺体に乗り移ってギャラガーの身分証を利用し、異星人の世界の犯罪者を追跡している。アルタリア星人で元来の名前はアルハーグ。
ジャック・デヴリーズ:クリス・マルケイ
温和な紳士だったが、異星人に寄生され、突如フェラーリとヘヴィメタルを偏愛する連続強盗殺人犯となる。劇中では本編開始時から既に数多くの犯罪を重ねており、銀行強盗をした後、黒のフェラーリで逃走。ベックら警官隊のバリケードを突破しようとした際に重傷を負い、搬送先の病院でジョナサン・ミラーに乗り移った後死亡する。異星人は、異星人の世界での犯罪者で、ギャラガーに乗り移っている異星人の妻子を殺害、逃亡の末、地球に来た。以降、この異星人は寄生体を乗りかえつつ、シアトルからロスへと逃亡する。
ジョナサン・ミラー:ウィリアム・ボイエット
デヴリーズの搬送先の病院で同室となった重病人。重篤状態だったにもかかわらず、異星人に乗り移られた後、超人的な殺戮を繰り広げる。町に出て最初に立ち寄ったレコード店でカセットテープを万引きし、それを咎めた店長を撲殺。店にあった売上金とラジカセ、護身用の小型拳銃を奪い取る。次に車販売店で店長と客を殺害し赤いフェラーリを強奪する。その際、フェラーリの持ち主になる予定だった客、マイケル・バックレーの財布を奪い、彼の職場であるアンカー貿易のオフィスを探し当て、隠してあった銃器一式を手に入れる。この辺りからジョナサン・ミラーの体は限界が来始めたのか、異星人の触手らしきものが腕からはみ出てくるようになるが、ガムテープで補強して難を逃れる。最後に立ち寄ったストリップバーで、ブレンダというストリッパーに異星人が乗り移ったため死亡した。
ブレンダ・リー:クローディア・クリスチャン
ストリッパー。追い詰められたミラーの体から脱出した異星人に、新たな宿主として逃げこまれてしまう。凶悪犯ミラーを追ってパトカーで駆け付けた警官隊と壮絶な銃撃戦を行いその後ギャラガー&ベックのコンビにマネキン工場屋上まで追い詰められ最後は自ら屋上より転落し死亡する。若い女性の体に寄生するのは初めてだったらしく、その際異星人は面白がって女性特有の肉体や服装などを色々と試している。
ジョン・マスターソン:クラレンス・フェルダー
ベックの上司。異星人の避難先となった愛犬を通じ寄生され、ギャラガーを懐柔しようとする。皮肉にもこの会話が、ベックがギャラガーを信じるきっかけとなった。
クリフ・ウィリス:エド・オロス
ベックの相棒。警察署内にてギャラガーとベックの追撃から逃れたマスターソン部長に寄生していた異星人に寄生される。
ホルト上院議員:ジョン・P・マッキャン
次期大統領候補。異星人に最終的な逃亡先として狙われる。
エド・フリン警部補:クルー・ギャラガー
ベックの上司。
サンチェス:リチャード・ブルックス
ベックの同僚。異星人の乗り移ったマスターソンに撃たれる。警察オフィス備え付けのゴミ箱への3ポイントシュートが得意。
ブレム:ラリー・セダー
ベックの同僚。二度に渡りベックに仕事を強引に押し付けられる。実は同僚思いの優しい人物。
バーバラ・ベック:キャサリン・キャノン
ベックの妻。夫が自宅に招いたギャラガーを手料理で饗す。
車のセールスマン:ジェームズ・ルイジ
マイケル・パックリー(車販売店の客):フランク・レンズリ
囚人:ダニー・トレホ
キャロル・ミラー:リン・シェイ
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