アイアンマンは、2008年公開のアメリカ合衆国の映画。軍需産業の経営者で発明家でもある主人公が、自社兵器の悪用を食い止めるため自ら開発したハイテクの鉄鎧を身に纏い、凶悪一味に立ち向かうマーベル・コミックの人気キャラクターを実写映画化したSFアクション。MCUのフェーズ1の最初の作品として、2008年4月14日にシドニーでプレミア上映され、5月2日に米国で公開された。興行収入は5億8,500万ドルを超え、2008年の興行収入の第8位となった。本作は批評家から高い評価を受け、特にダウニーの演技が高く評価された。また、第81回アカデミー賞では、音響編集賞と視覚効果賞の2部門にノミネートされた。2010年には『アイアンマン2』、2013年には『アイアンマン3』の2作の続編が公開されている。
アイアンマン 映画批評・評価・考察
アイアンマン(原題:Iron Man)
脚本:38点
演技・演出:18点
撮影・美術:18点
編集:9点
音響・音楽:8点
合計91点
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の記念すべき第一作でアベンジャーズシリーズに繋がる作品でもあります。MCUの映画については、ファンが多く生まれたシリーズですが、アンチも多く存在します。僕自身は、当たりはずれがかなりあると思っています。面白いと思う時もあれば、脚本のバカバカしさから冷めて感じる時もあります。その中でアイアンマンは、一番好きなキャラクターで今作と3作目は傑作といっていいほど面白い作品でした。アイアンマンことトニー・スタークを演じるロバート・ダウニー・Jrも薬物依存から復活し、かつてより輝きを放つ大スターになりました。
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アイアンマン あらすじ(ネタバレ)
巨大軍需産業“スターク・インダストリーズ”の社長であるトニー・スタークは、自身が開発したクラスターミサイル“ジェリコ”のプレゼンテーションの為に、アフガニスタンにいる親友のジェームズ・“ローディ”・ローズ率いるアメリカ空軍を訪問した。しかし、車で移動中にテロ組織“テン・リングス”がトニーを襲撃、助けを呼ぼうとするトニーにミサイルを撃つ。命中の瞬間、トニーはミサイルに刻まれた自社のロゴマークを目撃し、爆風で吹き飛ばされ意識を失う。
気がつくと、トニーはテン・リングスの拠点である洞窟に拉致されており、胸には車載用バッテリーに繋がった電磁石が取り付けられていた。爆発の際飛び散ったミサイルの破片がトニーの心臓周辺に突き刺さり、電磁石で破片を引き留めておかなければ1週間で命を落とすという。テン・リングスの拠点には横流しされたスターク社製の武器が所狭しと並んでいた。トニーは解放の条件としてジェリコの組み立てを強要される。
やむなくトニーは、同じく捕虜で彼に電磁石を取り付けて救命措置を施したホー・インセン博士と一緒にエネルギーを生み出す熱プラズマ反応炉“アーク・リアクター”の小型版を、ジェリコ製作に見せかけて開発する。胸に接続して生命維持を可能にする小型アーク・リアクターを完成させたトニーは、続いてアーク・リアクターと連動するパワードスーツ“マーク1”を開発。インセンが自らの命を引き換えにして時間を稼ぎ、その間にアーマーを起動させたトニーは、圧倒的なパワーでゲリラを退けて脱出した。その後、マーク1が壊れてアフガニスタン辺境の砂漠に墜落したトニーは、ローディ率いる米軍の捜索隊に保護されてアメリカに帰還した。
トニーは自社製品がゲリラの手に渡り、それが人命を目の前で奪った事から、帰国後の記者会見で軍需産業からの撤退を宣言する。スターク社副社長のオバディア・ステインが役員会でトニーの解任要求を提出するも、彼は犯罪者やテロリストと戦うために私費と技能を投じて新たなアーマーの開発に着手した。試作品の“マーク2”を経て完成品のマーク3”を完成させ、トニーはローディや秘書のペッパー・ポッツ以外の誰にも正体を明かさず、1人でテン・リングスとの戦いを始める。
だが、トニーは自身が撃退したゲリラが、軍需産業からの撤退を宣言したはずのスターク社製の兵器を未だに使用していることに、社内の誰かがゲリラに内通し、裏で私腹を肥やしていると睨む。トニーの指示を受けたペッパーが内偵した結果、ペッパーはスターク社の乗っ取りを目論むオバディアがテン・リングスと繋がっていることを掴み、以前から自身に接触してきていた戦略国土調停補強配備局の捜査官、フィル・コールソンと共にオバディアの計画を阻止するため、行動を開始する。
トニーとペッパーに計画を知られたオバディアは、トニーへの復讐に燃えていたゲリラ達が回収したマーク1の残骸を元に自分用のパワードスーツ“アイアンモンガー”を開発する。またトニーを不意打ちし、彼の胸部のアーク・リアクターを彼が死ぬと分かって持ち去った。トニーは瀕死の中、マーク1で使用した旧型のアーク・リアクターを装着し復活。暴れまわるオバディア/アイアンモンガーに戦いを挑み、会社にある巨大なアーク・リアクターのエネルギーをオーバーロードさせて撃退する。
この事件を機に、謎のアーマーを着たヒーローはマスコミにより“アイアンマン”と名付けられ、一躍有名になっていた。マスコミからの記者会見でトニーは、ローディやコールソンの「正体を秘密にするように」との要請をあえて断り「私がアイアンマンだ」と公表し、彼は社長としてだけではなくスーパーヒーローとしても一躍有名になるのだった。
その後、S.H.I.E.L.D.の長官、ニック・フューリーが、トニーを訪ね「君にアベンジャーズの話をしに来た」と告げる。
アイアンマン スタッフ
監督:ジョン・ファヴロー
脚本:マーク・ファーガス,ホーク・オストビー,アート・マーカム,マット・ホロウェイ
製作:アヴィ・アラ,ケヴィン・ファイギ
製作総指揮:ルイス・デスポジート,ピーター・ビリングスリー,アリ・アラド,スタン・リー,デヴィッド・メイゼル
撮影:マシュー・リバティーク, ASC
プロダクション・デザイナー:J. マイケル・リーヴァ
編集:ダン・リーベンタール, A.C.E.
視覚効果 & アニメーション:インダストリアル・ライト&マジック,スキャンラインVFX
視覚効果スーパーヴァイザー:ジョン・ネルソン
音楽スーパーヴァイザー:デイヴ・ジョーダン
音楽:ラミン・ジャワディ
製作会社:マーベル・スタジオ
配給:パラマウント・ピクチャーズ,ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
アイアンマン キャスト
トニー・スターク / アイアンマン:ロバート・ダウニー・Jr
スターク・インダストリーズのCEOである大富豪の天才発明家にして慈善家。無類の遊び人でもある一方、軍需産業で世界平和の実現を望んでいた。だがスターク社製兵器が、悪用されていた事実を目のあたりにし、価値観を改め、償いと真の世界平和のために、自らパワードスーツを身に纏って、兵器を悪用する輩と戦うことを決意する。
ジェームズ・“ローディ”・ローズ:テレンス・ハワード
スターク社とのパイプ役を担当する、アメリカ空軍武器開発部の中佐。トニーとは互いに「偉大な師であり長年の友人」・心を許せる親友として認め合う仲であり、トニーが彼がパワードスーツを用いて活動していると知ってからは、自身の立場を活かしてサポートする。
オバディア・ステイン / アイアンモンガー:ジェフ・ブリッジス
スターク・インダストリーズの重鎮にしてNo.2。ハワード・スタークの盟友で、スターク社の創設期から経営に尽力し、ハワードの死後は暫定的にCEOも務め、トニーにCEOの座を譲渡してからは取締役会の一員となり、トニーを支えてきた。だがトニーを追い落としてスターク社を完全に掌握しようと密かに狙う野心家でもあり、テン・リングスへ彼の殺害依頼とスターク社製兵器の横流しを行ない、やがて自分専用のパワードスーツ“アイアンモンガー”を製造させ、トニーに挑む。
ペッパー・ポッツ:グウィネス・パルトロー
トニーの秘書。本業とトニーの身の回りの世話まで難なくこなし、トニーを異性として意識している素振りを見せるが、周囲の目が気になって“社長と秘書”の関係から発展できずじまいである。トニーがパワードスーツを装着して戦い始めると不安を覚えるも、彼のサポートの依頼を渋々了承する。
クリスティン・エヴァーハート:レスリー・ビブ
雑誌“ヴァニティ・フェア”の女性記者。トニーにインタビューするほか、スターク社とテン・リングスの不正取引を突き止める。次回作の『アイアンマン2』にも登場する。
インセン:ショーン・トーブ
アフガニスタン人の著名な外科医兼物理学者で、1999年の年末にベルンの技術会議でトニーと顔を合わせている(当時トニー本人は酔い潰れており、このことを覚えていない)。嘗てグルミラで家族と共に暮らしていたが、テン・リングスの襲撃によって家族を失い、自身は捕虜となってしまい、後に同じ捕虜となったトニーの命を救った。そしてゲリラに屈しかけたトニーを奮起させ、自らの命と引き換えに彼の脱出を手助けする。
ラザ:ファラン・タヒール
テン・リングスの支部のリーダーで、鋭い目つきとスキンヘッドが特徴。裏で繋がっているオバディアの依頼でトニーを拉致し、トニーにジェリコの開発をさせて、利用しようと目論む。
フィル・コールソン:クラーク・グレッグ
戦略国土調停補強配備局(S.H.I.E.L.D.)のエージェント。アフガニスタンから生還したトニーに興味を持って、彼に何度かコンタクトしようとする。
J.A.R.V.I.S.の声:ポール・ベタニー
ハロルド・“ハッピー”・ホーガン:ジョン・ファヴロー
トニーの運転手兼ボディガードを務める男性で、トニーやペッパーとは親しい間柄である。ロールスロイス・ファントムを運転してトニーをサポートするが、登場シーンや台詞は次回作以降に比べて少ない。
アレン少佐:ティム・ギニー
アメリカ軍少佐。紛争地域上空に飛んでいたトニーを不審機と誤認し、F-22編隊に攻撃を指示してしまう。
パーティーの男:スタン・リー
消防士家族基金の慈善イベント会場であるウォルト・ディズニー・コンサートホールの入り口前にいた老人。
ニック・フューリー:サミュエル・L・ジャクソン
戦略国土調停補強配備局(S.H.I.E.L.D.)の長官。左目に付けたアイパッチと、身に纏った黒い革のロングコートがトレードマーク。
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