ブルーサンダーは、1983年に製作されたアメリカ合衆国の映画。マシンガンや最新テクノロジーを装備した世界最強のヘリコプター《ブルーサンダー》の活躍を描く、パワフルなスカイバトルアクション。実際にLAでロケした空中戦は圧巻。タイトルの“ブルーサンダー”は、登場するヘリコプターの名前である。公開時のキャッチコピーは“HE’S OUT THERE…”(日本公開時の邦訳は「ヤツはそこにいる…」)。主役とも言える“ブルーサンダー”ヘリコプターはミッキー・ミッチェル(Mickey Michaels)によるデザインで、当初は既存の民間向けヘリコプターを小改造して使用する予定であったが、バダム監督とミッチェルは「誰も見たこともないようなデザインであるほうがいい」としてオリジナルの機体をデザインした。デザインにあたっては当時最新鋭とされた各種の軍用攻撃ヘリコプターが参考にされている。
ブルーサンダー 映画批評・評価・考察
ブルーサンダー(原題:Blue Thunder)
脚本:35点
演技・演出:15点
撮影・美術:20点
編集:9点
音響・音楽:9点
合計88点
監督がジョン・バダム(サタデー・ナイト・フィーバー、ウォー・ゲーム監督)、脚本がダン・オバノン(エイリアン、バタリアン脚本)、撮影にジョン・A・アロンゾ(バニシング・ポイント、スカーフェイス)、主人公にロイ・シャイダー(ジョーズ主演)、悪役にマルコム・マクダウェル(時計じかけのオレンジ主演)と完璧な布陣が敷かれている。撮影監督のジョン・A・アロンゾの映像は迫力があり、お得意のカーチェイスはもちろんの事、伝説となった市街地でのヘリコプターの戦闘シーンは圧巻の出来映え。ブルーサンダーのデザインは長い年月を経ても美しくカッコイイ!
ブルーサンダー あらすじ(ネタバレ)
LA市警航空課でヘリコプター・パトロールをやっているマーフィーは、一匹狼的な性格のため周囲のうけはよくない。課長のブラドックから事あるごとに注意されている。マーフィーは新人の若いライマングツドと組んで、夜のLA上空をパトロールする。酒屋強盗を上から追跡して、ライトを犯人に当て逮捕に協力する。リンデン・ロードでナンバー・プレートのないシェヴィを発見して本部に通告。シェヴィは、自宅にもどって来た都市暴力対策委員長ダイアナ・マクニリーの後をつけてドライヴ・ウェイに入り込む。シェヴィの中から男たちが出て来て、彼女を襲い書類を奪う。警官隊が駆けつけ、マーフィーらも急行する。この事件は彼女を強姦しようという目的でなされたものとして片付けられた。
ブラドックはマーフィーを連邦政府の2人の役人、アイスランとフレッチャーに引き合わせる。マーフィーは彼らと一緒にピンクヴィル軍基地に行く。そこで、マーフィーは新型ヘリコプターブルーサンダーのデモ・フライトを見る。来たるLAオリンピックでのテロ対策用に作られたというブルーサンダーは、強力な火器、コンピューター、盗聴マイク、パイロットがかぶったヘルメットの動きで弾丸が発射される装置がついている。マーフィーはこのブルーサンダーのテスト・パイロットに選ばれたのだ。軍側の責任者コクラン大佐はマーフィーがパイロットと知ると怒る。二人はベトナムで一緒に闘った仲だが、なんとなく険悪な感じ。
翌日、マーフィーはマクニーリー邸から拾った書類に書かれたスペイン語の解読を、同僚のモントーヤに頼む。マーフィーとライマングッドはヘリコプターに乗り、コクランのヘリコターに続いて上空へ。しばらく飛んでいるうちに、マーフィーらのヘリコプターが揺れ出す。コクランが秘かに部品をゆるめていたのだ。マーフィーは落ちついて、ヘリコプターを操縦。ヘリコプターは建築現場に落下し大破したものの、二人は無事だった。モントーヤはマーフィーに書類にはスペイン語地区で何か騒動が起きると書いてあり、THORという意味不明の語があったことも告げる。
その後、マーフィーとライマングッドはブルーサンダーに乗り夜の空を飛ぶ。コンピューターにコクランのことをイン・プットするとTH0Rプロジェクト(Tactical Helicopter Offensive Response 戦略ヘリコプター攻撃レスポンス)に従事と出た。ブルーサンダーは、コクランの車をつけ、連邦ビルでコクランやフレッチャーがスペイン語地区でトラブルを起こそうとしていること、邪魔なマーフィーを消そうという相談を盗聴マイクで聴き、テープに録音する。そのテープをライマングッドはドライヴ・イン劇場のごみ箱に隠す。一方、コクランたちはテープの行方を知ろうとして、ライマングッドをいためつけるが、聞き出せない。ライマングッドはすきを見て逃げ出すが、射殺される。
参考人として警察に追われるマーフィーは、ケイトにドライヴ・イン劇場のゴミ箱からテープを手に入れ、KBLA・TVに運ぶよう頼む。自分はブルーサンダーに乗り護衛する。ブルーサンダーを追いモントーヤの乗った市警のヘリコプターや空軍機がやってくるが、マーフィーにかわされる。そしてコクランの空軍ヘリコプターと空中戦となる。コクランはベトナムの空で敵の兵士をつき落した残酷な男で、マーフィーはその時のパイロットだったのだ。マーフィーは傷つきながら、コクランのヘリコプターをやっつける。ケイトは追ってくるパトカーをかわしてKBLAに行き、プロデューサーにテープを渡す。一方、マーフィーはブルーサンダーを進行する列車の前に置き去りにしたので、ブルーサンダーは大破してしまう。
ブルーサンダー スタッフ
監督:ジョン・バダム
制作総指揮:フィル・フェルドマン,アンドリュー・フォールスゲン
制作:ゴードン・キャロル
脚本:ダン・オバノン,ドン・ジャコビー
撮影:ジョン・A・アロンゾ
美術:シドニー・Z・リトワック
編集:フランク・モリス,エドワード・M・アブロムズ
音楽:アーサー・B・ルビンスタイン
配給:コロンビア映画
ブルーサンダー キャスト
“フランク”フランシス・マクネイル・マーフィー:ロイ・シャイダー
“ケイト”キャサリン・マーフィー:キャンディ・クラーク
F・E・コクラン大佐:マルコム・マクダウェル
ジャック・ブラドック警部:ウォーレン・オーツ
リチャード・ライマングッド巡査:ダニエル・スターン
アイスラン:ポール・ローブリング
フレッチャー:デヴィッド・シェイナー
モントーヤ:ジョー・サントス
ロサンゼルス市長:ジェイソン・バーナード
アルフ・ヒューイット:ジェームズ・マータフ