スピーシーズ2は、1998年公開のアメリカ合衆国の映画。凄まじい生殖能力を持つエイリアンと地球人との死闘を描くSFXアクション「スピーシーズ 種の起源」の続編。今回は凶悪な男性エイリアンと前作のスピーシーズから生まれたクローンの女性エイリアンとの戦いを描く。前作のイヴ役のナターシャ・ヘンストリッジは、シル役として出演した前作に引き続き出演。
スピーシーズ2 映画批評・評価・考察
スピーシーズ2(原題:Species II)
脚本:24点
演技・演出:13点
撮影・美術:14点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計66点
前作よりB映画要素が濃くなっており、エログロ街道まっしぐらになっています。そこが好きというかデタラメ感が面白かったりもします。傑作SF映画期待して見る映画ではないと思います。個人的に気になったのは前作でプレス(マイケル・マドセン)とローラ(マーグ・ヘルゲンバーガー)の関係は深まったはずなのに、セリフを交わす回数が減っており、なんかあったのかなぁ~と勘ぐってしまいます。
今作については、SFホラーを描きたいのか異星人の交配が描きたいのか・・・?
今作品はU-NEXT で見ました。
スピーシーズ2 あらすじ(ネタバレ)
あの惨劇から3年。宇宙飛行士のパトリック・ロス、アン・サンパス、デニス・ギャンブルの3人は火星探査からの帰還中、地球との通信が7分間だけ途絶える事態に見舞われるが、無事に地球へ帰還した。一方、軍の施設のベイカー研究所では“シル”のクローンである“イヴ”が誕生し、異性との接触を徹底的に禁じた環境下で、エイリアン対策の実験を行っていた。
ある日、パトリックと関係を持った女性が謎の変死をとげる。実は火星で採取した土に謎の生命体がまぎれ込んでおり、帰還中の3分間の空白に3人ともエイリアンに寄生されていた。火星調査の責任者であるオリンスキーの変死を知った軍は、この事態に警備会社社長である元問題解決屋のプレスを呼び出した。しかし、3人の捜索中、アンは恋人と性交してしまったため、本人も気づかぬ間にエイリアンの本能に目覚め恋人を殺害。アンはプレスらに始末される形で変死する。
異性に触れはしたがエイリアンとしての記憶がまだ曖昧なパトリックは、別荘で愛人と性交した後の翌朝に惨状を目の当たりにし、自身の頭をショットガンで打ち抜いて自害する。しかし人間の人格のみ死亡してしまったため、パトリックは瞬く間に再生をとげると、人格も完全にエイリアンのものと化してしまう。
彼らはイヴのテレパシーを使ってパトリックを追う。やがてパトリックと感応しあったイヴはパトリックが潜んでいるスピーシーズの繭の巣窟に脱走。イヴの後を追った3人は、遺伝子疾患のために火星探査メンバーのなかでひとりだけ助かったデニスの血液を培養した弾丸で応戦、スピーシーズを殲滅した。
スピーシーズ2 スタッフ
監督:ピーター・メダック
脚本:クリス・ブランカトー
製作:フランク・マンキューソ・ジュニア
製作総指揮:デニス・フェルドマン
音楽:エドワード・シェアマー
撮影:マシュー・F・レオネッティ
編集:リチャード・ノード
製作会社:メトロ・ゴールドウィン・メイヤー,FGMエンターテインメント
配給:MGM,UIP
スピーシーズ2 キャスト
プレス・レノックス:マイケル・マドセン
元問題解決屋で、現在は警備会社「プレス・レノックス・セキュリティーサービス」の社長を務めるが、問題解決屋としての実力は健在。前作でのニヒルな性格はなりを潜めている(地上波版ではニヒルな性格を見せることも。)。
新たなエイリアンによる襲撃によりアメリカ軍に召集されるが、前作のトラウマが理由で一度は断るも、100万ドルの非課税報酬を出すというバージェスの頼みで引き受けることになった。オリンスキーの通話記録により火星探査に反対するクロムウェル博士との話で火星に赴いた3人の宇宙飛行士全員がエイリアン化したことを確信し、その内、デニスがエイリアン化しなかったことから、彼と共にパトリックの追跡に赴く。パトリックを求め脱走したイヴを追跡するついでにパトリックの居所を掴み、デニスの血液を使ってパトリックを撃退した。
イヴ:ナターシャ・ヘンストリッジ
ベイカー研究所で生み出された生命体で、前作の敵・シルのクローン。対エイリアンの毒薬の精製のために不本意ながら効果を確かめる試験体になり、異性との接触が禁じられた環境下で生活をしており、シル以上の精密さを持っている。
パトリックが交尾するたびに謎の頭痛が頻発していたことから、自らのテレパシー能力を使ってパトリックを追跡しようとするが、彼と繋がってしまい、生殖本能に目覚めてしまう。パトリックを求めベイカー研究所を脱走。研究員が頭の中に埋め込まれた毒入りのカプセルを作動するところを、自らの機転で作動を阻止し、彼と交尾するも、ローラの呼びかけにより理性を取り戻し、パトリックに奇襲するも、逆に返り討ちにされ、プレスらがパトリックに殺害されたと判断され救急車に搬送されたが、この時点ではまだ死んでおらず、搬送中にパトリックの子供を宿していたことが判明し、おなかの中で大きくなるところで本作は終了する演出がなされた。先述の通り、彼女はエイリアンでありながら前作の生存者の1人で本作未登場の霊能力者のダン・スミスソンの立場も兼ねている。
ローラ・ベイカー:マーグ・ヘルゲンバーガー
ベイカー研究所の所長を務める分子生物学者。イヴの生みの親でもあり、対エイリアンの毒薬精製を任されている。
中盤、生殖本能に目覚めたイヴを求めるパトリックに襲われるが、デニスが撃退したことで難を逃れる。サンパスが産み落としたエイリアンの子供を彼女諸共対エイリアンの毒薬で始末したり、エイリアンとなったイヴに人間としての理性を取り戻させ、パトリック撃退の糸口を作ったりと前作以上の活躍を見せた。前作で犠牲になったフィッチの失敗を繰り返さないため、プレスとの再会の際に、急に研究室に入ってきた彼を追い返そうとするなどイヴを慎重に育ている母親のような一面を見せた。
デニス・ギャンブル:ミケルティ・ウィリアムソン
火星探査に赴いた3人の宇宙飛行士の一人。帰還の際にエイリアンに寄生されるが、鎌状赤血球により唯一エイリアン化を免れた他、イヴの生殖本能をくすぶらせなかった。アメリカ軍に連行され血液検査を受けたことでプレスらと知り合い以降、彼と共に行動をする。終盤、エイリアンとなったパトリックを襲われそうになったローラを助けるため、自らの提案でプレスに自らの右脚を負傷させ、プレスに抱えながらパトリックの末路を目に焼き付けた後、プレスによって負傷させた右脚を治すため、ドクターヘリに運び込まれた。先述のように、火星探査でエイリアンに寄生されたり、パトリックとの最終決戦で蛹と化したパトリックの子供に襲われたりとひどい目に遭わされるが、疾患によりエイリアン化を免れ、エイリアン化したパトリックを自らの血液で死滅させたりしたため、別の意味でヒーローになった。
カーター・バージェス:ジョージ・ズンザ
対エイリアンの毒薬の軍事利用を推進するアメリカ軍の大佐でローラのパトロン。新たなエイリアンの追跡を拒むプレスを報酬と引き換えに軍部に召集させた張本人でもある。
セナター・ジャドソン・ロス:ジェームズ・クロムウェル
パトリックの父親で上院議員。息子の性交依存症による女癖の悪さに頭を抱えており、彼に大統領候補としてわきまえるよう厳重注意する。火星探査後にパトリックがエイリアン化したことを知り、息子を助けるよう嘆願するが、パトリックの隠れ家でパトリックを助けようとするが健闘空しくパトリックの触手により殺害された。
パトリック・ロス:ジャスティン・ラザード
火星探査に赴いた3人の宇宙飛行士の一人で前作のシルに代わる敵エイリアン。元は人間だったが火星からの帰還の際にエイリアンに寄生されてしまう。地球に帰還後、性交依存症のため次々と女性と性交を重ねる内にエイリアンとしての人格が混在になり始め、地球帰還から11日後の愛人の変わり果てた姿を見てショットガンを使って自殺する。しかし、細胞再生によりエイリアンとしての人格となり、性交依存症による自身の女癖の悪さも相まって、次々と女性を襲っては子供を作ったりした。テレパシー能力を使ったイヴと繋がったことによりイヴを求めるようになり、ローラを襲うがプレスに撃退される。父を殺害し、脱走したイヴと交尾した後、プレスらを襲うが、ローラの呼びかけによりエイリアン化したまま人間としての理性を取り戻したイヴに負傷されたことで、彼女を致命傷に追いやり、それでもなお、ローラを襲おうとするが、デニスの血液がついた鍬に刺され拒絶反応を起こしたことでプレスとデニスを襲いにかかるも、デニスの血液によるトラップにより自滅した。エイリアン化する前は、アメフトのキャプテンを務めたり、大統領候補と目されるなど世間から英雄視されていたが、火星探査がきっかけでヒーローから転げ落ちることになった。