ホワイトハウス・ダウンは、2013年公開のアメリカ合衆国の映画。謎の武装集団によるホワイトハウス襲撃・乗っ取り事件が発生。大混乱の中、その場に居合わせた議会警察官のジョンが大統領、娘、国の命運をかけた戦いに挑む。主人公の警察官ジョン・ケイル役に「G.I.ジョー」のチャニング・テイタム、米大統領役に「ジャンゴ 繋がれざる者」のジェイミー・フォックス。
ホワイトハウス・ダウン 映画批評・評価・考察
ホワイトハウス・ダウン(原題:White House Down)
脚本:38点
演技・演出:18点
撮影・美術:18点
編集:10点
音響・音楽:10点
合計94点
破壊王ローランド・エメリッヒの映画の中でもトップ3に入ると思う超面白い映画でした。今までの破壊とはかなり違った脚本ありきの内容です。これまでの作品の傾向は、脚本よりも派手な破壊描写が売りの映画が多くありました。今回はとてもバランスが整っていて2時間の映画もあっという間に感じるほど緊張感溢れるアクションにところどころに遊びや皮肉を加えた演出やセリフもある上で、ラストにはカタルシスも得られる素晴らしい娯楽映画です。
ホワイトハウス・ダウン あらすじ(ネタバレ)
プロローグ
元軍人のジョン・ケイルはイーライ・ラフェルソン下院議長の甥である伍長を戦場で助けた縁で、彼の警護を担当する議会警察官の職を得ていた。ジョンの娘エミリーは、現職大統領であるジェームズ・ソイヤーの大ファンであり、ジョンは娘を喜ばせるためにアメリカ合衆国シークレットサービスへの転職を志望していた。しかし、現職のシークレットサービスであるキャロル・フィナティ次席特別警護官は彼の大学の同窓であり、過去を詳しく知っているため、素行が良かったわけではないジョンの採用を断った。
ホワイトハウス陥落
採用面接後、ジョンがエミリーを連れてホワイトハウスへ見学ツアーに訪れていたのと時を同じくして、中東からのアメリカ軍撤退を決議していた議会議事堂が爆破されるというテロ事件が発生する。アルヴィン・ハモンド副大統領やラフェルソン下院議長らが避難する中、ホワイトハウス内に映画室関係の工事屋として潜り込んでいたエミール・ステンツ率いる武装集団が動き出し、ホワイトハウス内の警護官らの掃討を開始し、またたく間に武器庫を制圧。シークレットサービスやガードマンらが次々と射殺される中、ジョンはテロリストの襲撃騒ぎではぐれてしまっていた娘を探すため、隙をついて傭兵の一人を倒し、装備を奪ってホワイトハウス内で単独での捜索を始める。
シークレットサービスリーダーの謀反
一方、シークレットサービスのリーダーであったマーティン・ジェームズ・ウォーカーが突如離反し、テッド・ホープ警護官ら自身の部下を次々と殺害してソイヤー大統領を拉致しようとする。ウォーカーがテロの首謀者であったことを知り愕然とするソイヤーだったが、偶然、娘を探して近くを通りかかったジョンが現れ、大統領は銃撃戦の末にウォーカーから逃れることに成功し、ジョンと行動を共にすることとなる。ウォーカーはソイヤーの拉致に失敗するも、ステンツたちに彼を生きたまま確保するように指示しつつ、残っていた閣僚やツアー客の民間人らを手中に収め、ホワイトハウスから離れていたフィナティにホワイトハウスの占拠を宣言し、多額の現金と輸送機を要求。2時間以内に要求が聞き入れられなければ人質を殺害すると宣告する。「大統領の指示した作戦で軍人の息子であるケビンを失っていた」という過去を持つウォーカーであったが、単に怨恨だけでホワイトハウス制圧に思い至ったのかとジョンとソイヤーは疑問に感じる。
脱出と奪還作戦
ジョンとソイヤーは携帯電話から国防総省と連絡を取り、フィナティからホワイトハウスからの脱出経路の指示を受けて脱出を図る。一方、エミリーがテロリストたちの映像をYoutubeにアップロードしたことで襲撃犯たちの素性が判明してしまい、ステンツたちは激怒する。ジョンとソイヤーはステンツたちの追撃を交わしつつ地下道から脱出を図るが、出口に爆弾が仕掛けられていたため断念し、大統領専用車に乗り込み地上からの脱出を図る。しかし、テロリストがエミリーを人質にしたことを知ったジョンは動揺し、テロリストの攻撃で大統領専用車を横転させてしまう。ジョンとソイヤーはウォーカーやステンツから逃げることに成功するが、ソイヤーの生死が不明となったアメリカ政府は、大統領専用機で避難中のハモンド副大統領を合衆国憲法修正第25条第1節第6項(大統領の空席)により大統領に昇格させ、国防総省にいる、コールフィールド統合参謀本部副議長が作戦の指揮権を掌握し、フィナティは追い出されてしまう。ジョンは負傷したソイヤーを治療した後、一人でエミリーを助け出そうとするが、そこにコールフィールドの命令で出動した救出部隊が到着する。しかし、テロリストが用意した地対空ロケット、ジャベリンの攻撃で部隊が全滅し、NORADのシステムをハッキングさせたウォーカーはミサイルを発射させてエアフォースワンを撃墜する。ハモンドが死亡したことでラフェルソンが大統領に昇格し、彼は最終手段としてホワイトハウスの空爆を決定する。一方、ウォーカーは「エミリーを殺す」と脅してジョンを投降させようとし、彼女を守るためにソイヤーが投降する。ウォーカーは息子の戦死を無駄にしないため、ソイヤーの認証を利用して中東への核攻撃を目論む。ジョンはステンツを倒して大統領執務室に乗り込み、核ミサイルの発射ボタンを押そうとしていたウォーカーを射殺してエミリーを救い出す。
ホワイトハウスの解放
ジョンはエミリーを逃がし、ウォーカーに撃たれて負傷したソイヤーを助けようとするが、そこに空爆部隊が迫って来る。しかし、エミリーが大統領旗を振って攻撃中止を訴えたため、部隊は空爆を中止する。ホワイトハウス周辺に集まっていた群衆やマスコミはエミリーに駆け寄り事件の解決を喜ぶが、ジョンは独自にウォーカーの情報を探っていたフィナティから、ウォーカーを操っていた黒幕がいることを聞かされる。黒幕の正体が、中東からの撤退に反対する軍産複合体の支援を受けていて、現在は大統領職に就いているラフェルソン下院議長だと知ったソイヤーは、ラフェルソンを反逆罪で逮捕する。事件が解決し、ソイヤーはジョン、エミリー、フィナティ、コールフィールドと共にハミングバードに乗りホワイトハウスを後にする。
ホワイトハウス・ダウン スタッフ
監督:ローランド・エメリッヒ
脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト
製作:ローランド・エメリッヒ,ブラッド・フィッシャー,ラリー・J・フランコ,レータ・カログリディス,ハラルド・クローサー,ジェームズ・ヴァンダービルト
製作総指揮:リード・キャロリン,ウテ・エメリッヒ
音楽:ハラルド・クローサー,トーマス・ワンカー
主題歌:ローリング・ストーンズ – ストリート・ファイティング・マン
撮影:アンナ・フォースター
編集:アダム・ウルフ
製作会社:セントロポリス・エンターテインメント
配給:コロンビア ピクチャーズ,ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
ホワイトハウス・ダウン キャスト
ジョン・ケイル議会警察官: チャニング・テイタム
ジェームズ・ソイヤー大統領: ジェイミー・フォックス
キャロル・フィナティ次席特別警護官: マギー・ジレンホール
エミリー・ケイル: ジョーイ・キング
イーライ・ラフェルソン下院議長: リチャード・ジェンキンス
マーティン・ジェームズ・ウォーカー 大統領警護隊長: ジェームズ・ウッズ
エミール・ステンツ: ジェイソン・クラーク
カール・キリック: ケヴィン・ランキン
スキップ・タイラー: ジミ・シンプソン
テッド・ホープ特別警護官: ジェイク・ウェバー
ジェナ: ジャッキー・ギアリー
アルヴィン・ハモンド副大統領: マイケル・マーフィー
コールフィールド将軍: ランス・レディック
ウォレス 副大統領首席補佐官: ピーター・ジェイコブソン
チェン: リー・ヴィルヌーヴ
モッツ: フォーク・ヘンチェル
ケラーマン議会警察官: マット・クレイヴン
ドニー: ニコラス・ライト
メラニー ・ケイル: レイチェル・ルフェーブル
ライアン・トッド特別警護官: ヴァンサン・ルクレール
ポール・ハットン大尉: アンソニー・レムケ
キャメロン 陸軍大佐: フェイバー・デュアー
ロジャー・スキナー: アンドリュー・シムズ
ミュリエル・ウォーカー: バーバラ・ウィリアムズ
ボビー: パトリック・サボンギ
コンラッド・サーン: カイル・ゲートハウス
フレッド: クウェシ・ソングイ
リッター: アンドリース・エイパーギス
ヴァディム: アナトリー・ジノヴィエフ
ムルケイ: ロマーノ・オルザリ
リード特別警護官: ヴィクター・コーンフット
アリソン・ソイヤー: ガーセル・ボヴェイ
女性レポーター: タラ・シュワルツ
女性キャスター: ジャネット・ルー
ハミングバード副操縦士(海兵隊少佐): ステファン・パレン