ジョーズ’87 復讐篇は、1987年公開のアメリカ合衆国の映画。大ヒット映画『ジョーズ』シリーズの第4作であり、完結編。巨大な人食いザメ(ホオジロザメ)の恐怖と、それに立ち向うブロディ一家を描いた作品。前作と同じく、たくましく成長して海洋生物学者になったマイケル・ブロディと、夫を失い悲しみにくれるエレン・ブロディが主人公である。マーティン・ブロディはすでに故人となっている。
ホオジロザメが殺された仲間の復讐であるかのようにブロディ一家を執拗に狙う、同じ個体と思われるサメがアメリカ東海岸のアミティからバハマへ移り住んだ一家を数日で追撃してくるという強引極まりないストーリーに加え、肝心のサメが作り物としか思えない外見のため、全体としては完成度が低い。特にラストの「サメが吠える」というあまりに現実とかけ離れたエンディングは、さらに評価を下げる一因となった。1987年のラジー賞では7部門にノミネートされた(受賞は最悪視覚効果賞の1部門のみ)。
ジョーズ’87 復讐篇 映画批評・評価・考察
ジョーズ’87 復讐篇 (原題:Jaws The Revenge)
脚本:1点
演技・演出:5点
撮影・美術:3点
編集:2点
音響・音楽:4点
合計15点
ジョーズシリーズ完結編にして、サメの登場シーンが最も少なく鮫に食われる人も少ない。おまけにメロドラマのようなシーンが長い。
本作には二種類のエンディングが存在します。オリジナルのエンディングは、エレンがボートを操縦してサメに折れたマストを突き刺し、それにより致命傷を負ったサメが悶え苦しみながら海に沈んでいくというもので、日本ではこのバージョンが劇場公開されました。しかし、アメリカでは公開前に急遽このエンディングは差し替えられています。その内容は、エレンがボートを操縦してサメに折れたマストを突き刺した途端、サメが謎の大爆発を引き起こし木っ端微塵になるというもの。しかも、これによりサメに食べられたはずのジェイクも生還するという、オリジナル版とは印象がだいぶ異なるものとなっています。このアメリカで公開されたバージョンは、日本で発売されたVHSにも収録されており(オリジナル版は未収録)、現在発売されているDVDなどの各種映像ソフトにはこちらのバージョンのみが収録されています。
ジョーズ’87 復讐篇 あらすじ(ネタバレ)
過去2度、巨大なホオジロザメに襲われたアミティの町。クリスマス・イヴの夜、サメの犠牲者となったブロディ警察署長の未亡人エレン(ロレイン・ゲリー)は、父の遺志を継いで保安官補となった次男ショーンと2人暮らしをしていた。長男のマイケル(ランス・ゲスト)は、家庭をもち、バハマの海で海洋研究の仕事についていた。
夜の海洋パトロールに出たショーンが、突然巨大なサメに襲われ海の中に姿を消した。最愛の息子も失ったエレンの驚きは悲惨をきわめた。かけつけたマイケル、妻カーラ(カレン・ヤング)、それに孫のシーアを前に、エレンは深い悲しみに沈んだ。生気を失った母のためにも、マイケルは暖かいバハマの家に母を呼びよせた。彼女の気分をなごませたのは、海上セスナ機タクシーのパイロット、ホーギー(マイケル・ケイン)だった。サメに襲われる夢にうなされる日々が続くエレンに少しずつ希望の光が見えようとしていた。
マイケルは、バハマの沖合で巻き貝の生態を研究しているジェイク(マリオ・ヴァン・ピーブルス)に協力していた。ジェイクは、この仕事が成功すれば大学の博士号が得られるのだ。その実験中、彼らに巨大なホオジロザメが襲いかかってきた。8メートルもある巨大なものだ。この事実にジェイクもマイクルも首をひねった。ホオジロザメは熱帯の海には生息しないというのが海洋学の鉄則だったからだ。
初めての出会い以来ホーギーとエレンは好意を持ち始めていた。カーニバルの夜、2人はすべてを忘れて楽しんだ。数日後、あのホオジロザメが、海水浴を楽しんでいる人々を襲い始めた。その中にシーアがいた。危機一髪のところで助け出されるシーア。孫の姿を見てエレンは言った「サメを殺す」--1人ヨットで海に出たエレンをマイケルは、ジェイ汐と共に、ホーギーのセスナ機で追った。
やがてエレンのヨットを発見した彼らは、着水し彼女を助けようとするが、逆にジェイクがサメにひきづりこまれ海の中に消えていった。ヨットの上の3人とサメの闘いが始まった。海の奥からヨットをめがけて攻撃してくるサメを、3人はみごとに仕とめるのだった。
ジョーズ’87 復讐篇 スタッフ
監督:ジョセフ・サージェント
脚本:イケル・デ・ガズマン
製作:ジョセフ・サージェント
音楽:マイケル・スモール
撮影:ジョン・マクファーソン
編集:マイケル・ブラウン
配給:ユニヴァーサル映画,UIP
ジョーズ’87 復讐篇 キャスト
エレン・ブロディ:ロレイン・ゲイリー
ホーギー:マイケル・ケイン
マイケル・ブロディ:ランス・ゲスト
ジェイク:マリオ・ヴァン・ピーブルズ
カーラ・ブロディ:カレン・ヤング
テア・ブロディ:ジュディス・バーシ
ショーン・ブロディ:ミッチェル・アンダーソン
ルイーザ:リン・ホイットフィールド
ポリー:エドナ・ピロット
市長:シプリアン・R・デューブ
マーティン・ブロディ(回想シーン):ロイ・シャイダー