身代金(みのしろきん)は、1996年公開のアメリカ合衆国の映画。1956年のアメリカ映画『誘拐』のリメイク作品。リスクを伴う危険な取引など日常茶飯事の実業家トム・ミューレン(メル・ギブソン)。しかし9歳になる一人息子が誘拐され、FBIの救出作戦が失敗に終わったとき、彼は人生で最も危険な賭けに出る。原作では息子を誘拐された被害者夫婦とその周囲、そして世間の世論にスポットライトが当てられていたが、本作では犯人グループについても細かく描写されているのが特徴である。
身代金 映画批評・評価・考察
身代金(みのしろきん、原題: Ransom)
脚本:35点
演技・演出:16点
撮影・美術:15点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計80点
メル・ギブソンVS誘拐犯たちとの駆け引きと対決は手に汗握る、予測できない面白さがありました。身代金を懸賞金にして犯人を逆に脅すというシーンは名シーンだと思います。もちろん、上手くいくかどうか分からない葛藤が描かれる中での決断なので感情移入できる演出です。中盤から後半にかけては食いついて見てしまう展開であっという間に時間が過ぎていきます。とても良いサスペンス映画を見れたという満足感が得られる作品なのでお薦めです。※ネタバレしてしまうと面白さが下がってしまうので、情報なしで見るのが良いですよ。
身代金 あらすじ(ネタバレ)
ニューヨーク。ここ10年で全米で五指に入るまでに急成長した航空会社の社長トム・ミューレンは、目的のためには手段は選ばないやり方で現在の地位を築いてきた。美しい妻ケイトと9歳の息子ショーンに囲まれ、人生の絶頂にあったかに見えた。
そんなある日。ショーンが何者かに誘拐され、「200万ドル用意しろ」という電子メールが送られてきた。事件を迅速に解決したい彼は、犯人の要求通りに身代金を払おうとするが、ショーンの身を案じるケイトはFBIに事件を委ね、ホーキンス捜査官以下の対策チームが到着する。
トムは、工場のストライキを阻止するべく不法な買収行為を行ったことがあったが、そのために逮捕されて彼を恨んでいるブラウンの仕業ではないかと疑う。だが、彼は犯人ではなかった。犯人グループの黒幕は市警のベテラン刑事ジミー・シェイカーで、仲間は彼の情婦マリス、チンピラのカビーとクラークの兄弟、コンピューターの専門家マイルスだった。
48時間後、再び犯人から連絡が入り、身代金の受け渡し方法を指定する。FBIの勧めを断り、トムは自ら現場に向かうことにした。犯人一味の計画は緻密かつ周到で、携帯電話で逐一入る指示に従い、トムは町中を振り回される。ニュージャージーの指定場所に着き、息子の居場所を記したアドレスと引き換えに身代金を渡そうとするトムに、待ち受けたドニーが銃を向けた。その時、FBIのヘリコプターが男を発見し、男はあっけなく射殺されてしまう。
犯人一味はショーンを解放する気などないのではないか、という恐ろしい疑念にとりつかれたトムに、犯人から電話が入る。ショーンの生存を確認し、新たな希望が沸いたトムは、犯人に身代金を渡すことを断固拒む。TV局に向かった彼は特別番組を組ませ、200万ドルの札束の山を前に「これは渡さない。お前の首に懸けた賞金にする」と犯人に対して宣戦布告。誘拐犯人を脅迫するという前代未聞の行為は犯人に動揺を与え、ジミーはケイトに接触して、賞金を取り下げなければ息子を殺すと脅迫する。だが、それを知ったトムは逆に、賞金を倍額につり上げた。自分の身が危ないと察したジミーは3人の仲間たちを口封じのために殺し、その際にマリスと撃ち合って負傷した。
彼は犯人のアジトを偶然発見し、ショーンを救った英雄として脚光を浴びる。傷も癒えたジミーは高飛びするため、懸賞金の400万ドルを受け取りにトムの前に現れた。だが、彼を見たショーンの様子から、トムはジミーの正体に気づく。ジミーは銃で脅迫して金を要求、トムは銀行へ行って口座に振り込むことを提案した。だが、機転をきかせた彼の連絡で、ホーキンスらFBIが現場に急行。
警官に発見されたジミーは、市街で銃を乱射して逃走。その後を追ってジミーをとらえたトムは激しく殴りつけ、彼の銃を拾って構えた。追い詰められたジミーがもう一丁の銃を撃とうとした時、トムが正当防衛で銃で撃ち、次の瞬間、ジミーは警官隊の一斉射撃に倒れた。
身代金 スタッフ
監督:ロン・ハワード
脚本:リチャード・プライス
製作:スコット・ルーディン,ブライアン・グレイザー,B・キプリング・ハゴピアン
製作総指揮:トッド・ハロウェル
音楽:ジェームズ・ホーナー
撮影:ピョートル・ソボチンスキー
編集:ダニエル・P・ハンリー,マイク・ヒル
製作会社:タッチストーン・ピクチャーズ,イマジン・エンターテインメント
配給:ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ,ブエナ ビスタ インターナショナル
身代金 キャスト
トム・ミュレン:メル・ギブソン
ケイト・ミュレン:レネ・ルッソ
ショーン・ミュレン:ブローリー・ノルティ
ジミー・シェイカー刑事:ゲイリー・シニーズ
ロニー・ホーキンス捜査官:デルロイ・リンドー
マリス・コナー:リリ・テイラー
クラーク・バーンズ:リーヴ・シュレイバー
カビー・バーンズ:ドニー・ウォルバーグ
マイルス・ロバーツ:エヴァン・ハンドラー
ウォレス:ポール・ギルフォイル
デヴィッド・トーレス:ホセ・ズニーガ
ジャッキー・ブラウン:ダン・ヘダヤ
ロベルト:ジョン・オーティス