うずまきは、2000年公開の日本映画。『富江』の作者で知られる伊藤潤二の漫画作品の実写化。小さな町で次々に起こる、うずまきを巡る禍々しい事件を描いた怪奇映画。監督のヒグチンスキーは本作が劇場作品初監督で、主演の初音映莉子は伊藤潤二作品のファンであり、本作の後も『押切』や『首吊り気球』などの伊藤潤二原作作品に出演しています。
うずまき 映画批評・評価・考察
うずまき
脚本:28点
演技・演出:12点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計70点
漫画に負けず劣らず、非常に気持ち悪い映像表現に成功している。主演の2人が意図的に感じるほど棒読みセリフなのが気になるが、助演俳優がバイプレーヤー揃いで作品の恐怖に貢献できている。また、ほぼ無名だった阿部サダヲや手塚とおるが出演していてこの頃にすでに後に見られる芸風(個性・雰囲気)が垣間見えて面白い。演出にインパクトはあるがストーリーに深みが無いので、ただ気持ち悪かったなぁ~という作品になってしまったのはもったいない。それでもうずまき演出をたまに見たくなる作品ではある。
うずまき あらすじ(ネタバレ)
呪われた土地、黒渦町に住む女子高生・五島桐絵とその恋人・斎藤秀一の周りで起こる禍々しい惨劇、怪奇現象。そして、これらの異変はすべてうずまきと関連があった。時間と共に徐々に現実と乖離し、捩れ歪む黒渦町。呪いが収束するその中心にあるものは…。
女子高生・桐絵の住む黒渦町の高校で、ひとりの男子生徒が螺旋階段から落ちて死亡するという事件が起こった。そして、それを機に町では『うずまき』を巡る数々の奇怪な事件が起こる。
桐絵のボーイフレンドである秀一の父親がうずまき状の物の蒐集にハマった揚げ句、自らの体を洗濯機の中に入れて自殺したり、うずまきの恐怖に怯える秀一の母親が体中のうずまき状のもの(指紋や旋毛など)をそぎ落として自殺したり、火葬場の煙が渦を巻いたり、クラスメイトの関野の髪が異常なほどカールしたり、生徒がヒトマイマイと呼ばれるカタツムリになってしまったり……。
やがて、うずまきに呪われた町から桐絵と共に逃げ出そうとした秀一までもが、うずまきの呪いによって脚をねじ曲げられてしまう。ひとり恐怖に怯える桐絵。だがその時、彼女は全てが最初の時点に戻ったことを悟る。輪廻時間までもがうずまきに呪われていたのだ……。
うずまき スタッフ
配給/東映配給
製作年/2000年
監督/ヒグチンスキー
原作/伊藤潤二
脚色/新田隆男
撮影/小林元
音楽/鈴木慶一、かしぶち哲郎
主題曲/Do As Infinity 「Raven」
美術/林田裕至
衣装(デザイン)/渡邊ジョージ
録音/鶴巻仁
VFXスーパーバイザー/小田一生
スクリプター/松葉勢津子
スチール/中原一彦
音響効果/三谷直樹、北田雅也
助監督/李相國
照明/和栗一彦
うずまき キャスト
五島桐絵(ごしま きりえ)/初音映莉子(幼少時代:仲根紗央莉)
斎藤秀一(さいとうしゅういち)/フィーファン
斎藤敏夫(さいとうとしお)/大杉漣
斎藤雪枝(さいとうゆきえ)/高橋惠子
関野恭子(せきのきょうこ)/佐伯日菜子
丸山千恵/申銀京
石川志穂/三輪明日美
山口満/阿部サダヲ
五島泰雄/諏訪太朗
横田育生/手塚とおる
巡査/でんでん
田村一郎/堀内正美