ペット・セメタリーは、2019年公開のアメリカ合衆国の映画。スティーヴン・キングの原作小説を新たな設定で再映画化。家族に襲い掛かる悲劇を扱い、人間の精神に宿る“潜在的な恐怖”に迫る。本作はスティーヴン・キングが1983年に発表した小説『ペット・セメタリー』を原作としている。なお、同小説が映画化されるのは1989年版に続いて2回目となる。
ペット・セメタリー 映画批評・評価・考察
ペット・セメタリー(原題:Pet Sematary)
脚本:30点
演技・演出:18点
撮影・美術:16点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計79点
1989年版に比べて本格派の俳優(ジェイソン・クラーク、ジョン・リスゴー)を起用し、洗練された映像に音楽と格調さえ感じてしまう作品に仕上がってます。前作は良くも悪くもB級感があり過剰な演出がギャグにも感じてしまうものでした。そういう要素を完全に消したのが今作じゃないかと思います。ただ前作を見ている人を揺さぶってくる演出を散りばめているのはセンスを感じました。ラストについては意見の分かれるところじゃないでしょうか?僕は微妙な気持ちになりましたね。
2019年3月26日、プロデューサーのロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラが「本作が興行的に成功した場合、前日譚を製作したい」という趣旨の発言をしました。4月7日、コルシュとウィドマイヤーが続編に関与する意欲はないと明言しました。5月9日、本作の脚本を担当したジェフ・ブーラーが「続編についての話し合いは継続して行われている」と述べています。
ペット・セメタリー あらすじ
医者のルイス・グリードはボストンからメーン州ルドローに引っ越してきたばかりであった。ルイスは妻のレイチェル、子供のエリーとゲージ、ペットのネコ(チャーチ)と一緒に暮らしていた。ある日、エリーが森の中で遊んでいると、ペットの犬の遺体を墓地(ペット・セマタリー)へと運ぶ葬列に出くわした。一家の近所に住むジャド・クランドールは「あの森は危険だから絶対に近付かないように」と警告してきた。
大学病院。ルイスは交通事故で重傷を負って運ばれてきた学生(ヴィクター・パスコウ)の命を救えなかった無念に打ちひしがれていた。その日の夜、ルイスはいやに鮮明な夢を見た。夢の中で、ルイスはヴィクターに導かれるまま墓地へとやって来たが、墓地に入ろうとした矢先、ヴィクターから「それ以上はいけない」と言われたのだった。ルイスが飛び起きると、彼のベッドと足下が泥まみれになっていた。ルイスは自分が見た夢が単なる悪夢ではないと確信したが、現実で何があったのかまでは把握できなかった。
ハロウィンの日、チャーチはトラックにはねられて死んでしまった。ルイスはジャドと一緒にチャーチを墓地に埋葬した。翌日、ルイスはチャーチが戻ってきたのを見て仰天した。戻ってきたチャーチはどこか様子がおかしく、やたらと攻撃的だった。困惑するルイスはジャドの元を訪ねた。ジャドは「あの墓地には死者を蘇らせる力がある。死者にはウェンディゴという精霊が宿っているという伝承がある」とルイスに言った。ほどなくして、チャーチがゲージに襲いかかるという事件が発生したため、ルイスはチャーチを安楽死させようとした。ところが、どうにも殺す決心がつかなかったため、ルイスはチャーチを野に放つことにした。
数日後、エリーが誕生日を迎えた。パーティーの最中、エリーはチャーチが車道を歩いているのを見て駆け寄っていったが、運悪くタンクローリーにはねられてしまい、治療の甲斐なく息を引き取った。一家は悲しみに暮れ、レイチェルはゲージを連れて実家に帰ることにした。ルイスはエリーを墓地の力で蘇生させようとしていたが、それを察したジャドから「無理矢理蘇らせるよりも、そのまま安らかに眠らせた方が良いこともあるのだ」と諭された。しかし、ルイスはエリーにもう一度会いたいという思いを押さえ込むことができかった。ルイスはジャドに睡眠薬を盛り、彼が眠っている隙にエリーの遺体を掘り起こし、その足でペット・セマタリーに向かった。ルイスは何かの存在を感じ取ったが、意に介することなくエリーを土の中に埋めた。しばらくして、エリーは生き返って帰宅したが、その姿は化け物以外の何者でもなかった。
ペット・セメタリー スタッフ
監督:ケヴィン・コルシュ,デニス・ウィドマイヤー
脚本:ジェフ・ブーラー
原案:マット・グリーンバーグ
原作:スティーヴン・キング『ペット・セメタリー』
製作:ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ,スティーヴン・シュナイダー,マーク・ヴァーラディアン
製作総指揮:マーク・モラン
音楽:クリストファー・ヤング
撮影:ローリー・ローズ
編集:セーラ・ブロシャー
製作会社:ディ・ボナヴェンチュラ・ピクチャーズ,ルーム101・インク
配給:パラマウント映画,東和ピクチャーズ
ペット・セメタリー キャスト
ルイス・クリード医師:ジェイソン・クラーク
レイチェル・クリード:エイミー・サイメッツ 子供時代:ソニア・マリア・キリーラ
ジャド・クランドール:ジョン・リスゴー
エリー・クリード:ジェテ・ローレンス
ゲージ・クリード:ヒューゴ・ラヴォイエ:ルーカス・ラヴォイエ
ヴィクター・パスコウ:オブッサ・アフマド
ゼルダ・ゴールドマン:アリッサ・ブルック・レヴィン
ノーマ・クランドール:スージー・スティングル
マーセラ:マリア・ヘレラ