ポルターガイストは、1982年公開のアメリカ合衆国の映画。ある平凡な一家を襲う怪奇現象を描いた SFXホラームービー。スティーヴン・スピルバーグが製作したホラーシリーズの第1作。本作の制作期間が『E.T.』の公開と重なり多忙を極めたスピルバーグは、監督をトビー・フーパーに任せ、自身は製作に回った。監督の重複契約が禁止されているためでもある。シリーズ出演者4名の急死(恋人による殺害、原因不明の病による死など、ほとんどが若年層で最年少は12歳)により、『ポルターガイスト』シリーズは「呪われた映画」と称された。2015年には、サム・ライミが制作に携わったリメイク版が制作されたが、日本では劇場公開されずビデオスルーされた。
ポルターガイスト 映画批評・評価・考察
ポルターガイスト(原題: Poltergeist)
脚本:30点
演技・演出:17点
撮影・美術:18点
編集:9点
音響・音楽:8点
合計82点
脚本がスピルバーグだけあってハートフルホームドラマの要素がある救いのあるホラー映画になっています。トビー・フーパーが監督なのでエグイ作品になりそうなんですけど、特撮以外では彼らしさがあまり感じられない内容です。とはいえ、演出やカメラワーク、テンポも良くストーリーを楽しめます。背筋がぞっとするシーンもさすが!トビーと思える演出です。
救いのあるホラーだったのに、現実世界ではキャストやスタッフに不幸が次々に襲い掛かる呪われた映画となってしまいました。偶然にしては重なり過ぎているように思えます。あまり深く考えてしまうと僕も呪われてしまいそうな気分になるのでもう忘れることにしましょう。
ポルターガイスト あらすじ(ネタバレ)
不動産会社に勤めるスティーヴと妻のダイアン、長女のダナ、長男のロビー、次女のキャロル・アンのフリーリング一家は、新興住宅地のクエスタベルデに越してきて暮らしている。
ある夜、次女のキャロル・アンがベッドから起き出し、放送が終了したテレビの前で何者かと話している様子を見せる。翌晩またもキャロル・アンが起き出し、放送が終了したテレビの前にいると、テレビ画面から霊魂のようなものが飛び出し家を大きく揺らす。驚いて飛び起きる家族にキャロル・アンは「あの人たちよ」と言う。
翌日フリーリング家では、台所のスプーンがねじ曲がっていたり、イスが勝手に動いたりするなどという奇妙な現象が発生する。そしてその嵐の晩、庭の大木が2階の窓ガラスを突き破って部屋へ侵入。就寝中のロビーを外へ連れ去ってしまう。スティーヴが何とか救出して家の中へ戻って来るが、ロビーと同じ部屋で寝ていたキャロル・アンの姿が見えない。キャロル・アンは騒動の中、クローゼットに吸い込まれてどこか別世界へ消えていたのだ。
スティーヴとダイアンは娘を救出するため、超心理学を研究するレシュ博士らを家に招く。すると、天井から古いアクセサリーや時計が落ちてくる。フリーリング家で次々に起こる超常現象はさらに進んで混迷を極めており、とてもレシュたちの手には負えない。そこでレシュは、これまでに何軒もの家を清めたという霊媒師のタンジーナに助けを求める。一方でスティーヴは、心配して様子を見に来た社長からクエスタベルデ一帯が墓地を移転してつくられた住宅地であることを知らされる。
タンジーナは「今のキャロル・アンは霊界での生命ある存在であり、安らかに眠れない霊たちはそんな彼女に夢中で、本来の救いである光から気を逸らされている。あの子に誘導するように母親から言うのです。もう1つ、恐ろしい霊がおり、それがキャロル・アンを光へ行かせないようにしている。キャロル・アンには子供に見えるが、私たちにとっては魔物です」と語る。
キャロル・アンを救い、霊を静めるため、彼女に光へ走るように言う。タンジーナが子供部屋へ入ると、霊界の扉が開いており、1階天井と繋がっていた。テニスボールを投げ入れると、天井から落ちてきたことを確認した後、ダイアンはロープを体に結び、霊界へ入った。タンジーナは霊を静めるためにスティーヴにも光へ入るように言うが、スティーヴは2人のことが心配でたまらず、ロープを強く引っ張ってしまう。
すると、骸骨の魔物が目の前に現れ、スティーヴはロープを放してしまう。すると、天井からキャロル・アンとダイアンが霊界から戻って来た。2人が息を吹き返したことを確認したタンジーナは「この家は清められました」と宣言する。
翌朝、一家は引っ越しの準備をする。スティーヴは会社を辞め、片付けをするために外出。その夜、再び霊界の扉が開き、ロビーとキャロル・アンを飲み込もうとする。それに気付いたダイアンは謎の力に阻まれ、子供部屋へたどり着けない。ダイアンは近所へ助けを求めるが、その際に増設工事中のプールへ転落してしまう。すると白骨化した亡骸が次々と浮かび上がる。さらに棺桶が次々と地面を突き破って現れる。ダイアンは謎の力に抗いながら子供たちを救出する。
一方、スティーヴは社長と共に家へ戻ってきた。家の惨状を目の当たりにしたスティーヴは「墓石だけ移動させて、遺体を放置したな!」と詰め寄る。崩壊する家から逃げ出した3人と、ちょうど家へ戻ってきたダナを車に乗せ、町を出る。すると、家は異世界へ吸い込まれて跡形もなく姿を消したのだった。
ポルターガイスト スタッフ
監督:トビー・フーパー
製作:スティーヴン・スピルバーグ,フランク・マーシャル
脚本:スティーヴン・スピルバーグ,マイケル・グレイス,マーク・ヴィクター
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
撮影:マシュー・レオネッティ
編集:マイケル・カーン
SFX :リチャード・エドランド, ILM
配給:MGM
ポルターガイスト キャスト
スティーヴ・フリーリング:クレイグ・T・ネルソン
ダイアン・フリーリング(スティーヴの妻 ):ジョベス・ウィリアムズ
ダナ・フリーリング(フリーリング家の長女) : ドミニク・ダン
ロビー・フリーリング(フリーリング家の長男) :オリヴァー・ロビンス
キャロル・アン・フリーリング(フリーリング家の末娘):ヘザー・オルーク
レシュ博士: ビアトリス・ストレイト
タンジーナ:ゼルダ・ルビンスタイン
ライアン:リチャード・ローソン
Mr.ティーグ:ジェームズ・カレン
ベン・タットヒル:マイケル・マクマナス
タットヒル夫人:ヴァージニア・カイザー
サム:アラン・グラム
作業員#1:ロバート・ブロイズ
作業員#2:ソニー・ランダム