22年目の告白 -私が殺人犯です-は、2017年公開の日本映画。2012年の韓国映画『殺人の告白』をリメイクしたスリラー映画、監督は、「SR サイタマノラッパー」の入江悠。アクション・サスペンス調であった韓国版に対し、本作では社会派サスペンスとしての側面が強調されている。また、2010年以降の日本では殺人への公訴時効が撤廃されているため、その事もストーリーの要素として組み込まれている。
22年目の告白 -私が殺人犯です- 映画批評・評価・考察
22年目の告白 -私が殺人犯です-
脚本:34点
演技・演出:17点
撮影・美術:14点
編集:8点
音響・音楽:7点
合計80点
リメイク元に比べて、アクション要素を控えた半面、サスペンス要素を増やした好リメイク作品だと思います。原作・リメイク元を知っていても面白い作品にできたのは監督と脚本が良かったからだと思います。藤原竜也と伊藤英明は、キャラ立ちがするものの演技については演出家に左右されるところが多く、場合によってはコメディに思えるほど大根化してしまうので今作が好演に見えるのは監督の演出による差だと思います。また、中村トオルの主役を食う好演も見逃せない要素でした。それでもリメイク元である『殺人の告白』の方がスケールが大きくエンターテイメント度が高いように思えます。
22年目の告白 -私が殺人犯です- あらすじ(ネタバレ)
1995年、同一犯による5件の連続殺人事件が日本中を震撼させた。犯人はいずれも被害者と親しい者に殺人の瞬間を見せつけており、殺害方法は背後からの絞殺、そして目撃者は殺さずに犯行の様子をメディアに証言させるという独自のルールに則って犯行を重ねていく。捜査を担当する刑事・牧村は犯人を逮捕寸前にまで追い詰めるが、犯人の罠にはまって上司を殺され、事件は未解決のまま時効を迎えてしまう。
そして事件から22年後、犯人を名乗る男・曾根崎が執筆した殺人手記「私が殺人犯です」が出版される。曾根崎は出版記念会見にも姿を現し、マスコミ報道やSNSを通して一躍時の人となるが……。
刑事の牧村航は、この連続殺人犯を拳銃で撃ったことから犯人に逆恨みされ、自宅にトラップを仕掛けられて同僚を殺害されてしまう。さらに、自宅にいたはずの妹・里香が事件直後から失踪し、この事件に巻き込まれた可能性が高いと判断した牧村は、妹の婚約者と共に連続殺人事件のことを追っていた。
かつてフリーのジャーナリストであったが、テロリストに拉致されて壮絶な体験をしたが生還し、帰国後この連続殺人事件を精力的に追っていたことから「NEWS EYES」のニュースキャスターに抜擢された仙堂俊雄は、曾根崎を番組に招いて独占インタビューを行い生中継しようとする。
しかし、番組前に動画投稿サイトに「曾根崎は偽者であり、自分こそが本物の連続殺人犯である」とする動画が投稿される。その動画の主は、「曾根崎と牧村航の2人が出演することを条件に、自らも真犯人として番組出演する」と宣言。その番組内で、真犯人によって撮影された動画が公開される。だが、その番組に出演していた覆面男は、真犯人に雇われただけの偽者であった。
曾根崎は「自分は真犯人ではなく、牧村の妹の里香の婚約者・小野寺拓巳で、過去に自殺を繰り返したがこのままでは死にきれず、牧村と共に殺人犯を見つけるために、戸籍を変えたばかりか顔と声も整形して、犯人を誘い出すために手記を出版してパフォーマンスを行った」と告白する。
真犯人への手がかりがが途切れる中で、牧村と小野寺は「真犯人の残した証拠」を見つけだす。それは、時効となった犯人を法的に裁くための、決定的なアリバイであった。
真犯人は逮捕され、5件の連続殺人犯でもあり、トラウマを抱えた犯人の過去を考慮して精神鑑定が待たれていた。その収容施設に、清掃スタッフの一人として入り込んだ殺人事件の遺族・戸田丈が、包丁を片手に真犯人に迫るところで物語は終わりを告げる。
22年目の告白 -私が殺人犯です- スタッフ
原案 – 『殺人の告白』
監督 – 入江悠
脚本 – 平田研也、入江悠
音楽 – 横山克
主題歌 – 感覚ピエロ「疑問疑答」(JIJI INC.)
製作 – 中山良夫、加太孝明、高橋雅美、大村英治、堀義貴、藪下維也、永井聖士、髙橋誠、弓矢政法、前田義晃、吉羽治、小笠原明男、荒波修
エグゼクティブプロデューサー – 門屋大輔、安藤親広
プロデューサー – 北島直明、小出真佐樹
ラインプロデューサー – 佐藤圭一朗
撮影 – 今井孝博(J.S.C.)
照明 – 水野研一
録音 – 古谷正志
美術 – 小島伸介
装飾 – 酒井拓磨
編集 – 辻田恵美
スーパーヴァイジングサウンドエディター – 勝俣まさとし
VFXプロデューサー – 赤羽智史
スタイリスト – 荒木里江
ヘアメイク – 那須野詞
特殊メイク・造形デザイン – 百武朋
特機 – 塩見泰久
スタント・コーディネーター – 辻井啓伺
キャスティング – 緒方慶子
スクリプター – 天池芳美
助監督 – 木ノ本豪、齊藤勇起、髙野佳子、米倉祐依
警察監修指導 – 古谷謙一、柳澤昌宏
報道番組監修 – 木藤憲治
法律監修 – 石黒安規
犯罪心理監修 – 越智啓太
医療指導 – 佐々木理恵
脚本分析 – 田中靖彦
配給 – ワーナー・ブラザース映画
企画・制作プロダクション – ROBOT
製作幹事・共同企画 – 日本テレビ放送網
製作 – 映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」製作委員会(日本テレビ放送網、ROBOT、ワーナー・ブラザース映画、WOWOW、ホリプロ、讀賣テレビ放送、電通、KDDI、ジェイアール東日本企画、D.N.ドリームパートナーズ、講談社、エー・チーム、GYAO、札幌テレビ放送、宮城テレビ放送、静岡第一テレビ、中京テレビ放送、広島テレビ放送、福岡放送)
22年目の告白 -私が殺人犯です- キャスト
曾根崎雅人〈44〉:藤原竜也
年齢に似つかわない容姿端麗の謎の男性。22年前に起きた東京連続絞殺事件の犯人を名乗り、事件にまつわる告白本を発表する。
牧村航〈45〉:伊藤英明
連続絞殺事件の担当刑事の一人。犯人をあと一歩のところで取り逃がした過去を持ち、その際に顔に負った傷が現在も残る。ノベライズ版では読書家の一面も見られる。
岸美晴〈27〉:夏帆
二件目の事件の遺族であり目撃者。書店員。牧村とは事件以来からの顔馴染みで、ノベライズ版では過去に牧村の影響から本好きになるきっかけとなるなど、その関係性が強調されている。
小野寺拓巳〈22〉:野村周平
牧村里香の婚約者。
牧村里香〈20〉:石橋杏奈
牧村航の妹。22年前は関西で看護婦をしていたが、阪神・淡路大震災で居住先を失ったことがきっかけで拓巳と共に牧村の住むアパートに引っ越してきた。しかし間もなくして、連続絞殺事件直後に行方不明になる。
春日部信司〈28〉:竜星涼
牧村航の後輩刑事。
川北未南子〈30〉:松本まりか
『私が殺人犯です』編集者・兼曾根崎のマネージャー。ノベライズ版では主人公格の一人として扱われる。
若松義生〈57〉:矢島健一
所轄組織犯罪対策課 課長。
戸田丈〈26〉:早乙女太一
橘組の構成員。連続絞殺事件の遺族の一人。
滝幸宏〈享年45〉:平田満
22年前の牧村航の上司の刑事。連続絞殺事件最後の被害者。
山縣明寛〈60〉:岩松了
四件目の事件の目撃者。共立中央病院の院長。
橘大祐〈64〉:岩城滉一
三件目の事件の目撃者。橘組の組長。
仙堂俊雄〈50〉:仲村トオル
「NEWS EYES」のキャスター。事件の真相を追求する。