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黒い家|保険業界の裏側を題材にとり、恐怖のドラマを展開させるショッキング・サイコスリラー。

黒い家
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黒い家は、1999年公開の日本映画。第4回日本ホラー小説大賞受賞した貴志祐介の「黒い家」が原作。保険業界の裏側を題材にとり、恐怖のドラマを展開させるショッキング・スリラー。※保険金殺人がテーマとなっており、原作小説の発表翌年に発生した和歌山毒物カレー事件と内容が酷似していることで話題となった。

黒い家 映画批評・評価・考察


黒い家

脚本:30点
演技・演出:16点
撮影・美術:15点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計77点

原作ファンからは評判が悪いもののホラー映画ファンには評価されている作品。大竹しのぶの狂気の演技を堪能できる映画なんですが、ちょっとやりすぎ感があり逆に笑ってしまいそうな壊れっぷりです。大竹しのぶ演じる菰田幸子の異常なほどのお金への執着があまり描かれておらず、手段を選ばないことだけが強調され過ぎています。まぁ、そういうサイコパスなところが怖いわけでもあります。

物語の終盤に若槻が菰田幸子の家に侵入するシーンは、恐怖!恐怖!恐怖!が心底伝わってきてさすが森田芳光監督な感じだったし、ありえないシチュエーチョンで「乳しゃぶれー!」「へたくそー!」なんかのセリフには呆気にとられました。

この作品から身近にいる「サイコパス」の恐怖を描く作品が増えていったので、ある意味パイオニア的作品なのかもしれません。

和歌山毒物カレー事件について
1998年10月4日、知人男性に対する殺人未遂と保険金詐欺の容疑で、元保険外交員で主婦の林 眞須美(はやし ますみ、1961年7月22日 – 、事件当時37歳)が、別の詐欺及び同未遂容疑をかけられた元シロアリ駆除業者の夫とともに和歌山東警察署捜査本部に逮捕された。さらに12月9日には、カレーへの亜ヒ酸の混入による殺人と殺人未遂の容疑で再逮捕された。同年末の12月29日に眞須美は和歌山地方検察庁により、殺人と殺人未遂の罪で和歌山地方裁判所に起訴された。

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黒い家 あらすじ

大手生命保険会社「昭和生命」の京都支社で保険金の査定業務を担当する主人公・若槻慎二は、保険加入者である菰田重徳からの呼び出しにより菰田家を訪問するが、そこで菰田家の子供(妻の連れ子)が首を吊った状態で死亡しているのを発見してしまう。
事件の疑いが濃厚な事案であったことに加え、菰田家には以前にも自傷とも疑われる不可解な保険金請求があったことから、昭和生命は保険金の支払いを保留していたが、重徳は執拗に支払いを求める。疑念を抱いた若槻は、一連の事件の首謀者を重徳と推測し、妻の幸子宛に注意を促す匿名の手紙を送ってしまう。
そこから、若槻自身とその周囲の生命が脅かされる、恐怖の日々が始まった。まず、若槻の恋人である恵が勤務する大学の研究室の心理学助教授、金石がプロファイリングによって菰田夫妻はサイコパスだと判断を下した矢先に、金石が惨殺された。さらに重徳が自ら両腕を切り落とすという事態を迎えると、さすがの若槻も部外者ではいられなくなってくる。悪質な契約者に対応する専門家である潰し屋・三善を幸子の元に派遣して様子を見るが、逆に三善は幸子の返り討ちにあい、同じように惨殺されてしまう。さらに激怒した幸子はついには若槻の自宅に侵入、若槻の彼女である恵を拉致するのだった。
若槻は、恵を救うために幸子の家へ向かう。。。。

黒い家 スタッフ

監督:森田芳光
プロデューサー:柘植靖司三沢和子山本勉
エグゼクティブプロデューサー:原正人
製作総指揮:角川歴彦大谷信義
脚本:大森寿美男
撮影:北信康
美術:山崎秀満
編集:田中愼二
音楽:山崎哲雄
音楽プロデューサー:浅沼一郎安井輝
主題歌:m-flo「chronopsychology」
照明:渡辺三雄
制作担当:望月雅雄橋本靖
録音:柿澤潔
助監督:杉山泰一
特殊メイク:江川悦子
配給:松竹
製作プロダクション:アスミック・エースエンタテインメント
製作:『黒い家』製作委員会(角川書店、松竹、IMAGICA、住友商事、日本出版販売、オーガスタパブリッシング、アスミック・エース エンタテインメント)

黒い家 キャスト

若槻慎二:内野聖陽
保険会社「昭和生命」で働く査定や保全担当の会社員。真面目だが気弱な性格で、話し方も大人しい。趣味は水泳だが、泳ぎ方にクセがありしぶきが隣のレーンの人にかかるぐらい立つ。
菰田幸子:大竹しのぶ山岸里紗(少女時代)
常に夢うつつのような個性的な話し方が特徴。重徳とは再婚。
趣味はボウリング。黄色が好きで、作中では普段着ている服や水着、サングラスのフレームなどに黄色いものを取り入れており、ボウリング場で使うボールも黄色である。
菰田重徳(旧姓:小坂):西村雅彦小川恵光(少年時代)
過去に障害給付金を取るために自分で自分の指を切断する「指狩り族」として保険に加入していた。
実は小学校は幸子や大西光代と同じ。小学6年生の時の遠足で同じ学年の女の子が池で亡くなった事件があり、重徳が好意を寄せていたことから、彼女を殺した疑いがかけられたことがある。
黒沢恵:田中美里
若槻の恋人。大学で働いており、同じ大学の助教授である金石については人にレッテルを張るようなものの見方をすることに抵抗があると評している。
葛西好夫:石橋蓮司
若槻の直属の上司。ベテラン職員で知識も経験も豊富であり、様々な保険加入者のクレームや難癖をなんとか穏便に対処する。
松井刑事:町田康
金沢中警察署の刑事。怪我のせいか詳しくは不明だが、右足を引きずって歩いている。金石の遺体の身元確認で、遺体が若槻の名刺を持っていたため引きあわせた。
三善茂:小林薫
普段は穏やかな口調だが、どこか凄みのある人物。葛西によると実は元極道関係の人で結婚を機に辞めて、保険会社に転職したとのこと。
金石克己:桂憲一
犯罪心理学が専門の助教授。怪しげな雰囲気を持つ人物。重徳(名前は伏せた状態)の小学生の時の作文を読むなどして「情勢欠如ではないか」と判断した。
角藤:伊藤克信
昭和生命の保険加入者。昭和生命の1回の入院給付金の限度日数が120日で、ちょうど120日ごとに病名を変えて入院を続けている。作中では診断している病院もグルで、角藤は給付金をもらって入院しており、昼間はいつもパチンコに行っているとされる。
大迫外務次長:菅原大吉
木谷内務次長:佐藤恒治
橋本教諭:小林トシ江
幸子と重徳の小学5年生の時の担任教師。幸子については目立たない性格ということもあり「あまり良く覚えていない」、重徳については「色々と問題のある子だった」と語っている。
国語力をつけさせるため、作文が苦手な子でも個性的な文章が書けるという理由で自身が担当を受け持ったクラスの児童に「夢(昨夜見た夢など」について作文を書かせている。
大西光代:友里千賀子
元保険外交員。幸子とは同じ小学校の同級生だが、それほど仲が良かったわけではない。務めていた保険会社のノルマもあり、偶然再会した幸子に保険を薦めた。
波多野医師:鷲尾真知子
重徳が働いている工場での事故により腕を切断した時の様子などを若槻に説明した。
菰田和也:針谷俊
幸子の連れ子。両親によって保険にかけられていたが、自宅で縊死した。死体発見者は若槻であるが、保険を受け取るために殺された疑いを持って若槻が調査を始める。
高倉嘉子:西美子
守衛:荒谷清水
保険会社「昭和生命」の建物を見まわっている警備員。作中では夜に会社内を見まわっており、時々残業をしている若槻に声をかけている。
営業マン:貴志祐介
出前持ち:山崎まさよし

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