首は、2023年公開の日本映画。北野武監督が初期の代表作の1本『ソナチネ』同時期に構想し、30年もの長きに渡って温めていた本作は、巨匠・黒澤明が生前「北野くんがこれを撮れば、『七人の侍』と並ぶ傑作が生まれるはず」と期待していた念願の企画の映画化だ。“本能寺の変”が、戦国武将や忍、芸人や百姓といった多彩な人物の野望や裏切り、運命とともに描かれ、キレ味抜群のバイオレンスと笑いをはじめとした北野のワールドのエッセンスが全開する。
そんな野心作に豪華&異色のキャストが集結!北野武自らが“本能寺の変”を策略する羽柴秀吉を飄々と演じ、織田信長に複雑な感情を抱く明智光秀を西島秀俊が演じる。加瀬亮が狂乱の天下人・織田信長を怪演し、浅野忠信と大森南朋も秀吉を支える軍師・黒田官兵衛と弟の羽柴秀長をユーモアたっぷりに演じ切る。さらには、秀吉に憧れる百姓・難波茂助を演じる中村獅童が北野組に初参戦。他にも木村祐一、遠藤憲一、桐谷健太、小林薫、岸部一徳らが歴史上の重要人物に独自のキャラでなりきっている。2023年11月23日(祝・木)の日本公開。
首 映画批評・評価・考察
首(英題:KUBI)
脚本:19点
演技・演出:12点
撮影・美術:15点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計60点
ストーリーは、羽柴秀吉と千利休に雇われ、謀反人と逃げ延びた敵を探す旅をしていた曾呂利新左衛門は、信長に反旗を翻し逃走する荒木村重を偶然捕らえた。この首の価値はいかに。曾呂利は、荒木村重の身柄を千利休に引き渡すが―。信長、秀吉、光秀、家康を巻き込み、首を巡る戦国の饗宴が、今始まる。
カンヌ映画祭にて
日本実写作品として初の選出となる「カンヌ・プレミア」部門としての公式上映、世界最速上映となるワールドプレミアがついに開催された。公式上映のチケットは発売されるやいなや即完売し、場内には1068席を埋め尽くす超満員が駆けつけ、改めて本作への期待の高さがうかがえる。
そして、北野監督とキャストたちが姿を現すと、会場は総立ちとなり割れんばかりの拍手で迎え入れた。約141分にも及ぶ本作も終盤、エンドロールに北野監督の名前がスクリーンに映し出されるやいなや、早くも場内からは惜しみない拍手と歓声が巻き起こり、上映が終了すると、ドビュッシー劇場を埋め尽くした観客による約5分にも及ぶスタンディングオベーションが贈られた。
海外に間違った歴史認識を広めてしまうと考えるとかなり問題のある作品。全体的にコミカルなブラックユーモアで歴史上の英雄・武将達をあえて悪い印象が残るように描いています。内容としては品性御下劣でエンタメとして観ても駄作感のある脚本と演出でした。ただ北野映画のすごいところは、芸術的な肌観を感じるビジュアルは保っています。脚本の質の低さと演技の質の低さがこれまでの北野映画の中でもワースト争いではないでしょうか。。。。
首 あらすじ
天下統一を掲げる織田信長(加瀬亮)は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい戦いを繰り広げていたが、その最中、信長の家臣・荒木村重(遠藤憲一)が反乱を起こし、姿を消す。信長は明智光秀(西島秀俊)、羽柴秀吉(ビートたけし)ら家臣を一堂に集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索を命じる。
「働き次第で俺の跡目を指名する。
いいか、荒木一族全員の首を斬ってしまえ!
ただし、村重だけは殺すな。俺の前に必ず連れてこい!」
秀吉は弟の羽柴秀長(大森南朋)、軍司・黒田官兵衛(浅野忠信)とともに策を練り、千利休(岸部一徳)の配下で元忍(しのび)の芸人・曽呂利新左衛門(木村祐一)に村重の探索を指示する。秀吉は逃亡した村重を利用し、主君の信長と光秀を陥れ、密かに天下を獲ろうと企んでいたのだ。新左衛門によって捕らえられた村重は光秀に引き渡されるが、光秀は村重を殺すことができず、城に匿う。同じころ、成り上がり者の秀吉に憧れる百姓の難波茂助(中村獅童)は村を飛び出し、戦場へ。そこで出会った新左衛門は、出世して大名を目指そうとする茂助に天下一の芸人になることが夢の自分を重ね、ふたりは行動をともにすることになる。村重の行方が分からず苛立つ信長は、村重の反乱の黒幕が徳川家康(小林薫)だと考え、光秀に家康の暗殺を命じる。だが、秀吉は家康の暗殺を阻止することで信長と光秀を対立させようと目論み、その命を受けた新左衛門と茂助がからくも家康の暗殺を阻止することに成功する。家康を排除したい信長は、京都・本能寺に茶会と称して家康をおびきよせる計画を光秀に漏らす。信長を討つ千載一遇の好機を得た光秀は、村重に問う。
「これは……天命だと思うか?」
信長への愛憎入り乱れた感情を抱きながら、ついに信長の“首”を獲る決意を固めた光秀。
一方、秀吉は家康を巻き込みながら天下取りのために奔走する。
武将たちの野望、芸人と百姓の野望、それぞれの野望が“本能寺”に向かって動き出す。
果たして、この“首”の価値は如何に?
首 スタッフ
監督:北野武
原作:北野武
脚本:北野武
編集:北野武
製作:KADOKAWA
配給:東宝,KADOKAWA
首 キャスト
羽柴秀吉:ビートたけし
明智光秀:西島秀俊
織田信長:加瀬亮
難波茂助:中村獅童
黒田官兵衛:浅野忠信
羽柴秀長:大森南朋
曽呂利新左衛門:木村祐一
荒木村重:遠藤憲一
斎藤利三:勝村政信
般若の佐兵衛:寺島進
服部半蔵桐:桐谷健太
安国寺恵瓊:六平直政
間宮無聊:大竹まこと
為三:津田寛治
清水宗治:荒川良々
森蘭丸:寛一郎
弥助:副島淳
徳川家康:小林薫
千利休:岸部一徳