風の谷のナウシカは、1984年公開の日本映画。「火の7日間」といわれる最終戦争で壊滅した近未来を舞台に、風の谷の王妃・ナウシカが、谷を守るため、人々が忌み嫌う王蟲(オーム)と心を通わせ、トルメキア王国の陰謀に立ち向かう姿を描く。アニメ雑誌「アニメージュ」に連載された宮崎駿原作の同名漫画のアニメ化で、脚本、監督も宮崎駿が担当。高畑勲・鈴木敏夫・久石譲ら、のちのスタジオジブリ作品を支えるスタッフが顔を揃えている。キャッチコピーは「少女の愛が奇跡を呼んだ」
風の谷のナウシカ 映画批評・評価・考察
風の谷のナウシカ(英題:Nausicaä of the Valley of the Wind)
脚本:40点
演技・演出:20点
撮影・美術:20点
編集:10点
音響・音楽:10点
合計100点(満点)
何度見ても、必ず同じシーンで泣いてしまうんです。子供の頃から繰り返し見ていますが、主人公の行動に感動して泣くということを体感した初めての映画かもしれません。
原作との相違について
映画の制作準備の為、原作漫画の連載は『アニメージュ』1983年6月号にて一時中断されました。この時点では単行本第3巻のはじめの部分 (土鬼 (ドルク) の住民が全滅した集落で、ナウシカが蟲に襲われる場面) までが描かれていました。映画版では単行本第2巻途中(66ページ)、王蟲の群が暴走するエピソードまでを扱い、設定や展開を脚色し、映画版オリジナルストーリーになっています。
アメリカ版(英語版)の声優がめちゃくちゃ豪華
シャイア・ラブーフ、ユマ・サーマン、パトリック・スチュアート、マーク・ハミル、クリス・サランドン、エドワード・ジェームズ・オルモスetc..往年の大スターから名脇役まで勢揃い
風の谷のナウシカ あらすじ(ネタバレ)
かつて人類は自然を征服し繁栄をきわめたが、「火の7日間」と呼ばれる大戦争で産業文明は壊滅した。それからおよそ千年、わずかに生き残った人類は巨大な蟲類が棲み、有毒な瘴気を発する菌類の広大な森・腐海に征服されようとしていた。
腐海のほとりに、海からの風によって瘴気から守られている小国・風の谷があった。その族長ジルの娘ナウシカはメーヴェにのって鳥のように飛び、人々の嫌う巨大な蟲・王蟲と心をかよわせる自然との不思議な親和力を持っていた。
ある夜、風の谷に巨大な輸送機が墜落し、翌日巨大な血管のかたまりのようなものが発見された。それは、「火の7日間」で世界を焼き尽くしたという兵器・巨神兵だった。ペジテ市の地下から掘り出され、それを奪い取った世界統一の野望を持つトルメキア王国が、輸送中墜落したのである。墜落を知ったトルメキアの皇女クシャナは、大編隊を風の谷に送り込んで来、ジルを殺しナウシカを人質として連れ去った。
トルメキアの船はペジテのアスベルに襲われる。ナウシカは腐海に落ちたアスベルを救出し、腐海の秘密を知った。腐海の樹々は汚染された世界を浄化するために大地の毒を自らに取り込み、きれいな結晶にかえて砂となっていた。蟲たちは自然を破壊するものから森を守っていたのだ。ペジテに戻ったナウシカとアスベルは、市長から風の谷のトルメキア群を壊滅させるため、蟲を使って襲わせようという計画を聞いた。ナウシカはアスベルの母に助けられ、捕われた船からメーヴェに乗って脱出した。
一方、風の谷では村人が一斉に蜂起を始めていた。風の谷に向かうナウシカは怒りで目を真紅に輝かせてばく進する王蟲の大群を見る。群れの向かっている方向には一機の飛行ガメが浮かび、それは瀕死の王蟲の子をぶら下げていた。ペジテの計画とはこのことだったのだ。王蟲の暴走を知った風の谷の人々は大パニックに陥り、クシャナは巨神兵を使うことを決意する。だが、時期が早すぎたため少しの力をだした後、くずれ去ってしまった。
ナウシカは武器も持たずに攻撃されながら飛行ガメの中へ飛び込んで行った。その衝撃で飛行ガメは落下し、ナウシカは酸の湖の中へ入ってしまおうとする王蟲の子を身を挺して止めた。赤かった王蟲の子の目が青に変わった。ナウシカは王蟲の子と共に、王蟲の大群の眼前に降り立った。あっという間に、王蟲の群れはナウシカの身体をも包み込んでしまったが、靄が晴れた後、青い目の王蟲の群れの真中に彼女は横たわっていた。王蟲の中の一体がナウシカの遺体の下に触毛をまわして持ち上げた。あたりが光り輝き、奇跡が起こった。ナウシカがゆっくりと目をさました。朝日が昇る中、蘇り目を覚ましたナウシカは、王蟲達の金色の触手に支えられながら歩き出す。さながらその姿は、青き衣の者の伝説を体現したかのようであった。
谷に集まった王蟲達は森へ帰っていった。クシャナ達トルメキア兵は谷から去り、ナウシカとアスベル、谷の大人達はペジテの大人達と共に風車を使う井戸を作り、両方の子供達は植林をする。その後ナウシカは、アスベルと共に腐海の底に初めて向かうユパを見送る。腐海の底に落ちたナウシカのヘルメットの脇で、こぼれ落ちたチコの実から若木が芽生える描写の後、物語は幕を閉じた。
風の谷のナウシカ スタッフ
監督:宮崎駿
脚本:宮崎駿
原作:宮崎駿
製作:高畑勲
製作総指揮:徳間康快,近藤道生
音楽:久石譲
撮影:白神孝始
編集:木田伴子,金子尚樹,酒井正次
制作会社:トップクラフト
製作会社:徳間書店,博報堂
配給:東映,ニューワールド・ピクチャーズ,ブエナ・ビスタ・インターナショナル
風の谷のナウシカ キャスト
ナウシカ:島本須美:アリソン・ローマン
アスベル:松田洋治:シャイア・ラブーフ,カム・クラーク(Warriors of the Wind版)
クシャナ:榊原良子:ユマ・サーマン
ユパ・ミラルダ:納谷悟朗:パトリック・スチュワート
大ババ:京田尚子:トレス・マクニール
クロトワ:家弓家正:クリス・サランドン
ジル:辻村真人:マーク・シルヴァーマン
ミト:永井一郎:エドワード・ジェームズ・オルモス
ゴル:宮内幸平:フランク・ウェルカー
ギックリ:八奈見乗児:ジェフ・ベネット
ムズ:ジェームズ・アーノルド・テイラー
ニガ:矢田稔:マーク・シルヴァーマン
ラステル:冨永みーな:エミリー・バウアー
ペジテ市長:寺田誠:マーク・ハミル
ラステルの母:坪井章子:ジョディ・ベンソン
テト:吉田理保子
少年:坂本千夏,TARAKO,鮎原久子
少女:菅谷政子,貴家堂子,吉田理保子:グレイス・ロレク
コマンド:水鳥鐵夫
トルメキア兵:野村信次,大塚芳忠
ペジテ市民:中村武己,島田敏
ペジテの少女:太田貴子:アシュレイ・ローズ・オル
ナレーター:トニー・ジェイ
王蟲の声(鳴き声)は布袋寅泰が演じている。ただし、自らの声で演じているのではなく、エレキギターで出した音を声として収録しているため、布袋の名前はテロップにクレジットされていない。