遊星からの物体X は、1982年公開のアメリカ合衆国のSFホラー映画。南極基地に現れた地球外生命体の怪物とそれに立ち向かう隊員達を描く。ジョン・カーペンター監督、ターマン・フォスター・プロ製作。SFX担当は当時22歳のロブ・ボッティンで、同監督の『ザ・フォッグ』(1979年)に続いての起用となる。
遊星からの物体X 映画批評・評価・考察
遊星からの物体X (原題:The Thing)
脚本:36点
演技・演出:16点
撮影・美術:18点
編集:8点
音響・音楽:6点
合計:84点
グロテスクなのに、何回も見てしまう飽きない映画。女性が全く出演していない上にむさ苦しい男ばかり。でも見てしまう。全編に漂う緊張感や予想外の演出、特撮は今見ても耐えられるほど良くできている。今作で描写された寄生設定、宇宙人の造形や演出は、今作以降の映画やドラマ、日本の漫画やアニメにも大きな影響を与えています。
遊星からの物体X あらすじ(ネタバレ)
約10万年前、宇宙から飛来した飛行船が地球に引き寄せられ、大気圏で炎に包まれながら南極へと落下した。
1982年冬の南極。アメリカ南極観測隊第4基地に1匹の犬が逃げこんできた。その犬を軍用ヘリが執拗に追いライフル銃で狙い撃ちする。ついにヘリは着地し、射手はなおも犬を狙う。射手はアメリカ基地のゲーリー(ドナルド・モファット)により射殺された。ヘリの国籍はノルウェイだった。何の理由で彼らは犬1匹を殺そうとあれほど必死になったのだろうか。
謎を解くべく、ヘリ・パイロットのマクレディ(カート・ラッセル)はコッパー医師(リチャード・ダイサート)を乗せて、ノルウェイ基地へ向かった。そこは廃墟と化していた。そこここに転がる隊員の死体。しかも、その死に方は尋常ではない。地下室では長方形の氷の魂りが見つかり、中から物体を取り出した形跡があった。さらに外の雪上には形容しがたい形状をしたモノがあった。これはコッパーや生物学者のブレア(A・ウィルフォード・ブリムリー)によってチェックされたが、さすがの専門家も首をかしげるのみ。
その頃、ヘリに追われて来た犬が犬舎で変身を始め、周りの犬を襲い出した。駆けつけたチャイルズの足に触手が巻きついた。マクレディが火炎放射でその物体を焼き殺した。ノルウェイ基地で発見したビデオからノルウェイ隊がUFO落下地点で氷の魂を切り出したことを知り現地へ飛ぶマクレディら。そこは推定10万年前にUFOが落下した跡だった。
ブレアは研究を進め、ノルウェイ隊を全滅させたのは、あの犬をとり込んだ何かだったことは間違いないと判断した。この10万年前に地球に飛来した宇宙生物は、狙いをつけた生物体に侵入し、それに同化するらしい。およそ2万7千時間で、地球は征服されてしまう計算だ。犬舎で抹殺したはずの物体が、ベニングスを襲う。変身途中の彼は火炎放射を浴びた。
ヘリは破壊され、無線もきかない基地で、12人いた隊員はこうして次々に物体にやられてゆき、隊員は互いを不信の目で見る。やがて、ブレアとマクレディ、そしてチャイルズだけが残った。ブレアも物体にやられ、マクレディは基地を焼却して物体を退治した。マクレディとチャイルズは顔を見合わせた。2人が物体におかされてないとはいえないのだから。
遊星からの物体X スタッフ
製作総指揮:ウィルバー・スターク
製作:デイヴィッド・フォスター,ローレンス・ターマン,スチュアート・コーエン
監督:ジョン・カーペンター
脚本:ビル・ランカスター
原作:ジョン・W・キャンベル Jr.(『影が行く』早川書房刊)
撮影:ディーン・カンディ
音楽:エンニオ・モリコーネ
特撮:アルバート・J・ウィットロック,ロイ・アーボガスト,リロイ・ルートリー,ミッチェル・A・クリフォード
メイクアップ:ロブ・ボッティン
追加モンスター(ドッグモンスター)製作:スタン・ウィンストン
編集:トッド・ラムジー
配給:ユニバーサル映画
遊星からの物体X キャスト
R・J・マクレディ:カート・ラッセル
ブレア:ウィルフォード・ブリムリー
ギャリー:ドナルド・モファット
チャイルズ:キース・デイヴィッド
ドクター・コッパー:リチャード・ダイサート
パーマー:デヴィッド・クレノン
ジョージ・ベニングス:ピーター・マロニー
ヴァンス・ノリス:チャールズ・ハラハン
ライフルを持ったノルウェー隊員:ラリー・J・フランコ
クラーク:リチャード・メイサー
ノールス:T・K・カーター
ウィンドウズ:トーマス・ウェイツ