手紙(てがみ)は、2006年公開の日本映画。東野圭吾の小説『手紙』の映画化作品。犯罪加害者の親族の視点に立って、その心情の動向を丹念に追った作品である。主人公・武島直貴は、原作ではバンドを結成するが、映画では漫才コンビを結成する。
手紙 映画批評・評価・考察
手紙
脚本:40点
演技・演出:12点
撮影・美術:20点
編集:10点
音響・音楽:5点
合計87点
素晴らしい作品だと思います。ただし、この素晴らしい作品を台無しにしたのは、主演の山田孝之でした。彼にはこの役を演じるにはまだ早かったように思えます。役作りからして全てダメでした。違和感を感じるほど整い過ぎたまゆげや長すぎるもみあげ、今一つ感情が溢れてこない瞳と表情。玉山鉄二の渾身の演技と比較するとあまりにも稚拙です。これだけ原作・脚本が優れている作品に出会うことがあまりないためとても残念でした。といっても随所に僕は涙で溢れていましたが、だからこそ残念に思ったのです。
この素晴らしい作品を台無しにした演出が最後にもありました。この歌が流れてきたときに、僕はえ?は?と感じました。小田和正の「言葉にならない」は確かに名曲ですが、感きわまった状態の言葉にならないシーンにこの曲は蛇足すぎるのです。これをあざとい演出といわずして何を言うって感じでした。
手紙 あらすじ(ネタバレ)
川崎の工場で働く武島直貴(山田孝之)は周りの人々と距離を置いて生活していた。兄の剛志(玉山鉄ニ)が直貴を大学にやるための学費欲しさに盗みに入った家で誤って人を殺してしまい、千葉の刑務所に服役中だからだ。兄と弟は手紙によって連絡を取り合っていた。一方直貴は子供時代からの親友・祐輔とお笑いコンビ“テラタケ”を組み、プロを目指している。そんな直貴に惹かれた食堂の配膳係・由美子(沢尻エリカ)は何かと彼の世話を焼こうとした。やがて“テラタケ”はブレイクし、直貴は大企業の専務令嬢・朝美と恋に落ちた。しかし、インターネットの書き込みから直貴が殺人者の弟だという噂が広まってしまう。兄のことで散々差別を受けてきた直貴は“テラタケ”を一方的にコンビ解消し、朝美と結婚しようとした。しかし朝美の親にも事実が発覚し、別れざるを得なくなる。更には勤め始めた電気店でもそれが理由で左遷されてしまう。直貴は兄を恨み、手紙の返事も出さなくなった。そんな直貴を現実に向き合わせ、勇気づけたのが、由美子だった。実は由美子は剛志への手紙を直貴のフリをして書き続けていたのだ。直貴は由美子が自分にとって大切な存在であることを強く意識する。数年が経ち、結婚した直貴と由美子の間には一人娘が生まれていた。平穏な生活。しかしここにも差別の波が押し寄せてくる。親たちの指図によって娘から友達が離れていったことを知った直貴はついに剛志に兄弟の縁を切りたいという手紙を書いた。そして全てを清算するために被害者の遺族に挨拶に出かける直貴。そこには剛志が送り続けたという謝罪の手紙の束があった。遺族もこれで全てを終わりにしたいと言う。直貴は祐輔の呼びかけにより、刑務所慰問のため“テラタケ”を一度だけ再結成する決心をした。兄・剛志の服役する千葉の刑務所。服役者の前で“テラタケ”は漫才を演じた。兄に向けて励ますかのようなギャグを演じる弟。爆笑に包まれる観客の中には、泣きながら舞台上の直貴の姿を見つめる剛志の姿があった。
手紙 スタッフ
監督:
企画: ,
プロデューサー: ,
ラインプロデューサー:
監督補:
助監督:
音楽プロデューサー:
主題歌:高橋瞳 「コ・モ・レ・ビ」
挿入曲:小田和正「言葉にできない」 / 若山かずさ「縁切寺」ほか全12曲
撮影:
照明:
録音:
美術:
記録:
製作担当:
アソシエイトプロデューサー: ,
スタイリスト:
ヘア・メイクアップデザイン:
宣伝プロデューサー:
アシスタントプロデューサー:
音楽エグゼクティブ:
お笑い協力:
漫才監修:
特別協力:
制作プロダクション:
製作:2006 『手紙』 製作委員会( 、日活、 、毎日新聞社、スターダストピクチャーズ、レントラックジャパン、東急レクリエーション、ソニー・ミュージックエンタテインメント)
手紙 キャスト
武島直貴 –
兄と2人暮らし。のちに人生の転機を迎えるたびに兄の犯罪が付きまとう。愛する家族を守るために、兄に離別の手紙を書く。
武島剛志 –
直貴の兄。直貴を大学に行かせるための金欲しさから強盗殺人を犯してしまう。直貴を思う気持ちから刑務所から手紙を書き続けるが、ある出来事を境に、直貴から離別の手紙を送られる。
白石由実子 –
基本的に原作通り関西弁でしゃべる。
直貴に一方的にアプローチし、後に精神的支えとなる。彼女もまたある事情を抱えていた。
中条朝美 –
直貴の恋人。犯罪者のために、顔に一生消えない傷を負ってしまう。
中条 –
GSコーポレーション専務。朝美の父。
嘉島孝文 –
朝美の婚約者。
寺尾祐輔 –
直貴の同級生であり友人で、お笑いコンビ「テラタケ」を結成する。誤解から直貴を殴ってしまうが、後に直貴の真意を知って和解する。
緒方 –
被害者。緒方忠夫の母。
緒方忠夫 –
剛志の犯罪被害者の息子。
平野 –
直貴の勤務先であるケーズデンキの会長。
ケーズデンキ店長 –
直貴に倉庫への異動を言い渡す。
倉田 –
直貴の仕事場の先輩。過去に千葉刑務所に服役。
バーのマスター –
直貴のバイト先
神山裕子:
お笑いコンビ「テラタケ」の所属事務所社長。
刑務所の慰問歌手 –
アパートの管理人 –
食堂のおばちゃん –
食堂のおばちゃん –
食堂のおばちゃん –
レポーター –