学校の怪談は、1995年公開の日本映画。どこの小学校にも、ひとつはある怪談話。子供たちの間で秘かなブームを呼んでいるそれらの話をベースに、お化けが出ると噂される旧校舎に迷い込んだ先生と生徒たちの一夜の恐怖の体験を描く。
学校の怪談 映画批評・評価・考察
学校の怪談(がっこうのかいだん)
脚本:33点
演技・演出:16点
撮影・美術:14点
編集:9点
音響・音楽:8点
合計80点
子供向けホラーとなっていますが、背筋がゾクっとするような演出は上手く表現できています。大人が見た場合はコメディ・ホラーのようなところもありますし、懐かしさ、ジュブナイル映画としても楽しめます。童心を思い出させてくれるので人によっては悪い記憶が蘇るかもしれません、僕は甘づっぱいような懐かしい思い出が蘇りました。
学校の怪談 あらすじ(ネタバレ)
いよいよ明日から夏休みという一学期の終業式の午後、2年生の美夏は絵の具を教室に忘れ、一人学校へ取りに戻った。美夏が道具箱を取って帰ろうとすると、サッカーボールがまるで美夏を誘うように旧校舎へと導いて行くのだった。その木造の旧校舎はすでに取り壊しが決定して立入禁止となっていて、しかもお化けが出ると噂されていた。美夏はそこの女子トイレで何者かに襲われてしまう。
美夏の帰りが遅いのを心配した5年生の姉・亜樹は、彼女を探すためにやはり吸い寄せられるように旧校舎へと足を踏み込む。亜樹はそこで、いたずらしようと忍び込んでいた同級生の研輔と将太、4年生で双子の弟・一、6年生の香織たちと出会う。しかし転校して来たばかりでなにかと研輔とウマが合わない亜樹は、一人で妹を探そうとするのだが、やがて自分たちがいつの間にか旧校舎の中に閉じ込められてしまっていることに気づく。
そんな彼らの前に姿を現したのはテケテケのお化けだった。噂が本当だったことを知った彼らはパニックに陥る。美夏を探しに行った亜樹と香織は巨人の男の子に追いかけ回され、理科室でその帰りを待っていた男子たちも人体標本に襲われる。巨人から逃れて、偶然焼却炉から表に逃げ出すことが出来た亜樹は、いつまでも家に戻らない子供たちを心配して学校に残っていた小向先生と研輔の母・由美子、そして双子の兄・均に旧校舎の中の様子を報告し、残ったメンバーを助け出すために、再び小向先生と旧校舎へ乗り込んで行く。中で子供たちと合流した小向先生だったが、次々に襲い来るお化けたちを交わしながら逃げ惑うのが精一杯。次第に凶暴になっていくインフェルノに追いつめられていく。
一方、表に残った均は、一からのテレパシーで、校内で“壊れているもの”を探し始める。由美子の友人のヤンキーたちの協力を得ながら、封魔円を校庭に描く均。“壊れているもの”が埴のハニ太郎だと気づいた均は、それを封魔円の真ん中に据えた。すると、ハニ太郎は不思議な光を放ち始めたのである。
その頃、インフェルノに倉庫の隅に追いやられた小向先生たちは、非常口をぶち破ってそこから逃げようとするが、扉の向こうには闇の世界が展開するのみだった。いよいよ窮地に立たされた小向先生は、勇気を絞って闇の中へダイブ。子供たちもそれに続いた。その闇は学校のプールへ続く逃げ道だったのである。こうして脱出に成功した小向先生たちは、直ったハニ太郎を前に生還を喜び合った。
しかし、そこには香織の姿がなかった。実は、香織は病気で入院している生徒で、たった今息をひきとったとの連絡が彼らに入る。不思議な体験をした亜樹たちは学年を越えて仲良くなり、夏休みを楽しく過ごすのであった。
学校の怪談 スタッフ
監督:平山秀幸
企画:サンダンス・カンパニー
製作:藤峰貞利,高井英幸
プロデューサー:酒井良雄,藤田義則,瀬田一彦
原作:常光徹,日本民話の会
脚色:奥寺佐渡子
撮影:柴崎幸三
SFX:中子真治
美術:中澤克巳
編集:川島章正
音楽:Fuji-Yama(諸藤彰彦,山崎茂之)
音楽プロデューサー:高桑忠男(東映音楽出版)
助監督:蝶野博
クリーチャーデザイン:寺田克也
製作:東宝
配給:東宝
学校の怪談 キャスト
小向伸一:野村宏伸
亜樹、研輔、将太のクラス(5年3組)担任を務める、どこか頼りない先生。28歳。
子供の頃は、喘息の発作をよく起こしたらしい。由美子とは幼馴染で、クマヒゲとも面識があった。
当初の設定では2にも同じ役柄で登場する予定だった。
篠田亜樹:遠山真澄
5年生。つい最近、東京から転校してきた。愛想がなく、強気な性格が災いしてクラスになじめずにいる。行方不明になった妹の美夏を探して、旧校舎に入る。ポプラ社版小説では妹の美夏と共に未登場である。将太のイタズラにも我関せずを装っていたが、妹の美夏には嬉々として聞かせる、友達がいないことを研輔に指摘されて涙ぐむなど、本当に関心がないわけではない。
篠田美夏:米澤史織
2年生。亜樹の妹。姉の亜樹とは対照的な、明るく人懐っこい性格。忘れ物を取りに学校へ戻ったところ、お化けに誘われるようにして旧校舎に迷い込む。ずっと気絶していたため、事件中の登場は少ない。
中村研輔:熱田一
5年生。クラスメートの亜樹とは仲が悪い。ガキ大将タイプ。よくイタズラをしていて、イタズラ道具を探しに旧校舎に入ったことから、事件に巻き込まれる。集英社版小説では、亜樹に対する態度は好意の裏返しであり、事件を通じて2人は惹かれあうようになる。
瀬川将太:塚田純一郎
5年生。研輔と仲が良く、行動を共にしている。亜樹に対しては冷淡に接するが、性根は気さくで心優しい。旧校舎で出会った香織に一目惚れする。
千葉均:町田耕平
4年生。双子の兄。自宅はコンビニエンスストアを経営している。気が弱く、クラスでは「ゲロ兄」と呼ばれている。悪霊を封じる魔法陣を使おうとしていたところを、事件に巻き込まれる。本人は自覚していないが実は超能力の持ち主で、鏡を使って双子の弟の一とテレパシーで会話できる場合がある。集英社版小説では名前が善男になっている。
千葉一:町田昇平
4年生。双子の弟で、不登校。かつて、兄が「ゲロ兄」と呼ばれるきっかけを作ってしまった。兄と同じく超能力の持ち主で、霊感が強い。均からテレパシーで事件解決のヒントを得て、由美子や彼女の仲間のヤンキーたちの力を借りながら一人校舎外で奮闘する。なお、演じた町田兄弟は、実際は弟役の昇平が兄で、兄役の耕平が弟である。
集英社版小説では名前が光男になっている。ポプラ社版小説では未登場である。
小室香織:岡本綾
6年生。亜樹が旧校舎の中で出会った女子で、不思議な雰囲気の少女。
クマヒゲ:佐藤正宏
用務員。「廊下を走るな」「物を散らかすな」など、よく愚痴をこぼしている。校内美化や公序良俗に厳しい。伸一が小学生の頃からの顔見知りだが、その頃と同じ姿をしており、言動や挙動もどことなく怪しい。
中村由美子:杉山亜矢子
研輔の母。ヤンキーたちのリーダーで、伸一とは幼馴染。早くに夫を亡くしている。ポプラ社版小説では未登場である。
校長先生:久保晶
均・一の母:広岡由里子
亜樹・美夏の母:水木薫
湯川先生:余貴美子
当直の先生:笹野高史
バイク屋社員:渡辺成紀
ヤンキー:真日龍子,鈴木景子,岸田修治,嶋田豪
先生:伊藤留奈,浦崎宏
口裂け女:佐藤勝栄
花子さん:小西杏奈
人体標本:元気安
巨人の男の子:鈴木浩之
亡霊のベートーベン:てるやひろし
インフェルノ:吉田瑞穂