孔雀王 アシュラ伝説は、1990年公開の日本・香港合作映画。『孔雀王』の続編。鬼神・阿修羅の血を引く少女をめぐってふたりの若き退魔師の活躍を描くアクション映画の第二弾。監督は「帝都大戦」「RIKI-OH/力王」総監督のラン・ナイチョイ。荻野真の同名漫画を基に、脚本は曽田博久、撮影は関志勤が担当。香港ではユン・ピョウを主役の孔雀、阿部寛をコンチェとしてユン・ピョウ主演風に編集されたバージョン(93分)が公開された。実写化された『孔雀王』、『孔雀王 アシュラ伝説』は日本バージョンはVHSのみの販売となっており、DVD化はされていない。ユン・ピョウを主人公とした香港バージョンは購入が可能となっているが中国語のみの音声に限定される。
孔雀王 アシュラ伝説 映画批評・評価・考察
孔雀王 アシュラ伝説(英題:SAGA OF THE PHOENIX)
脚本:12点
演技・演出:4点
撮影・美術:9点
編集:5点
音響・音楽:5点
合計35点
阿部寛初主演映画にして、彼があまりにも自分の演技の酷さに落胆し、本格派俳優への道を歩みだすきっかけとなったのが今作で、今や日本を代表する俳優となりました。その酷い演技というのは、セリフを棒読みなことや表情の作り方など本当に素人なんです。
前作も緒形拳やリュー・チャーフィーを起用するなど渋い配役だったのですが、今作は勝新太郎に名取裕子と渋すぎる人選です。ただし、今作は前作に比べて明らかに予算が少ないのでロケーションや特撮が微妙な出来となっています。
孔雀王 アシュラ伝説 あらすじ(ネタバレ)
密教の最高僧慈空(勝新太郎)と天輪尼(名取裕子)によってネパール・ラマ寺院に再び封印されようとしていた魔性の少女アシュラ(グロリア・イップ)は普通の人間として生きたいと必死で抵抗していた。アシュラの純粋さを信じる孔雀(阿部寛)とコンチェ(ユン・ピョウ)も声をそろえたが、魔性の子であるアシュラはたとえ人間界に残っても七日間しか生きられない。それでもアシュラは人間として生きる道を選んだのだ。彼女をその間魔族から守り抜く使命を負った孔雀とコンチェ、そして封印されていた間の唯一の友、戯鬼と共にアシュラは香港で知り合った且(ラウ・セイン)と珍(ロレッタ・リー)のもとで、生まれて初めて普通の女の子としてつかの間の幸せを味わっていた。だが、彼女の周囲では早くも異変が起き始めていた。アシュラが魔界に背いたことを知った魔族の女王鬼妃(ナイ・シュ)が密かに刺客を送り込んでいたのだった。コンチェが魔宮パドーマに囚われ、戯鬼も魔族の手に落ちた。遂に七日目、魔族が迫っていること、さらにコンチェが瀕死の状態であることを知ったアシュラは、もはや法力を放つ力も残っていないまま最後の決着をつけるべく一人魔宮へ向かった。後を追う孔雀。そして、アシュラによって助けられたコンチェと共に、巨大な怪物と化した鬼妃を死闘の末倒した彼女は人間として生きてゆくのだった。
孔雀王 アシュラ伝説 スタッフ
監督:ラン・ナイチョイ
脚本:曽田博久
原作:荻野真
製作:レイモンド・チョウ,レナード・ホー
製作総指揮:チュア・ラム,三木孝祐
音楽:フィリップ・チャン
主題歌:グロリア・イップ「ASHURA」
撮影:関志勤
編集:姜興隆
製作会社:嘉禾電影有限公司,砂工房,クラウン
配給:東宝東和
孔雀王 アシュラ伝説 キャスト
孔雀:阿部寛
コンチェ:ユン・ピョウ
アシュラ:グロリア・イップ
珍:ロレッタ・リー
且:劉錫賢(ラウ・セイン)
輪光尼:橘ゆかり
輪月尼:早瀬恵子
輪星尼:荒井乃梨子
鬼妃:ナイ・シュ
天輪尼:名取裕子
慈空:勝新太郎