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失楽園|男と女はここまで愛しあえるのか。渡辺文学の頂点、遂に映画化。息をのむ究極の愛。

失楽園
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失楽園(しつらくえん)は、1997年公開の日本映画。渡辺淳一のベストセラー小説を森田芳光監督が映画化し大ヒットを記録した不倫ドラマ。虚無的に生きる妻子あるサラリーマンの久木と冷えた夫婦生活に疲れた凛子は運命の恋に落ち、激しい愛に溺れていく。女性客を集めて配給収入で23億円、興行収入では約40億円の大ヒットを記録。不倫を主題とし、一般向け新聞連載ではあまり例のない性描写が含まれており、社会現象になるほどの話題を呼んだ作品です。日本アカデミー賞、報知映画賞、キネマ旬報賞受賞作。

失楽園 映画批評・評価・考察

失楽園 [ 役所広司 ]
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失楽園

脚本:20点
演技・演出:13点
撮影・美術:13点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計60点

黒木瞳の脱ぎっぷりが良いので大胆ではあるけれど、ソフトな絡みまでの濡れ場シーンが続く作品です。大人の色気があり、出演者も品があるので映像的には見栄えがしますが、五社英雄や大島渚のような艶を感じられずエロスの域に達せず。。。という微妙な作品でもあります。たまたまヒットはしましたが、森田芳光監督は、こういう作品には向いていないと思いますし、プロモーションが上手くいったことで大ヒットしたように思えます。官能的過ぎたり、過激路線だと一般的な女性層を取り込むのは難しいこともあり、こうなったんだろうな。。。っていう感じで捉えてます。

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失楽園 あらすじ(ネタバレ)

出版社の敏腕編集者である久木祥一郎は、ある日突然、編集の第一線から閑職の調査室配属を命じられた。そんな久木の前に、友人・衣川が勤めるカルチャーセンターで書道の講師をしている松原凛子という美しい人妻が現れる。彼女は“楷書の君”と呼ばれているほど折り目正しく淑やかな女性だが、久木の強引でひたむきな恋の訴えに、やがて彼を受け入れた。そして、週末毎に逢瀬を重ねていくうちに、凛子はいつの間にか性の歓びの底知れない深みに捕われていく。

二人の関係は次第にエスカレートしていき、凛子の養父が死んだ通夜の晩、久木にせがまれた凛子は、夫や母親の眼を逃れて喪服姿のままホテルで密会した。凛子は罪悪感にさいなまれるが、それはかえってふたりの気持ちを燃え上がらせる。やがて、久木は密かに都内にマンションを借り、凛子との愛の巣を作り上げた。

しかし、そうした大胆な行動は隠し通せるものではなく、凛子の夫・晴彦は興信所の調査で妻の不貞を知る。晴彦はあえて離婚しないことで凛子を苦しめようとし、一方、久木の妻・文枝は静かに、しかしキッパリと離婚してほしいと要求した。家庭や社会からの孤立が深まっていく中、それでも二人は逢うことを止めようとはせず、世間並みの日常が失われていく分だけ、二人だけの性と愛の充足は純度を増していく。

そんな折、久木の会社に彼の行状を暴く告発文が送られてきた。久木は、それをきっかけに辞職を決意し、文枝との離婚も承諾する。凛子もまた晴彦や実母との縁を切って、久木のもとに走った。「至高の愛の瞬間のまま死ねたら」という凛子の願いに共感するようになった久木は、誰にも告げず、二人でこの世を去ろうと決意する。雪深い温泉宿へ向かった久木と凛子は、生命を絞るように激しく求め合ったまま、互いに毒の入ったワインを口にした。後日発見されたふたりの心中死体は、局所が結合したままの愛の絶頂の瞬間を迎えた姿であった。

失楽園 スタッフ

監督:森田芳光
脚本:筒井ともみ
音楽:大島ミチル
音楽プロデュース:伊藤圭一
撮影:高瀬比呂志
美術:小沢秀高
照明:小野晃
録音:橋本文雄
編集:田中慎二
助監督:杉山泰一
音響効果:伊藤進一
視覚効果:大屋哲男
俳句監修:鈴木真砂女
書道協力:日本教育書道藝術院早乙女玉環
絵画協力:高橋淑人東京画廊
七宝工芸:平林良典
現像:IMAGICA
車輌協力:ボルボ・カーズ・ジャパン
協力:プリンスホテルオンワード樫山講談社
総合プロデュース:原正人
プロデュース:永井正夫
製作総指揮:角川歴彦

失楽園 キャスト

久木祥一郎
演 – 役所広司
出版社の元編集長。50歳。根っからの仕事人間だが、雑誌の売上を伸ばしたい営業部と、作品にこだわり過ぎて揉めたせいで左遷された。その後は調査室所属の社員になり、昭和史の編さんに携わり現在は阿部定(詳しくは阿部定事件)について調べている。凛子とは、8月に知り合って不倫関係となり、周りに仕事と誤魔化して密会したり泊りがけの旅行に出かけて過ごしている。
松原凛子
演 – 黒木瞳
久木の不倫相手。38歳。衣川のカルチャーセンターで書道を教える。“楷書の君”の由来は、かっちりとした楷書のような文字を書くことから。ある日文章の書き方を教えてもらいに来た久木と知り合い、ほどなくして不倫関係となった。本人によると久木への愛が深くなると同時に不倫する怖さを感じている。カモとクレソンの鍋が好き。25歳の頃に晴彦と見合い結婚。
久木の家族など
久木文枝
演 – 星野知子
久木の妻。自宅でタイルに模様を考えて絵を描くデザイナーのような仕事をしている。夫婦で働いていることから経済的には、それなりに余裕のある生活をしている。真面目で控え目な性格だが内心、結婚当初から仕事重視の久木に不満を持ち続けている。
知佳
演 – 木村佳乃
久木の娘。徹と結婚し、現在は親元を離れて暮らしている。詳細は不明だが普段は白衣を着る仕事をしている。作中では何度か実家に帰って両親と会っているが、2人のやり取りから夫婦仲の変化を感じ取り思い悩む。
徹(とおる)
演 – 村上淳
知佳の夫。知佳と2人で暮らしており、現在は子作りについて夫婦で考えがまとまっていない状態。メガネをかけて髪の毛を後ろで縛っている。正月に知佳と共に久木家にやって来て、4人で近くの神社に初詣に訪れる。

凛子の関係者

松原晴彦
演 – 柴俊夫
凛子の夫。医学部の大学教授らしく学会に参加したり研究室で仕事をしている。凛子の養父が心臓の発作で倒れた時は、病院で色々と手を尽くすなど医療に関しては頼りになる存在。真面目だが堅物な性格で嫉妬心も強い。凛子とは一応夫婦の会話はあるものの夜の営みはほぼない状態。チーズが好きで特にエポワスを好んで食している。
三浦節子
演 – 岩崎加根子
凛子の母。凛子が幼い頃に最初の夫が蒸発し、その後再婚。二番目の夫は優しい性格で、凛子も我が子同然でかわいがってくれた。本作の中盤で二番目の夫を亡くし、葬儀後凛子に晴彦を大事にするよう助言する。
今井美都里
演 – 金久美子
凛子の高校時代からの友人。凛子のことを「りん」と呼んでいる。フランス人の夫と離婚したばかりで、現在はハーフと思われる小学校低学年ぐらいの息子と2人暮らし。アパレルショップのディスプレイに関わる仕事をしている。

久木の同僚たち

鈴木
演 – 小坂一也
調査室の中年社員。皆久木と同じく忙しい部所から異動してきたらしく、忙しかった頃のことを懐かしむ。調査室の同僚たちとは、日頃から仕事や恋愛などについてざっくばらんに語り合っている。
横山
演 – あがた森魚
調査室の中年社員。趣味は将棋で村松と対戦している。自身を含めた同僚社員は特に重要な仕事を任されておらず地味な作業をしているだけで暇を持て余している。調査室の飲み会で秀子に、「4人の中年男性の中で一番モテそうなのは誰か?」を尋ねる。
村松
演 – 石丸謙二郎
調査室の中年社員。調査室では唯一ケータイを所有し]最近出張が増えた久木に浮気を疑う。職場では、どくだみ茶を「美味くない」と思いながらも健康のために飲んでいる。
宮田秀子
演 – 原千晶
調査室の若い女性社員で紅一点。仕事はもっぱらお茶くみと、手動の鉛筆削り器で鉛筆を削る作業。飲み会で横山たちと不倫の話題になり、不倫に必要なものを尋ねられて「体力」と答える。
久木と関わるその他の人
衣川和記
演 – 寺尾聰
久木の友人。詳細は不明だが水口とも親しい仲。カルチャーセンター勤務で、以前久木に講演を依頼したことで凛子と出会うきっかけを作った人物。久木とは時々会って食事をしながら近況を報告し合い助言するなどしている。現在お目当ての女性はいないが、最近無性に女性と恋がしたくなったと久木に打ち明ける。
小畑常務
演 – 中村敦夫
出版社で働く久木の上司。久木と凛子に関する身上書の手紙(久木が凛子に一方的に好意を抱き、言葉巧みに近づいて強引に関係を迫ったなどと悪く書かれている)が会社に届いたため、彼に事実確認する。
水口吾郎
演 – 平泉成
出版社の編集長で、前任の久木の後を引き継いだ。久木と似たような仕事人間。他の会社に転職することになり久木に報告するが、その矢先体調を崩してしまう。趣味は俳句で中でも正岡子規の句を気に入っている。
水口雅代
演 – 速水典子
水口が入院した時に、病院に見舞いに訪れた久木と会話する。

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