大地震は、1974年公開のアメリカ合衆国の映画。ロサンゼルスを襲った大地震の猛威を大規模な特撮を駆使して描いたパニック大作。チャールトン・へストン、エヴァ・ガードナーらオールスターキャストが共演を果たした。1970年代のパニック映画ブームを代表する作品の一つである。
大地震 映画批評・評価・考察
大地震(原題:Earthquake)
脚本:30点
演技・演出:16点
撮影・美術:17点
編集:8点
音響・音楽:10点
合計81点
劇場公開時は、センサラウンドという重低音で振動を体感できる音響方式が採用されていて、当時を知る人はかなり迫力があったと語られている。映像については、CGが無い時代にこれだけの映像を撮るために巨大なセットを作ったことは凄いし、この映画も「ボルケーノ」などでも語られている防災対策・危機管理で参考になるほどリアルなストーリーやシチュエーチョンが見れる。
大地震 あらすじ(ネタバレ)
ハリウッド貯水ダムを見下ろすロサンゼルスの高級住宅地に朝が訪れる。建築会社の副社長スチュワート・グラフは40を越したばかりの働きざかり。一見何不自由ない暮しのように見えるがグラフには重苦しい悩みがあった。それは妻レミーと離婚寸前の状態だったからだ。レミーは夫が出世したのは、彼女の父親サム・ロイスが建築会社の社長で、彼を引立てたからだと思い込み、彼を軽んじてきた。しかも最近になってグラフが、事故で殉職した同社の技師の未亡人デニス・マーシャルと息子のコリーをそれとなく面倒を見ていることを知って嫉妬に狂っていた。
震度3の地震が襲ったのはそんな朝だった。カルフォルニアの地震研究所では科学者たちが朝の地震についてデータを調べているうち、途方もない大地震が起こることを予測した。それは2回目の余震後、48時間以内に発生し、そのエネルギーは広島と長崎の原爆を合わせた以上の威力を持つというものだ。ストックル博士が市長に連絡したあと、2度目の余震が起こった。一方、グラフは会社でロイスから社長の座をゆずることを聞かされたが、ちょうどそこに入ってきたレミーの言葉からそれがレミーの差し金だったことに気づき、部屋を出た。レミーがあとを追ってビルの外に出たとき、予測通りの史上最大の大地震が遂にロサンゼルスを襲った。それはまさにマグニチュード8以上の激震だった。
グラフは、恐怖のあまり身動きできないレミーを車の下に引きずり入れ、超高層ビルの中の自分のオフィスに駆け込んだ。すさまじい地鳴りと振動で地割れと同時にビルも住宅もみる間に崩れ、火災が発生。ロスの街は一瞬のうちに大混乱に陥った。その頃、デニスは行方不明の息子コリーを探していた。そして水の流れていない河底の砂利の上に気絶しているコリーを発見した。河底に降りたデニスはコリーを河岸の上に持ち上げようとするが手が届かない。その間も切断された高圧電線がスパークしてはねている。ふと見ると水量調節で放流されたダムの水が上流から迫ってくる。もし電流に水が触れたら母子の命はないのだ。ちょうどそのとき、近くでオートバイの曲乗りをやっていたアイルスとサルがデニスの悲鳴を聞いて、かろうじて母子を救出した。
放送局の全滅で市当局と市民のコミュニケーションも絶えがちだった。警官ルー・スレードは混乱を鎮めようと必死の努力を続けていた。一方、ウィルソン・プラザの診療所ではバンス医師が運ばれてくる負傷者の処置に追われていた。コリーは快方に向かい、サム・ロイスは心臓麻痺で死んだ。
さらに余震が大地をゆるがせる。さすがのウィルソン・プラザ・ビルも轟音と共に崩れ落ち、地下に収容されていた何百人かが生き埋めになった。救急診療所の出口は完全にふさがれた。ビル構造に精通するグラフは勇敢なスレードと共に早速さく岩機を使って必死の作業にとりかかった。数十分後地下室に通じる穴をあけることに成功した。その中にはデニスもコリーもいた。二人の抱擁を生存者の群れの中でレミーが見ていた。コリーとデニスがまっ先に運び出され、皆は先を競ってそれに続いた。
そのとき、またも余震が起こり、ハリウッド・ダムに致命的な打撃を与えた。決潰したダムの水は洪水となってロスの下流の街をのみこんだ。家は木っ端みじんとなって流れ、何百人という人が濁流の中に消えた。ウィルソン・プラザの地下室にいた人たちは殆ど外に逃れたが、一部分の人とレミー、そしてスレードとグラフは最後の救出と脱出に懸命だった不気味な水の流れる音が脱出路の下水溝に聞こえてきた。ダムの洪水があっという間に何人かの生存者をのみこんでしまった。脱出可能なグラフは一瞬とまどいマンホールの上のデニスを見上げた。しかし、グラフはレミーのあとを追って濁流に飛び込んだ。そしてレミーの体を浮かび上がらせようとしたとき、もろくなった天井の一部が二人の頭上に落ち、二人の姿は水の中に消えた。その二人を助けるすべのないスレードは地上に出た。
大地震 スタッフ
製作・監督:マーク・ロブソン
製作総指揮:ジェニングス・ラング
脚本:マリオ・プーゾ/ジョージ・フォックス
撮影:フィリップ・ラスロップ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
編集:ドロシー・スペンサー
配給:ユニバーサル映画
大地震 キャスト
スチュアート・グラフ:チャールトン・ヘストン
レミー・グラフ:エヴァ・ガードナー
ルー・スレード:ジョージ・ケネディ
サム・ロイス:ローン・グリーン
デニス・マーシャル:ジュヌビエーブ・ブジョルド
マイルズ・クエイド:リチャード・ラウンドトゥリー
ジョディ:マージョ・ゴートナー
ローザ:ヴィクトリア・プリンシパル
酔っ払い:ウォルター・マッチャンスカヤスキー