人造人間ハカイダーは、1995年公開の日本映画。東映スーパーヒーローフェアの作品の一つ。タイトルにあるとおり、原典の『人造人間キカイダー』に登場する敵役のロボット、ハカイダーを主人公とした作品である。しかし原典とは設定が大きく異なり、名前とイメージだけを使用したスピンオフ作品。原典のイメージを元に、正義の味方というよりはアンチヒーロー、あるいはダークヒーローといった立場で、歪んだ「正義」や「秩序」を破壊する者として描かれている。公開翌年の1996年に劇場未公開シーンと新規追加撮影シーンを加えた、ディレクターズカット版が公開された。
人造人間ハカイダー 映画批評・評価・考察
人造人間ハカイダー
脚本:15点
演技・演出:12点
撮影・美術:16点
編集:6点
音響・音楽:6点
合計55点
東映スーパーヒーローフェアの作品の一つですが、どう見ても子供向けではなく、大人向けの殺戮ダークヒーローです。デビュー当時の宝生舞がとても可愛らしく、美しいです。今作品は特撮!特撮!特撮!とことん雨宮監督らしい遊びが見れます。脚本は戦隊と仮面ライダーシリーズでお馴染の井上敏樹なんですが、背景をほぼ登場人物に語らせるという悪手をしています。予算の都合なんでしょうが。後の仮面ライダーアギト、555、響鬼などに見られるアンチヒーローなところがこの作品からも伺えます。
人造人間ハカイダー あらすじ
争いのない奇跡の街ジーザスタウンに、黒い破壊者ハカイダーが現れた。ゲートを破壊して侵入したハカイダーは、迎撃に現れた重武装兵を次々と倒していく。その姿を見た反政府ゲリラのカオルは、ハカイダーを救世主と考える。
重武装兵との戦いで傷ついたハカイダーはカオルに助けられ、ジーザスタウンが元老院の総督グルジェフに支配されていることを知る。しかし、カオル以外のゲリラはハカイダーに興味を示さず、自分達の欲望のために戦っていた。そのような彼らに対しハカイダーは「お前たちも醜い」と言葉を投げかける。そこへ重武装兵を連れたミカエルが現れ、ハカイダーとゲリラたちを一掃する。
瀕死の重傷を負ったカオルはハカイダーと再会し、オアシスへ誘った直後に息絶える。怒りに燃えるハカイダーは、グルジェフの歪んだ心に支配された偽りの平和を破壊するべく、元老院へと向かう。
人造人間ハカイダー スタッフ
製作:渡邊亮徳
原作:石ノ森章太郎
プロデューサー:吉川進、白倉伸一郎、木村立哉、植村徹(東北新社)、中山晴喜(セガ・エンタープライゼス)
脚本:井上敏樹
監督:雨宮慶太
撮影:松村文雄
照明:才木勝
美術:井口昭彦
編集:菅野順吉
整音:太田克己
音楽:太田浩一、木下伸司、瑞木薫
ハカイダーテーマ作曲:渡辺宙明
助監督:香月秀之
スクリプター:生田透子
特殊技術:國米修市
キャラクターデザイン:雨宮慶太
キャラクター造型:前澤範(レインボー造型企画)
造型コーデイネート:竹谷隆之
アクション監督:金田治(ジャパンアクションクラブ)
岸本祐二衣裳造型:竹田団吾
コンピュータグラフィックス:篠原保
制作協力:東映東京撮影所
製作:東映、東映ビデオ、東北新社、セガ・エンタープライゼス
人造人間ハカイダー キャスト
リョウ:岸本祐二
カオル:宝生舞
キャップ:栗原敏
アミ(女ゲリラ):河合亜美
キヨ:井上清彦
アンディ:アンディ・スミス(演)
エディ:エディ・ローレンス
ラウフ:ラウフ・アーメッド
犯罪者:高橋利道
検問所係員:エド・サーディ
重武装兵隊長:清家利一
盗掘者:横山誠、大橋明、横山和博、阿部光男
村田誠司
吉田瑞穂
加茂進
小林勇治
山内宏聡
前原実
少年:柴田翔平
頭脳処理室の男:螢雪次朗
グルジェフ:本田恭章
声の出演
ハカイダー:松本大
ミカエル:井上和彦
アンディ:千葉繁
スーツアクター
ハカイダー:岡元次郎
ミカエル:菊地寿幸