マトリックスは、1999年公開のアメリカ合衆国の映画。従来のCGにはない、ワイヤーアクションやバレットタイムなどのVFXを融合した斬新な映像表現は「映像革命」だった。1999年のアカデミー賞では視覚効果賞、編集賞、音響賞、音響編集賞を受賞。
マトリックス 映画批評・評価・考察
マトリックス(原題:The Matrix)
脚本:40点
演技・演出:20点
撮影・美術:20点
編集:10点
音響・音楽:10点
合計100点
1990年代最後に送り出されたSFアクション映画の最高傑作。
脚本も非常に練られており、機械と人間の単純な世界感ではなく、現実の世界のコンピューターの進化と人類の歴史や宗教などの要素もあり、深く考えさせられる作品でもある。
ウォシャウスキー姉妹は、日本のアニメや香港映画の強い影響を受けているので、大友克洋や、押井守、ジョン・ウー監督作品で作り出された映像に似たシーンが存在する。
本作では、コンピュータの作り出した仮想現実を「MATRIX」と呼んでいる。
マトリックス あらすじ(ネタバレ)
トーマス・アンダーソンは、大手ソフトウェア会社のメタ・コーテックスに勤めるプログラマである。しかし、トーマスにはあらゆるコンピュータ犯罪を起こす天才ハッカーネオという、もう1つの顔があった。平凡な日々を送っていたトーマスは、ここ最近、起きているのに夢を見ているような感覚に悩まされ「今生きているこの世界は、もしかしたら夢なのではないか」という、漠然とした違和感を抱いていたが、それを裏付ける確証も得られず毎日を過ごしていた。
ある日、トーマスは「起きろ、ネオ(Wake up, Neo.)」「マトリックスが見ている(The Matrix has you.)」「白ウサギについて行け(Follow the white rabbit.)」という謎のメールを受け取る。ほどなくしてトリニティと名乗る謎の女性と出会ったトーマスは、トリニティの仲間のモーフィアスを紹介され「貴方が生きているこの世界は、コンピュータによって作られた仮想現実だ」と告げられ、このまま仮想現実で生きるか、現実の世界で目覚めるかの選択を迫られる。日常の違和感に悩まされていたトーマスは現実の世界で目覚めることを選択する。次の瞬間、トーマスは自分が培養槽のようなカプセルの中に閉じ込められ、身動きもできない状態であることに気づく。トリニティ達の言ったことは真実で、現実の世界はコンピュータの反乱によって人間社会が崩壊し、人間の大部分はコンピュータの動力源として培養されていた。覚醒してしまったトーマスは不良品として廃棄されるが、待ち構えていたトリニティとモーフィアスに救われる。
トーマスは、モーフィアスが船長を務める工作船「ネブカドネザル号」の仲間として迎えられ、ハッカーとして使っていた名前「ネオ」を名乗ることになった。モーフィアスはネオこそがコンピュータの支配を打ち破る救世主であると信じており、仮想空間での身体の使い方や、拳法などの戦闘技術を習得させた。人類の抵抗軍の一員となったネオは、仮想空間と現実を行き来しながら、人類をコンピュータの支配から解放する戦いに身を投じていく。
モーフィアスに引き合わされた予言者はネオに「あなたは救世主ではない」と告げた。ほどなく、コンピュータの手先であるエージェント・スミスに籠絡されたサイファーの裏切りで、仲間は次々に消され、モーフィアスは敵の手中におちる。ネオは自分は救世主ではないとトリニティに事実を告げながらも、モーフィアスを救出するため、エージェント・スミスらの元に彼女と共に乗り込む。見事モーフィアスを救出したネオだが、そこにエージェント・スミスが立ち塞がった。激闘の末、脱出のためにマンションの一室に逃げ込んだネオはスミスの銃弾の前にあえなく倒れる。だが、ここで奇跡が。予言者はトリニティに彼女が愛する者が救世主となると告げていたのだ。そして彼女はネオを愛するようになっていた。かくしてここにネオは救世主として再生し、スミスらを倒し、新たにコンピュータに戦いを挑んでいくのだった。
マトリックス スタッフ
監督:ウォシャウスキー姉妹(リリー・ウォシャウスキー,ラナ・ウォシャウスキー)
製作:ジョエル・シルバー
VFX:マネックス・ビジュアル・エフェクツ(MVFX)
音楽:ドン・デイヴィス
カンフーアクション指導:ユエン・ウーピン
撮影:ビル・ポープ
編集:ザック・ステンバーグ
製作会社:ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ,シルバー・ピクチャーズ
配給:ワーナー・ブラザース
マトリックス キャスト
ネオ(トーマス・A・アンダーソン):キアヌ・リーブス
モーフィアス:ローレンス・フィッシュバーン
トリニティー:キャリー=アン・モス
エージェント・スミス:ヒューゴ・ウィーヴィング
オラクル:グロリア・フォスター
サイファー:ジョー・パントリアーノ
タンク:マーカス・チョン
エイポック:ジュリアン・アラハンガ
マウス:マット・ドーラン
スウィッチ:ベリンダ・マクロリー
ドーザー:アンソニー・レイ・パーカー
エージェント・ブラウン:ポール・ゴダード
エージェント・ジョーンズ:ロバート・テイラー
ラインハート:デヴィッド・アストン
チョイ:マーク・グレー
ドゥジュール(白いうさぎの女):エイダ・ニコデモ
スプーン曲げの少年:ローワン・ウィット
巫女:デニー・ゴードン