ノストラダムスの大予言は、1974年公開の日本映画。前年の『日本沈没』の大ヒットを受けて東宝が製作したパニック映画の第二弾。1974年の邦画部門の興行収入第2位。本作のクライマックスの核戦争や大地震のシーンは新撮もされているが、映像の一部は前年の『日本沈没』や『世界大戦争』からの流用されている。文部省(当時)の推薦映画でもあったが、近代文明が核戦争で滅亡した後に放射能で異形の姿となった新人類のデザイン(井口昭彦による)が、実際の原爆症による奇形をデフォルメしたものではないかとして反倫理的・差別的であると取り沙汰され、抗議が相次いだ結果、封印映画となってしまい日本国内ではビデオ及びDVD化されていない。
ノストラダムスの大予言 映画批評・備忘録
ノストラダムスの大予言(英題:Catastrophe 1999)
脚本:27点
演技・演出:15点
撮影・美術:15点
編集:6点
音響・音楽:9点
合計72点
封印するには勿体ない、面白い映画なのですが。。。。サウンドトラックは販売されているものの、海外版のDVDを入手する以外に視聴することができない作品になっています。ノストラダムスの大予言で信者を増やしたオウム真理教の地下鉄サリン事件や東北大震災の福島原発事故もあり作中の内容が当時以上に問題になりそうなので封印解除は厳しそうです。
今作品が無ければエヴァンゲリオンも生まれてなかったと思えるほど、脚本や描写に強い影響を与えてます。封印がされていなければ共通点など比較する論評なども生まれたかもしれません。
丹波哲郎がとても良い演技をしていますし、由美かおるが脱いでいるのに、勿体ない限りです。巨大ナメクジや巨大食虫植物、食人族、奇形生物とホラー映画の宝石箱やぁ~の内容なので是非DVDで封印を解いて欲しい作品です。
ノストラダムスの大予言 あらすじ(ネタバレ)
環境学者である西山良玄は、企業や企業の肩を持つ警察の圧力に屈することなく公害の実態調査をする一方、代々西山家に伝わる『諸世紀』の研究をしていた。西山家の『諸世紀』は、良玄の先祖である幕末期の蘭学者玄学、第二次世界大戦末期の哲学者玄哲を非業の死に追い遣る原因となった不吉の書であったが、良玄もまた先祖達と同様に国を憂える良心から、彼らと似たような生き様を歩んでいたのである。
そんなある日、娘・まり子の恋人の中川が帰国。まり子と中川の前で、父の西山良玄は「今の時代、先がどうなるかわからない。結婚しても子供は作るな」と残酷な忠告をした。数日後、夢の島で何らかの有害物が原因で巨大化したナメクジが大発生する。日本各地では奇形児が増加する一方で、亜鉛鉱山周辺では特定の能力が異常に発達した子供が現れる。中川の実家がある漁村が赤潮で全滅した夜、中川とまり子は互いに惹かれ、ついに船の上で結ばれる。
良玄は、人類の行き過ぎた開発が人類を滅亡させるとして、必要以上の生産を止めるよう提言するが、人々の興味は生活の向上や生産の増加に向いており、逆に「ヒューマニズムの崩壊」と批判される始末。国際会議も、発展途上国の人口増加が環境破壊に拍車をかけていると主張する先進国と、先進国の資源浪費が環境破壊の原因だと反論する発展途上国が対立して紛糾する。そんな中、太平洋上の海面が凍りつき、エジプトで雪が降るなどの異常気象が発生。さらに、成層圏に滞留した放射能がニューギニアに降り注いだとの知らせが届き、国際合同調査隊が派遣されることになった。良玄の研究所からも2人の部下が派遣される。しかし合同調査隊は行方不明になり、良玄や中川らによる第2次合同調査隊が派遣された。そこで彼らが目の当たりにしたのは、放射能によって巨大化した動植物や、食人鬼となり襲いかかる原住民、そして洞窟の奥で生きる屍と化した第1次調査隊隊員の姿であった。彼らに拳銃を向ける外国人隊員を制止する中川だが、「こうするほかに何ができますか?」と反論された良玄は、自ら自分の部下を射殺するしかなかった。
その頃、SST事故によるオゾン層の破壊で日本列島に超紫外線が降り注ぎ、山火事やコンビナートの炎上が続発。さらに、異常気象は世界各地に拡大し、各国の穀倉地帯は軒並み全滅。暴騰する食料価格や大災害で人心は荒廃し、食料目当ての暴動や若者の退廃が進行。ついにそれによる二次災害までが発生し、東京の空はオゾン層の歪みで巨大な鏡と化した。大災害が頻発する中、良玄の妻・伸枝は病に倒れ、良玄の腕に抱かれながら息を引き取る。その一方で、まり子の体には新しい命が宿っていた。
たび重なる天変地異に、良玄は国会で様々な人類滅亡のパターンを警告し地球の危機を力説、破滅への展望を展開していく。その凄惨な内容に衝撃を受けた内閣総理大臣は、政治家として大きな決断を迫られた。
ノストラダムスの大予言 スタッフ
製作:田中友幸,田中収
監督:舛田利雄
協力監督:坂野義光
原作:五島勉『ノストラダムスの大予言』(祥伝社 1973年)
構成・脚本:八住利雄
潤色:舛田利雄,坂野義光
音楽:冨田勲
特技監督:中野昭慶
特別スタッフ
異常気象:根本順吉
食生態学:西丸震哉
超科学現象:斉藤守弘
植物社会学:宮脇学
作家:石川喬
作家:半村良
特殊技術スタッフ
撮影:富岡素敬,山本武
美術:井上泰幸
照明:池田泰平
スチール:田中一清
監督助手:川北紘一
製作担当者:篠田啓助
ノストラダムスの大予言 キャスト
西山良玄、西山玄哲、西山玄学:丹波哲郎
西山まり子:由美かおる
中川明:黒沢年男
予言の声:岸田今日子
植物学者:平田昭彦
動物学者:小泉博
田山:谷村昌彦
環境庁長官:鈴木瑞穂
官房長官:内藤武敏
吉浜:佐々木勝彦
大根:竜崎勝
木田:浜村純
自衛隊隊長:下川辰平
学者:加藤和夫、渥美国泰、北沢彪
柏尾憲兵少佐:青木義郎
田山浜子:稲野和子
四国のバスガイド:加藤小代子
木田の妻:音羽久米子
質問する主婦:矢吹寿子
中村勝子:中村たつ
おりん:谷口香
井原:武藤章生
隠密:久野四郎
中川三治:平田未喜三
閣僚:弘松三郎
学者:雪岡恵介
質問する男:久遠利三
質問する学生:亀谷雅彦
隠密:小笠原剛
明の兄:大杉雄二
警官:鈴木治夫、青木敏夫
群衆のリーダー:苅谷俊介
小坂正男
暴徒:富士乃幸夫
紫外線で焼け出される家族:加藤茂雄
木田の娘の夫:鳥居功靖
中山剣吾
宇仁貫三
子供の母親、群衆:東静子
林光子
紫外線で焼け出される家族、ナメクジに集まる野次馬:記平佳枝
木田の娘:麻里とも恵
明の兄の妻:吉田真野子
劇団ひまわり
劇団日本児童
太田一雄(テレビニュースキャスター):納谷悟郎
暗算を読み上げる司会者、カーラジオの声:市川治
ラジオの声:作間功
A国代表の声、海外ニュースの声:村越伊知郎
黒人代表の声:梶哲也
黒人代表:ウイリー・ドーシー
ニューギニア調査隊員:ロルフ・ジェッター、フランツ・グルーバー
A国代表:ジョージ・F・フリム
ニューギニア調査隊員:トニー・セテラ、ライナー・ゲッシュマン
隊員:カール・マクムラン、オスマン・ユセフ
スタント:三石千尋(マイクスタントマンチーム)
ナレーター:中江真司
病院長:志村喬
西山伸枝:司葉子
首相:山村聡