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ダークマン|サム・ライミ監督が描く現代版「オペラ座の怪人」とも言うべきモダン・クラシカルな復讐譚。

映画 ダークマン
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ダークマンは、1990年製作のアメリカ合衆国の映画。殺し屋によって瀕死の・火傷を負わされながら自らの開発した人工皮膚によって蘇った男--ダークマンの、現代版「オペラ座の怪人」とも言うべきモダン・クラシカルな復讐譚。サム・ライミ監督らしいコミック感覚あふれる映像が新鮮なアクション・スリラー。

ダークマン 映画批評・評価・考察


ダークマン(原題:Darkman)

脚本:35点
演技・演出:14点
撮影・美術:13点
編集:8点
音響・音楽:8点
合計78点

死霊のはらわたシリーズで、国内外で名前が知られ始めていたサム・ライミ監督が、この作品で多くのコア・ファンを掴んだようにも思える作品。

この映画が初主演だったリーアム・ニーソンの好演も作品の質に貢献しているし、圧倒的な悪役ボス感が漂うラリー・ドレイクも素晴らしい。後の作品であるスパイダーマンシリーズの音楽も含め下地になった作品のようにも見えるので、サム・ライミ監督の作品が比較的好きな人には面白さが伝わると思うのでお薦めです。

全体的予算の都合もありチープ感もあるし、ストーリーも暗い内容なので万人受けはしないでしょうが。。。。僕は好きです。

今作品はU-NEXT で見ました。

ダークマン あらすじ(ネタバレ)

人工皮膚の開発に従事する若き科学者、ペイトン・ウェストレイク(リーアム・ニーソン)は、恋人で弁護士のジュリー(フランセス・マクドーマンド)が手に入れた土地の再開発にからむ収賄事件の証拠書類を持っていたことから、突然デュラン(ラリー・ドレイク)ら殺し屋一味に襲われ、書類を渡せと拷問を加えられた末に実験室に火をつけられる。全身に大火傷を負いながらも奇跡的に一命を取りとめた彼は、全ての神経を切断されて感覚が麻痺した結果、抑制力を失ない超人的な力を発揮するようになっていた。その夜病院を抜け出したペイトンはジュリーのもとへ向かうが、変わり果てた姿となった彼をジュリーが見分けられようはずはなかった。

失意の中ペイトンは廃工場の暗闇の中に身を潜める<ダークマン>となって、超人的な努力で人工皮膚の研究を再開するが、それはまだ実験段階で、どうしても光に弱く99分で分解してしまうのだった。一方、ジュリーはデュランを雇ったのが不動産業界の大立者ルイス(コリン・フリールズ)であることを知り問いつめるが、彼は動じないばかりか、逆に彼女に自分の片腕にならないかと迫る。

そんな中在りし日のペイトンの姿の仮面をかぶったダークマンが再びジュリーの前に現われる。死んだと思っていた恋人の生還に喜ぶ彼女に、彼はどうしても自分のありのままの姿を見せることができず、いつも治療があるといっては皮膚の分解する前に消え去るのだった。そしてついにダークマンの復讐が開始される。人工皮膚を使って変装した彼はデュラン一味の1人1人になり替わることによって、彼らを仲間割れに追い込み、1人ずつ仕留めてゆく。

そんな不審な死亡事故の連続にダークマンの正体はペイトンではないかと疑ったジュリーは、ペイトンに変装したダークマンの後を追い、正体を知っても驚かない、復讐に協力する、と告げるが、ペイトンの生存を知ったルイスは彼女を人質に取ってダークマンに挑戦してきた。ヘリコプターを使って攻撃してくるデュランを倒したダークマンは、高層ビルの建設現場でついにルイスと対決する。壮絶なバトルの末ダークマンは勝利を収めるが、思わず駆け寄るジュリーに彼は、「仮面をつけると中身まで変わる」と言い放つや、真のダークマン--誰でもない者になって雑踏の中に消えていった。

ダークマン スタッフ

監督:サム・ライミ
脚本:チャック・ファーラー,サム・ライミ,アイヴァン・ライミ,ダニエル・ゴールディン,ジョシュア・ゴールディン
原案:サム・ライミ
製作:ロバート・タパート
音楽:ダニー・エルフマン
撮影:ビル・ポープ
編集:デヴィッド・スティーヴン,バッド・S・スミス

ダークマン キャスト

ペイトン・ウェストレイク / ダークマンリーアム・ニーソン
ウェイン州立大学の生化学教授。30歳。火傷患者のための画期的な人工皮膚開発に勤しんでおり、ほぼ完璧に近いところまで成功させていたが、どうしても99分で崩壊する問題を解決できないでいた。善良だが変わり者、コーヒーをジュリーの仕事書類の上に置いて染みを作ってしまう、出勤直前のジュリーへ朝の道端でプロポーズするなど抜けている部分もあり、良く言えば自分の感情に素直ともいえる。やがて人工皮膚が光に弱いことを突き止めるも、ストラック社の不正証拠を狙ったデュラント一味に研究室を襲撃され、彼女の仕事に興味が無く何のことかわからなかったために拷問を受けた事で、両手と顔面を完全に破壊され、全身の40%に火傷を負ってしまう。身元不明のホームレスとして病院に搬送され、実験的医療としてランゲヴェリッツ・プロセスを施されたことで一命をとりとめたが、視床下部の神経を切断されたことで無感覚状態となり、その代償として感情制御が困難になったペイトンは、怒りの爆発に伴うアドレナリンの過剰分泌で超人的な身体能力を発揮できるようになる。病院を脱走してジュリーの元へ赴くも、変わり果てた姿を気づいてもらえなかったことで絶望、実験室の跡地から研究機材を運び出すと、フレッシュスプラッシュ石鹸工場の廃墟に潜み、人工皮膚の研究を再開した。そして研究が難航する中で苛立ちが爆発し、たまたま自分を襲撃したデュラント一味を見つけた事で恐ろしい復讐に手を染めていく。人工皮膚を駆使した変装は、当初は姿形だけしか模倣できず、また99分の制限時間にも慣れていなかったため周囲の人々から訝しまれていた。しかし徐々に変装相手の演技を行えるようになり、デュラント一味との決戦では人工皮膚のマスクを駆使して敵を撹乱するにまで至った。超人的な身体能力はギャングらを格闘戦で圧倒し、ヘリコプターに吊るされてビル街を振り回されても平然としているほどで、鋲打ち銃で鉄骨へ撃ち抜かれても自分の肉を引き裂いて脱出し、敵へ襲いかかった。一方、こうした残虐な行為を平然と行えることには自身でも愕然としており、やがて自分は怪物になったと思いつめる。最終的には殺人に対する呵責に「良心を鍛えている」と言い放ち、もはや自分はペイトン・ウェストレイクではなくダークマンなのだと断じる。

ジュリー・ヘイスティングスフランシス・マクドーマンド
ペイトンの恋人である女性弁護士。パパス・アンド・スウェイン弁護士事務所で弁護士としての活動を始めて間もないが、ストラック社の代理人を務めるほどの腕利き。そのためペイトンからのプロポーズを一旦は保留にするものの、彼に対する愛情は確かであり、結婚についても前向きに考えていた。しかしその業務の中でストラック社の不正証拠を掴んでしまい、ルイス・ストラックスに告発を考えている事を伝えたため、ストラックス社の競争相手であるデュラント一味によってペイトンが襲撃されてしまう。当初は書類も失われ、ペイトンも死んだと思って深く落ち込んでいたが、人工皮膚のマスクを被ったペイトンと再会したことで再び元の生活に戻れるのではと信じるようになる。些細な違和感の積み重ねと、デート中に激高したペイトンの異様な様子から後をつけ、彼が火傷で顔を大きく怪我した事を隠していると悟る。そのため以後は彼を支えようとストラックス社との仕事を辞める事を決意するが、その中で失われたはずの証拠書類を見つけ、ルイスとデュラント一味が結託している事を知ってしまう。それと同時に生存していたペイトンが妨害者だと知った彼らによって人質として囚われてしまい、ペイトンの戦いを見守ることしかできなくなる。最後までペイトンに寄り添おうとしていたが、彼から「ペイトンは死んだ」と冷たく拒絶され、必死になって追いかけるも雑踏の中に紛れたダークマンを見つける事はできなかった。

ルイス・ストラック・Jrコリン・フリールズ
大手建設会社ストラック・インダストリー社の若き社長。ハンサムでエネルギッシュ、陽気で人柄も良いが、その反面、必要とあらば手段を選ばない残酷な性質を秘めている。ジュリーとはビジネスパートナーとして良好な関係を築き、いずれは彼女も自分のものにしようとしていたが、不正の証拠を突きつけられてしまう。しかしそれも全ては貧困地区の再開発計画の為だと説得し、さらには不正の証拠を狙うデュラント一味に襲われるのではと警告。デュラントらによってペイトンが爆死すると、傷心のジュリーを気遣って親身になって彼女を支えようとした。しかし実はデュラント一味と結託した、一連の事件の黒幕である。老いた父や不仲になった妻を密かに殺害して成り上がってきており、ペイトン殺害と書類奪取を命じたのも彼であった。自身とデュラントを妨害していたのが生還したペイトンだと知ると、ジュリーを誘拐してペイトンを誘き出し、彼を抹殺せんと目論む。若い頃は父親によって高層ビルの建築現場で働かされており、鉄骨の上を平然と歩けるほどに高所へ慣れている。そのためダークマンとの最終決戦に、自身の再開発建築現場を選ぶ。

ロバート・G・デュラントラリー・ドレイク
暗黒街を牛耳っている残忍なギャングのボス。気に入った標的は拷問して痛めつけ、その指を葉巻カッターで切断してコレクションにする事を好んでいる。ストラック社の不正証拠書類を求めてペイトンの研究室を襲撃し、彼の助手ヤナギダを目の前で惨殺。ペイトンに対しても拷問を行い、彼の両手と顔面を破壊した上で研究室を爆破して吹き飛ばしてしまう。しかし生き残ったペイトンの復讐によって部下と資金源を失い、さらに濡れ衣を着せられ逮捕されるなど徐々に追い詰められた事で、ペイトンの抹殺を執念深く狙うようになる。廃工場への襲撃ではヘリコプターとグレネードランチャーを用いて、自らダークマンとの対決に挑む。

ヤスキチ・ヤナギモトネルソン・マシタ
ペイトンの助手。日本人の大学院生で、大阪出身。ウェイン州立大学へ留学しており、ペイトンと共に人工皮膚の研究に勤しんでいた。しかしデュラント一味の襲撃を受け、ペイトンの目の前で惨殺されてしまう。

エディ・ブラックジェシー・ローレンス・ファーガソン
デュラントの商売敵。映画冒頭でデュラントと抗争状態に陥り、奇襲を受けて部下を皆殺しにされ、さらに指を全て切断されるという残酷な拷問を受ける。その後は不明だが、恐らく殺害されたものと思われる。

ルディ・グズマンラファエル・H・ロブレド
デュラントの部下。メキシコ出身の元ボクサー。デュラントに率いられ、スキップと共にペイトンの廃工場を襲撃する。しかしダークマンに襲われ、スキップのマスクとペイトンのマスクを二重に被せられた上でスキップの前に送り出されてしまう。

スキップダン・ヒックス
デュラントの部下。片足を失っており、そこにマシンガンを内蔵した義足を装着している。ルディとコンビを組んで行動する事が多いが、廃工場の襲撃には誘拐したジュリーをルイスの元まで送り届けたため参加していない。高層建築現場での最終決戦において、ルイスを援護する。

リックテッド・ライミ
デュラントの部下。眼鏡をかけた神経質な男で、デュラントのお気に入り。自分は犯罪に向いていないと思っているが、デュラントにヤナギダ射殺を命じられて実行するなど、彼の単純な命令を遂行する事は向いていると感じている。ダークマンの復讐の最初の標的とされてしまう。

スマイリーダン・ベル
デュラントの部下。常にへらへら笑っており銃を撃つのが何よりも好きな危険人物。デュラントに率いられ、ルディと共にペイトンの廃工場を襲撃する。目の前に現れたもうひとりの自分の正体がペイトンであると暴いて射殺するも、それは変装させられたルディであり、ショックを受けたところをダークマンに殴り倒される。最後は研究所爆破の意趣返しとして、廃工場ごと吹き飛ばされた。

パウリーニコラス・ワース
デュラントの部下。スキンヘッドの巨漢で、大食漢。そのため常に胃を悪くしていて胃腸薬を飲むせいで、口元が白い。デュラントの集金係を務めており、リックからの情報でパウリーに変装したダークマンから横領の濡れ衣を着せられ、デュラントによって粛清された。

医師:ジョン・ランディス
変装したダークマン:ブルース・キャンベル

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