ターミネーター4は、2009年公開のアメリカ合衆国の映画。「ターミネーター」シリーズの第4作目で、『ターミネーター3』(2003年)の続編であると同時に、『ターミネーター』(1984年)の前日譚でもある。主演はクリスチャン・ベールとサム・ワーシントンで、アントン・イェルチン、ムーン・ブラッドグッド、ブライス・ダラス・ハワード、コモン、マイケル・アイアンサイド、ヘレナ・ボナム=カーターらが出演している。これまでの作品とは異なり、本作は2018年を舞台にした終末論的映画である。ベールはレジスタンスの戦士で中心人物であるジョン・コナーを、ワーシントンはサイボーグのマーカス・ライトを演じる。イェルチンは『ターミネーター』で初登場した若き日のカイル・リースを演じ、T-800ターミネーターの起源を描いている。
ターミネーター4 映画批評・評価・考察
ターミネーター4(原題: Terminator Salvation)
脚本:29点
演技・演出:14点
撮影・美術:17点
編集:7点
音響・音楽:7点
合計74点
前作ターミネーター3の脚本を継いでいることから、キャストの変更はありましたが正式な続編だと思えました。駄作と言われたT3ですが、僕の個人的な感想としては、T3はシリーズものの難しさが表面化したキャストと演出の問題がありましたが、全てが悪かったわけではなく大まかなストーリーはよくできているように思えました。そして今作も公開当時は駄作と言われていましたが、実際はそうでもなく、シリーズ1作目からの4作目(完結編)の内容になっています。ただし、T3もT4もキャストの降板や変更があったことで感情移入できないキャラクターにどうしてもなってしまいます。仮にエドワード・ファーロングが薬物中毒に陥らず、立派に俳優業を継続していたら、適正年齢で3作のジョン・コナーを演じられた可能性がありましたし、観客が感じる違和感も無かったかもしれません。このシリーズで重要なのは、ターミネーターを演じたシュワルツェネッガーではなく、ジョン・コナー、サラ・コナー、カイル・リースを演じるものの繋がりになります。
今作の主人公はマーカス・ライトを演じたサム・ワーシントンですが、カイル・リースとジョン・コナーの出会いのカギになる存在に過ぎず、掘り下げた割に各キャラクターの印象を下げてしまったように思えました。映画の面白さで言えば、興行成績が示しているようにT3の方がまだ面白い(わかりやすい)映画だったことが分かります。特に日本での興行成績が著しく下がった(T3の半分以下)のが興味深いです。僕はサム・ワーシントンに全く魅力を感じないんです。彼のファンに怒られそうですが、アバターやタイタンの戦い(リメイク)も他の人に演じて欲しかったと思ってます。ジェームズ・キャメロンが見込んでいようと、あの芋っぽい感じがどうも役にあわないんです。タイタンの戦いもペルセウスにまったく見えませんでした。今作も良い筋肉してるなぁ~とは思いましたが、やっぱり芋さを感じてしまいSFの世界に合わないように感じました。
第1作からシリーズ全作で特殊メイクを担当したスタン・ウィンストンは撮影中の2008年6月15日に他界したため、ウィンストンの遺作となりました。マックG監督はエンドクレジットで本作品をスタン・ウィンストンに捧げています。
今作品はU-NEXT で見ました。
ターミネーター4 あらすじ
2018年。地球上のあらゆる都市が、人類に反旗を翻した超高性能コンピューターネットワーク「スカイネット」による核攻撃を受けた「審判の日(ジャッジメント・デイ)」後の荒廃した世界。スカイネット率いる機械軍は、いよいよ人類に対する最後の総攻撃を仕掛けようとしていた。
「審判の日」を生き延び、レジスタンスの部隊長となったジョン・コナーはスカイネット研究所での機械軍との抗戦のさなか、スカイネットが人々を生け捕りにし、生体細胞を複製しようとしている事実を掴む。スカイネットはついに、民間潜入型ターミネーター「T-800」の開発に着手していたのだ。同じ頃レジスタンス本部では、アシュダウン将軍ら司令部がスカイネット総攻撃の計画を企てていた。ジョンはその目的がスカイネットが秘密裏に遂行しようとしている「暗殺リスト」の阻止にあると知るが、そのリストには自分の名前だけではなく、最重要ターゲットとして「カイル・リース」の名前があったのだった。
一方、ロサンゼルス郊外の荒れ野原でひとりの男が目を覚ました。男の名はマーカス・ライト。目を覚ます前の記憶を一切を失っていたマーカスは荒れ果てた光景に驚きを隠せない。間もなく汎用殺人型ターミネーター「T-600」に遭遇。マーカスは窮地に陥るがその場に居合わせた孤児の少年に命を救われる。同じく孤児で口が利けない少女スターと共に戦禍を生き延びてきたその少年だが、彼自身がスカイネットの最重要ターゲットにして、後にジョンの父となるカイル・リースだった。
彼らと行動を共にすることになったマーカスは、ある晩短波ラジオでレジスタンスの決起放送を耳にする。「君たちは決して孤独ではない」。そう呼びかけているのは、密かに人々の間で「救世主」として伝説となっているジョンの声だった。カイルに抵抗軍のことを聞いたマーカスは、カイルとスターを連れてジョンの元へと急ぐ。
ターミネーター4 スタッフ
監督:マックG
脚本:ジョン・ブランケート,マイケル・フェリス
原作:キャラクター創造 ジェームズ・キャメロン,ゲイル・アン・ハード
製作:デレク・アンダーソン,ヴィクター・キュビチェク,ジェフリー・シルヴァー,モリッツ・ボーマン
製作総指揮:アンドリュー・G・ヴァイナ
音楽:ダニー・エルフマン
撮影:シェーン・ハールバット
編集:コンラッド・バフ
製作会社:ハルシオン・カンパニー,ワンダーランド・サウンド・アンド・ヴィジョン
配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ,コロンビア ピクチャーズ,ソニー・ピクチャーズ
ターミネーター4 キャスト
ジョン・コナー:クリスチャン・ベール
マーカス・ライト:サム・ワーシントン
カイル・リース:アントン・イェルチン
ブレア・ウィリアムズ:ムーン・ブラッドグッド
スター:ジェイダグレイス・ベリー
ケイト・コナー:ブライス・ダラス・ハワード
バーンズ:コモン
セレーナ・コーガン:ヘレナ・ボナム=カーター
ヴァージニア:ジェーン・アレクサンダー
アシュダウン将軍:マイケル・アイアンサイド
ロシェンコ将軍:イヴァン・グヴェラ
T-800:ローランド・キッキンガー,アーノルド・シュワルツェネッガー
サラ・コナー(声):リンダ・ハミルトン(クレジットなし)